センター長 嘉糠洋陸(兼任)教授写真
准教授 石渡賢治(兼任)
講師 櫻井達也(兼任)
助教 青沼宏佳(兼任)
山地佳代子(兼任)
佐久間知佐子(兼任)
保科斉生(兼任)
大手学(兼任)
佐藤大祐(兼任)
研究員 齊木選射(兼任)
池田愛(兼任)
飯塚愛恵(兼任)
髙柳咲乃(兼任)
大学院生 吉田拓磨(兼任)
市村秀俊(兼任)
研究補助員 岩波幸(兼任)
北村彩香(兼任)
原田友美(兼任)
講座(研究室)の概要
 当センターは、本学の先端医学推進拠点群のひとつとして、平成26年9月に設置されました。医科学分野における節足動物を研究する、日本の国公私立大学における初めての専門研究機関です。
 マラリア、日本脳炎および糸状虫症等の疾患は、蚊やマダニ、ハエなどの媒介節足動物(ベクター)によって伝播される病原体由来の感染症であり、人間や動物に対して世界的に大きな脅威となっています。これら寄生虫やウイルス、細菌の感染拡大の可能性は常に脅威であり、それらに関わる基盤研究の重要性は年々増しています。本邦では、新興感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が2013年に勃興し、マダニ媒介性の新規ウイルスが原因であることが明らかとなりました。また、2014年夏には、蚊によって媒介されるデング熱の国内アウトブレークが約70年振りに認められました。
 当センターは、蚊、マダニ、ハエ等の節足動物を研究するための4つのユニットを設置しています。(1)病原体・宿主相互作用ユニット、(2)行動科学ユニット、(3)感染疫学ユニット、(4)医用工学ユニットを基軸とし、それらにウイルスや細菌、寄生虫等の病原体を融合させることで、ベクターによる感染症伝播等の生命現象を多角的視野で捉え、先導的研究を推進しています。医学分野における節足動物の生物学的理解からその病原体媒介制御まで一貫して取り扱う、本邦で唯一のプラットフォームを形成するとともに、時代が要するベクターの高度専門家の育成を目指しています。
医学科・大学院教育について
 当センターでは、医学科および大学院において特定の科目・コース等を担当していませんが、研究室配属(医学科3年)または選択実習(医学科6年)における研究の場として活用することが出来ます。兼任の教員により、大学院生の指導(再派遣)も可能です。
研究について

(研究推進部門)  
 病原体・宿主相互作用ユニットでは、媒介節足動物と病原体間相互作用を主な対象に、生理生化学および分子遺伝学の観点から解析を進めています。  行動科学ユニットは、神経行動学的アプローチにより、宿主認識行動および吸血行動メカニズムの解明に取り組んでいます。

 感染疫学ユニットでは、ベクター感染症の病原体を対象に、検出法の開発と感染症流行状況の把握など多角的なストラテジーで研究を展開しています。  医用工学ユニットでは、難治性創傷の治療法のひとつであるマゴットセラピーや、鬱血に対する医療用ヒルの使用など、主にバイオセラピーを対象にしています。
(支援・協力部門)
 感染実験が可能な、BSL2規格のインセクタリウム(節足動物飼育室)が設置されています。ネッタイシマカ、ハマダラカ、マダニ2種(フタトゲチマダニ、タカサゴキララマダニ)、サシガメ2種、ネコノミ、ヒロズキンバエ等を擁する、国内随一のベクター種を取り揃えた節足動物飼育施設となっています。
 国際研究協力カウンターパートとして、西アフリカにあるナイジェリア・イバダン大学医学部と、ブルキナファソ・ワガドゥグ大学および国立マラリア研究研修センターと連携しています。年1回程度、各国の定点採集地点を訪れ、ハマダラカ等のサンプリングを実施しています。それぞれの拠点機関に研究室スペースがあり、解析実験等が可能です。セミナー開催などによる学術交流も盛んに行われています。

