教授

加藤 総夫

教授写真
助教

高橋 由香里

杉村 弥恵

ポストドクトラル・フェロー

徳永 亮太

大学院生

奥田 崇雄

坂田 早苗

布間 寛章

浮地 里佳子

守屋 正道

佐藤 奈保子

研究生 矢島 愛美
非常勤講師

釣木澤 朋和

下山 恵美

訪問研究員

野口 淳

山本 純偉

北村 明彦

辻 恵

遠山 悟史

Mathieu Piché

研究補助

垂水 崇子

大森 亜樹

講座(研究室)の概要
本研究部は、2001年に設立された神経科学研究部・神経生理学研究室を母体としており、2013年の総合医科学研究センター改組に伴って、神経科学研究部として組織され、以来、本学の非臨床系神経科学研究の中核研究室として活動を続けている。本学には神経科学・神経生理学を標榜する基礎講座が存在しないが、本研究部が、医学科教育および大学院教育に加え、研究推進拠点としての神経科学に関連した活動を中心となって推進している。現在、未解決のまま残されている臨床と直結したさまざまな医学的問題の中には、多臓器と脳の間の制御機構の解明を避けて通れないものが少なくなく、神経科学〜脳科学の視点から、教育と研究の推進において、国内・国際的に活動を展開している。
医学科教育について
ユニット中枢神経系では、総論から自律神経系の基礎、神経生理学、そして痛みの神経科学までを担当している。脳の機能の理解には圧倒的に細胞種の多い神経系の進化に関する理解と、その成立に関与してきたさまざまな機能・形態に関与する分子の理解が必須である。どのような分子と細胞、そしてシナプスにおける細胞間情報伝達機構が、高性能情報処理装置としての脳の機能を支えているのかを理解する基盤を学んでもらう。また、その重要な臨床医学的問題である「痛み」について、分子・細胞・シナプス・ネットワーク・行動のレベルから横断的かつ縦断的に理解し、「分子や細胞から成立しているヒトに、どうして、人間としての病苦や苦悩が生じるのか」までも理解できる最先端の視点を学んでもらうことを目指す。「病気を診ずして病人を診る」ことの生物学的基盤を学ぶといってもいい。また、現在、本学では、神経生理学に特化した専門家による実習・研修が存在しないので、研究室配属・ユニット医学研究をはじめ、神経機能に興味のある学生を受け入れて実際のニューロン・ネットワーク・行動を対象とした研究活動に触れる機会も提供している。
大学院教育・研究について
「細胞・統合神経科学」の細目を担当している。医学研究を進める上で必要となる多くの研究プロセスを経験し、その本質を理解・実践できるようになることを目指している。医学研究を進めることの意味、科学的問題の設定法、具体的な研究計画の立案と実施方法、統計学の基礎と応用、実験計画法の基礎と応用、動物実験・再現実験などの研究者倫理の基盤、論文の読み方、書き方、パラグラフ・ライティングの基礎、科学的記述のための英文法、科学的議論のための英会話、プレゼンテーション法、英文の書き方、研究に特化した各種アプリケーションの使用法、プログラミングの基礎、大量情報処理の基礎、論文投稿の実際、編集者・査読者とのやり取りの方法、研究費申請書の書き方と公的研究費を取得することに関する考え方と責任、など、研究者として独立できるような指導を進めている。現在までに、33人の本学大学院生(派遣・再派遣を含む)が在籍し、本研究部での研究で21人が学位を取得してきた。さらに、これから学位を取得する予定の10人が学位論文の研究を進めている(2021年以降、再派遣を除き大学院生は受け入れない)。また、大学院講義「医学研究法―基礎医学研究の進め方」「脳・神経科学研究法概論」「動物実験に関する共通カリキュラム」の一部を担当している。
講座(研究室)からのメッセージ

 脳機能の理解は人間の理解につながっています。病因も治療法も見出されていない疾患が圧倒的に多く残されているのも脳と神経系です。それだけではなく、さまざまな臓器のはたらきを調整しているのも脳と神経系で、それらの疾患にも重要な関与をしていることがわかってきています。当研究室では、臨床医学諸講座や国内外の第1線の研究機関との共同研究・研究協力を通じて、国際レベルの神経研究を展開しています。この進歩の著しい分野の魅力を教育を通じて伝えるとともに、本学における神経機能研究の中心としてアクティヴに活動を進めています。

