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小児科 アレルギー診療:花粉症,アレルギー性鼻炎

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花粉症とアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因となって起こるアレルギー疾患です。通年性アレルギー性鼻炎は、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などが原因となり、季節に関係なく症状が現れるアレルギー疾患です。
イラストどちらも、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状を伴います。

花粉症と通年性アレルギー性鼻炎の治療法の一つに、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲンとは、アレルギーを起こす物質である花粉やダニ、ハウスダストなどのことです。
アレルゲン免疫療法は、そのアレルゲンを少量ずつ体に入れることで、少しずつ慣らしていき、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
長期的に治療を継続することで、症状を抑えること、または症状が完全に抑えられない場合でも症状を和らげておくすりの量を減らすことが期待できます。

アレルゲン免疫療法には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」と、近年登場した治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」があります。

 

皮下免疫療法

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舌下免疫療法

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方法 皮下に注射 舌の下に置く
場所 医療機関 初回のみ医療機関
2回目以降は自宅で可能
投与間隔 最初の約1週間は入院して1日4〜5回
以降は月1回程度(Rush法)
毎日
痛み 注射による痛みあり なし
治療に対する
患者さんの理解
必要 皮下免疫療法より
詳しく必要

現在保険診療で行える皮下/舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニによる通年性アレルギー性鼻炎の2種類です。
スギ花粉に対する皮下/舌下免疫療法は、スギ花粉が飛ぶ可能性がある時期には始めることができないため、6〜12月頃から治療スタートとなります。ダニに対する舌下免疫療法は、一年中、いつからでも治療を始めることができます。
皮下/舌下免疫療法は5歳頃から開始することができ、治療期間は3〜5年と長期間かかりますので、根気強く続ける必要があります。

〜舌下免疫療法の流れ〜

問診、アレルギー検査

スギ花粉症またはダニによる通年性アレルギー性鼻炎と診断、また治療の適応と判断された場合

舌下免疫療法を開始

初回

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  • 当院で医師の監督のもと行います。
  • 治療薬を舌の下に置き、1〜2分間(お薬によって定められた時間)保持したあとに
    飲み込みます。
  • その後の体調の変化がないことを確認して終了となります。

2回目

2日目からは自宅で1日1回服用を行います。

〜服用時に気をつけること〜

  • 服用後5分間はうがい・飲食はしないでください。
  • 副作用が起こるおそれがありますので、服用前、及び服用後2時間は、激しい運動、入浴などは避けるようにしてください。

〜舌下免疫療法の副作用〜

主な副作用として、口の中の浮腫・腫れ・かゆみ・不快感・異常感、唇の腫れ、のどの刺激感・不快感、耳のかゆみなどがあります。また稀ではありますが、アナフィラキシーという重篤な副作用を引き起こすことがあります。そのため、初回服用は医療機関で医師の監督のもと行います。

※アナフィラキシーとは、医薬品などに対する急性の過敏反応により、じんましんや息苦しさ、咳、腹痛や嘔吐、顔面蒼白、意識の混濁などがみられるものです。