講座(研究室)からのメッセージ
 2012年末に明らかなった、マダニ媒介性SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスの本邦における存在、さらには本年夏に発生したデング熱の蚊による感染拡大は、国民がベクター感染症およびその媒介節足動物に強い関心を寄せる転機となりました。日本におけるベクター感染症の発症例は、日本脳炎やライム病、マラリアなどについて、散発例および諸外国での感染に起因する輸入症例に限られていました。しかしSFTSやデング熱の勃興により、グローバル化や温暖化等によるベクター感染症流行域の本邦への拡大、また新興・再興感染症としての新たなベクター感染症の出現などの可能性が一気に顕在化しました。
 一方で、これらの病原体は、患者体内のみならず、自然界や媒介する節足動物の体内において固有のライフサイクル(生活環)を持っており、複雑な増殖・分化の過程を経て、新たな患者を生み出しています。これら病原体の生存戦略は、いま現在も変貌を遂げつつあり、それは同時に多様な生命現象の宝庫でもあります。
 当センターでは、正確な知識と理解を背景に、深い洞察力と自由な発想・想像力をもってベクター感染症およびベクターとなる節足動物に関わる研究を展開しています。このような研究に興味を持つ学生・研究者の参加を期待しています。
主な研究テーマ
■実験研究
1. ハエ類による病原細菌の摂食媒介の分子基盤
2. マラリア媒介蚊の病原体排除・共存バランスとそのメカニズムの解明
3. マラリア媒介蚊における腸管内細菌の作用
4. 等温遺伝子増幅法によるマラリア媒介蚊の殺虫剤耐性変異の検出
5. 吸血ターゲット認識におけるマラリア媒介蚊の口吻の新しい役割
6. マダニよる宿主認識と病原体伝播メカニズムの解明
7. 遺伝子改変による高効率化マゴットセラピー法の開発
8. デング熱媒介蚊における吸血行動の神経行動学的な理解
主な業績
1. Badolo A, Bando H, Traoré A, Ko-Ketsu M, Guelbeogo WM, Kanuka H, Ranson H, Sagnon N, Fukumoto S. "Detection of G119S ace-1 (R) mutation in field-collected Anopheles gambiae mosquitoes using allele-specific loop-mediated isothermal amplification (AS-LAMP) method." Malaria J 14(1): 477 (2015)

2. Bando H, Okado K, Guelbeogo WM, Badolo A, Aonuma H, Nelson B, Fukumoto S, Xuan X, Sagnon N, Kanuka H. “Intra-specific diversity of Serratia marcescens in Anopheles mosquito midgut defines Plasmodium transmission capacity.”Scientific Reports 3: 1641 (2013)

3. Badolo A, Okado K, Guelbeogo WM, Aonuma H, Bando H, Fukumoto S, Sagnon N, Kanuka H. "Development of an allele-specific, loop-mediated, isothermal amplification method (AS-LAMP) to detect the L1014F kdr-w mutation in Anopheles gambiae s. l." Malaria J 11: 227 (2012)

4. Maekawa E, Aonuma H, Nelson B, Yoshimura A, Tokunaga F, Fukumoto S, Kanuka H. “The role of proboscis of the malaria vector mosquito Anopheles stephensi in host-seeking behavior.” Parasit Vectors4(1): 10 (2011)

5. Aonuma H, Yoshimura A, Kobayashi T, Okado K, Badolo A, Nelson B, Kanuka H, and Fukumoto S. “A single fluorescence-based LAMP reaction for identifying multiple parasites in mosquitoes.” Exp Parasitol125(2): 179-183 (2010)

6. Aonuma H, Yoshimura A, Perera N, Shinzawa N, Bando H, Oshiro S, Nelson B, Fukumoto S, Kanuka H. “Loop-mediated isothermal amplification applied to filarial parasites detection in the mosquito vectors: Dirofilaria immitis as a study model.” Parasit Vectors 2(1): 15 (2009)

7. Perera N, Aonuma H, Yoshimura A, Teramoto T, Iseki H, Nelson B, Igarashi I, Yagi T, Fukumoto S, Kanuka H. “Rapid identification of virus-carrying mosquitoes using reverse transcription-loop-mediated isothermal amplification.” J Virol Methods 156(1-2): 32-6 (2009)

8. Aonuma H, Suzuki M, Iseki H, Perera N, Nelson B, Igarashi I, Yagi T, Kanuka H, Fukumoto S. “Rapid identification of Plasmodium-carrying mosquitoes using loop-mediated isothermal amplification.” Biochem Biophys Res Commun 376(4): 671-6 (2008)
主な競争的研究費
○日本医療研究開発機構(AMED)アフリカにおける顧みられない熱帯病(NTDs)対策のための国際共同研究プログラム「西アフリカ・ブルキナファソにおけるデング熱媒介蚊制御のための集学的研究」平成27年度〜平成31年度(嘉糠)
○日本学術振興会・研究拠点形成事業(アジア・アフリカ学術基盤形成型) 「西アフリカにおける感染症ベクター先端研究教育拠点」平成26年度〜平成28年度(嘉糠)
○文科省科研費・基盤研究(B)一般 「病原体媒介節足動物コンピテンシーを制御するレジスタンス・トレランス機構」平成26年度〜平成28年度(嘉糠)
○文科省科研費・挑戦的萌芽研究 「遺伝子改変による高効率化マゴットセラピー法の開発」平成26年度〜平成27年度(嘉糠)
講座(研究室)独自のホームページURL
衛生動物学研究センターのホームページ(公開予定)
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