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教育担当
講義科目名称と対象学年

基礎医科学(医学科2年)ユニット「中枢神経系」(概論,自律神経系,神経生理学,痛みの生理学),「症候から病態へ(腹痛)」(医学科5年)

実習科目名称と対象学年
研究室配属(医学科3年)
選択実習(医学科6年)
ユニット医学研究(医学科1年−6年)
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大学院担当科目名称
神経・感覚機能病態・治療学  細胞統合神経科学
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主な研究テーマ
実験研究
痛みネットワークの痛み依存的シナプス可塑性における炎症の役割の解明
痛みネットワークの痛み依存的ニューロン活性化と回路修飾機構の解明
痛みネットワークの痛み行動制御機構と中枢作用性鎮痛薬作用機序の解明
全身性広汎性痛覚過敏の発現における扁桃体ニューロンの役割の解明
三叉神経侵害受容入力の脳内シナプス伝達可塑性に及ぼす影響の解明
関節リウマチ動物における全身炎症・グリア・疼痛連関の解明
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主な業績

【原著論文】

(2016年以降)

  1. Moriwaki Y, Kubo N, Watanabe M, Asano S, Shinoda T, Sugino T, Ichikawa D, Tsuji S, Kato F, Misawa H. Endogenous neurotoxin-like protein Ly6H inhibits alpha7 nicotinic acetylcholine receptor currents at the plasma membrane. Scientific Reports, 2020 (in press).
  2. Miwa S, Watabe AM, Shimada Y, Higuchi T, Kobayashi H, Fukuda T, Kato F, Ida H, Ohashi T. Efficient engraftment of genetically modified cells is necessary to ameliorate central nervous system involvement of murine model of mucopolysaccharidosis type II by hematopoietic stem cell targeted gene therapy. Molecular Genetics and Metabolism 130:262-273,2020.
  3. Oto Y, Takahashi Y, Kurosaka D, Kato F. Alterations of voluntary behavior in the course of disease progress and pharmacotherapy in mice with collagen-induced arthritis. Arthritis Research & Therapy 21:284, 2019.
  4. Arimura D, Shinohara K, Takahashi Y, Sugimura YK, Sugimoto M, Tsurugizawa T, Marumo K, Kato F. Primary role of the amygdala in spontaneous inflammatory pain-associated activation of pain networks - a chemogenetic manganese-enhanced MRI approach. Frontiers in Neural Circuits, 2019.
  5. Yamauchi N, Takahashi D, Sugimura YK, Kato F, Amano T, Minami M. Activation of the neural pathway from the dorsolateral bed nucleus of the stria terminalis to the central amygdala induces anxiety-like behaviors. The European Journal of Neuroscience 48:3052-3061,2018.
  6. Soma S, Yoshida J, Kato S, Takahashi Y, Nonomura S, Sugimura YK, Rios A, Kawabata M, Kobayashi K, Kato F, Sakai Y, Isomura Y. Ipsilateral-dominant control of limb movements in rodent posterior parietal cortex. The Journal of Neuroscience, 2018.
  7. Igarashi H, Ikeda K, Onimaru H, Kaneko R, Koizumi K, Beppu K, Nishizawa K, Takahashi Y, Kato F, Matsui K, Kobayashi K, Yanagawa Y, Muramatsu SI, Ishizuka T, Yawo H. Targeted expression of step-function opsins in transgenic rats for optogenetic studies. Scientific Reports 8:5435, 2018.
  8. Miyazawa Y, Takahashi Y, Watabe AM, Kato F. Predominant synaptic potentiation and activation in the right central amygdala are independent of bilateral parabrachial activation in the hemilateral trigeminal inflammatory pain model of rats. Molecular Pain 14:1744806918807102,2018.
  9. Shinohara K, Watabe AM, Nagase M, Okutsu Y, Takahashi Y, Kurihara H, Kato F. Essential role of endogenous calcitonin gene-related peptide in pain-associated plasticity in the central amygdala, European Journal of Neuroscience, 46:2149-2160,2017.
  10. Okutsu Y, Takahashi Y, Nagase M, Shinohara K, Ikeda R, Kato F. Potentiation of NMDA receptor-mediated synaptic transmission at the parabrachial-central amygdala synapses by CGRP in mice, Molecular Pain, 13:1744806917709201,2017.
  11. Takagi S, Kono Y, Nagase M, Mochio S, Kato F. Facilitation of distinct inhibitory synaptic inputs by chemical anoxia in neurons in the oculomotor, facial and hypoglossal motor nuclei of the rat. Experimental Neurology, 290:95-105,2017.
  12. Yokose J, Okubo-Suzuki R, Nomoto M, Ohkawa N, Nishizono H, Suzuki A, Matsuo M, Tsujimura S, Takahashi Y, Nagase M, Watabe AM, Sasahara M, Kato F, Inokuchi K. Overlapping memory trace indispensable for linking, but not recalling, individual memories. Science. 355:398-403,2017.
  13. Tsurugizawa T, Takahashi Y, Kato F. Distinct effects of isoflurane on basal BOLD signals in tissue/vascular microstructures in rats. Scientific Reports, 6:38977, 2016.
  14. Nomoto M, Ohkawa N, Nishizono H, Yokose J, Suzuki A, Matsuo M, Tsujimura S, Takahashi Y, Nagase M, Watabe AM, Kato F, Inokuchi K. Cellular tagging as a neural network mechanism for behavioural tagging, Nature Communications, 7:12319,2016.
  15. Sugimura YK, Takahashi Y, Watabe AM, Kato F. Synaptic and network consequences of monosynaptic nociceptive inputs of parabrachial nucleus origin in the central amygdala, Journal of Neurophysiology, 115:2721-2739,2016.
  16. Tsuji M, Takahashi Y, Watabe AM, Kato F. Enhanced long-term potentiation in mature rats in a model of epileptic spasms with betamethasone-priming and postnatal N-methyl-d-aspartate administration, Epilepsia 57:495-505,2016.
  17. Takeda K, Yamaguchi Y, Hino M, Kato F. Potentiation of acetylcholine-mediated facilitation of inhibitory synaptic transmission by an azaindolizione derivative, ZSET1446 (ST101), in the rat hippocampus, Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 356:445-455,2016.
  18. Watabe AM, Nagase M, Hagiwara A, Hida Y, Tsuji M, Ochiai T, Kato F, Ohtsuka T. SAD-B kinase regulates pre-synaptic vesicular dynamics at hippocampal Schaffer collateral synapses and affects contextual fear memory. Journal of Neurochemistry, 136:36-47, 2016.

