ここでは一番最初のイニシエーションとして広い分野での症例を経験するとともに、多くの先生方と一緒に働くことができ、慈恵外科医局の雰囲気、熱さ、楽しさの一端を経験し、これからの外科医としての生活への期待に胸が高まったことを覚えています。
その後は1年ごとに分院や関連病院をローテートする事になります。私は最初に町田市民病院へ出向し、その後柏病院へ異動しました。レジデント生活を通じて痛感することは、どこへ行っても指導して頂く先生方が私たちレジデントへの教育・指導について非常に熱心であり、手術はもちろんのこと病棟管理、諸検査、外来フォロー、患者さんとの接し方、外科医としての心構え、果ては人生相談に至るまで外科医として学ぶべき事を丁寧に、優しく、そして時に厳しく教えて頂いている事です。同期のレジデントの話でも同様で、出身大学などに関係なく、外科医局員の一員であるという仲間意識がレジデント教育のレベルの高さに繋がっているのだと思います。
私はこれまで2年間で450件以上の手術に携わらせていただき、その内の300件ほどを術者として経験させていただきました。内容も最初はヘルニア・虫垂炎から始まり、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌などなど、段階的に手ほどきを受け、非常に幅広い経験をさせてもらっています。レジデントは疾患班に関係なく各分野の経験を積むことができ、興味の幅が広がる事、多くの先輩たちの指導を受けられる事も外科大講座制のメリットであり、それは専門分野に進んだ後でも外科医として大きな財産になると思います。また、収入や待遇面でも心配はありません。症例数不足や待遇などに関しても年2回のレジデント教授面接によるフィードバックシステムが完備されており、安心して修練を積む事ができます。
自分が経験しているように、当講座のレジデントを志す後輩達も、慈恵医大外科学講座の仲間に加わって外科医としての一歩を踏み出し、充実した毎日を過ごしてくれたらと思います。
|