プライマリケアのための臨床研究者育成プログラム

受講者が獲得すべきコンピテンシー

本取組では,ネットワークのハブ機能として大学附属病院における臨床研究者養成コースの設置によりプライマリケア従事者(特に若手プライマリケア医)の指導を行うことになる。その中で参加者はコースのプロダクトとして実際に臨床研究を立案,遂行,解析した結果を論文として発表することになる。具体的には,コース受講者の目標は,1)日常診療での観察や生じた疑問をいかに臨床研究につなげていくかのプロセスを経験すること,2)臨床研究を行う際に必須となる基礎的な疫学の概念と知識とともに,臨床研究デザインの構築法を学ぶ。このコースでは,生物統計学の概念や知識だけでなく,データベース管理や統計ソフトウェアの使用法,臨床研究者にとって欠かすことができない研究倫理についても学ぶ。さらに自ら立案した研究を遂行するコースワークを行なうことで,実施上の手順や問題点がどのように発生するのか等の経験を積む。このような学習を,face-to-face での講義・演習,e-learning環境での双方向性学習が可能なネットワークを構築して,地域でプライマリケア医療に携わる医療者が臨床研究を行うことが日常的になるシステムを構築している。これにより,欧米と比較して遅れているといわれるわが国の臨床研究の底上げになると共に,地域医療の質の向上にも寄与すると考えている。本取組みの精神は,大学がプライマリケア現場の医療者を支援することで,地域市民へ大学の智を還元しようとするものである。
プライマリケア現場の医療者(とくに若手医師)が臨床研究を行う際に身につけておくべき疫学・臨床研究の知識や技術を修得できるために妥当で効率的な2年間のコースを設定している。本学の内科学講座・総合診療部,教育センター,薬物治療学研究室,環境保健医学講座,およびプライマリケア現場を熟知し,EBMや家庭医療学に精通している外部委員を招聘し指導体制を組んでいる。

本コースには,
1)EBMから始まる臨床研究コース 2)疫学・臨床研究コース, 3)生物統計学コース, 4)家庭医療学コース, 5)質的研究コース 6)研究倫理コース 7)臨床研究実践コースを設けた。