(2015以前の業績は、独自のホームページ参照)

【総説・解説】

(2016年以降)

  1. 加藤総夫, 高橋由香里, 杉村弥恵. 【PAIN-痛み 痛覚システムの最新理解と免疫・がん・多臓器への新たな役割】「痛み」を生み出す脳機構. 実験医学 2020;38:416-424.
  2. 高橋由香里, 宮沢 祐太, 有村 大吾, 杉村 弥恵, 加藤 総夫. 三叉神経支配領域炎症性疼痛モデルにおける扁桃体疼痛制御機構, Pain Research 35:10-16,2020.
  3. Kato F, Sugimura YK, Takahashi Y. Pain-associated neural plasticity in the parabrachial to central amygdala circuit: Pain changes the brain, and the brain changes the pain. Advances in Experimental Medicine and Biology, 1099:157-166,2018.
  4. 加藤総夫. 【慢性疼痛update-実地診療に役立つ最新知見-】痛みの慢性化の脳内メカニズム. 日本臨床 2019;77:1936-1943.
  5. 加藤総夫, 高橋由香里, 杉村弥恵. 各種疾患 自律神経疾患 神経可塑性障害としての慢性痛 腕傍核扁桃体中心核路の役割. Annu Rev 2019;2019:277-283.
  6. 加藤総夫, 杉村弥恵, 高橋由香里. 痛みと情動・自律反応 痛み情動の生物学的意味を考え直す. 自律神経 2019;56:123-127.
  7. 加藤総夫. 【脳神経回路のダイナミクスから探る脳の発達・疾患・老化】痛みと神経可塑性. 生体の科学 2019;70:38-42.
  8. 篠原恵, 池田亮, 丸毛啓史, 高橋由香里, 加藤総夫. 痛みと情動 痛みと情動を結ぶ脳回路におけるCGRPの役割. Locomot Pain Front 2018;7:90-95.
  9. 加藤総夫. 最新基礎科学 知っておきたい 運動器慢性痛に関与する脳内メカニズム. 臨床整形外科 2018;53:166-170.
  10. 有村大吾, 篠原恵, 丸毛啓史, 釣木澤朋和, 高橋由香里, 加藤総夫. 整形トピックス マンガン造影MRIを用いた小動物自発脳活動可視化. 整形外科 2018;69:738.
  11. 加藤総夫. 【がん疼痛マネジメント】(第VII章)ステップアップ 痛みはどこにあるんだろう? がん看護 2018;23:278-280.
  12. 高橋由香里, 加藤総夫. 【痛みに関する脳機能研究アーカイブズ】扁桃体と痛み. ペインクリニック 2017;38:965-972.
  13. 加藤総夫. 【痛みと精神医学】痛みと情動の生物学的基盤. 最新精神医学 2017;22:93-102.
  14. 加藤総夫. 痛み脳科学に基づく痛みの制御を目指して. 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス 2017;48:154-162.
  15. 高橋由香里, 加藤総夫. 【痛みと情動-基礎研究の最前線研究と臨床への応用-】痛みと情動 基礎医学 扁桃体と痛み. ペインクリニック 2016;37:723-730.
  16. 加藤総夫. 新たな自律神経研究への生理学的アプローチ 自律神経機能を担う分子の生理的役割の同定. 自律神経 2015;52:266-269.

(2015以前の業績は、独自のホームページ参照)

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主な競争的研究費

文部科学省科学研究費

  • 基盤研究(C)
    「Fos-TRAP法による脳内痛みニューロンの機能的同定とその慢性痛での役割の解明」(2020 - 2022)高橋 由香里
  • 新学術領域研究
    「痛みネットワーク回路再編スクラップ&ビルドのGOサインとしての炎症の意義」(2019 - 2020)加藤 総夫
  • 若手研究
    「全身性炎症による脳内痛みネットワークの可塑的変化と痛覚過敏への関与の解明」(2019 - 2021)杉村 弥恵
  • 基盤研究(B)
    「脊髄−腕傍核−扁桃体−下行性疼痛制御系ループの痛み依存的シナプス可塑性」(2018 - 2020)加藤 総夫
  • 基盤研究(C)
    「慢性痛痛み-情動連関亢進における内因性ノルアドレナリンの役割の解明」(2017 - 2019)高橋 由香里
  • 若手研究(B)
    「痛みの慢性化形成過程における扁桃体ノルアドレナリン機構の解明と介入」(2015 - 2017)高橋 由香里
  • 基盤研究(B)
    「脊髄−腕傍核−扁桃体路による痛み情動生成機構の解明」(2013 - 2016)加藤 総夫
  • 若手研究(B)
    「ノルアドレナリン作動性神経による疼痛誘発扁桃体シナプス可塑性修飾機構の解明」(2013 - 2014)高橋 由香里

その他

  • AMED(厚労科研)慢性の痛み解明研究事業
    「診断・治療法の開発を目指した痛みの慢性化脳機構に関するトランスレーショナル研究」(研究代表者・加藤)
  • 文部科学省私立大学戦略的基盤形成支援事業
    「痛みの苦痛緩和を目指した集学的脳医科学研究拠点の形成」(平成25-29年度)(研究代表者:加藤)
  • 厚生労働省・慢性の痛み解明研究事業
    「診断・治療法の開発を目指した痛みの慢性化脳機構に関するトランスレーショナル研究」(研究代表者:加藤)
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その他
【社会的な活動】

日本学術会議第24期連携会員(加藤)

日本生理学会理事(加藤)

日本疼痛学会理事(加藤)

日本自律神経学会理事(加藤)

日本薬理学会学術評議員(加藤)

日本脳科学関連学会連合評議員(加藤)

国際疼痛学会Pain Research Forum編集委員(加藤)

国際疼痛学会ディジタル戦略コンテンツWorking Group委員(加藤)

イラン生理学薬理学会編集委員(加藤)

Frontiers in Pain Research - Pain Mechanisms Editorial Board (加藤)

Molecular Pain副編集長(加藤)

など

 

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講座(研究室)独自のホームページURL
東京慈恵会医科大学 神経科学研究部ウェブサイト
http://www.jikei-neuroscience.com/website/
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