診療内容

■ 一般単純撮影

当院ではエックス線(放射線)をデジタルパネルで読み取り、少ないエックス線量で、高画質の画像を診療へ提供しています。デジタル化された画像は、最速で提供され診療に役立っています。1枚の撮影は数秒程度の短時間で終わりますが、医師の指示により、いろいろ方向を変えて何枚か撮影する場合があります。妊娠しているか、その可能性のある方は事前に医師にお知らせください撮影をする際に着衣の脱衣・更衣をお願いする場合があります。撮影部位によっては湿布、カイロ、エレキバン、コルセット、ボタン等を外して頂く場合があります。写真がブレないように、息を止めていただいたり、身体の静止をお願いしたりすることもあります。

■ X線透視検査

エックス線透視画像を見ながら行う検査です。造影剤を使い、ふつうのレントゲン写真ではうつらない胃や腸などの消化管をはじめ、胆のう、尿路、子宮卵管などの検査・治療をします。また、内視鏡を併用して胆管・膵管の造影や総胆管結石の治療、消化管ステント挿入術なども行っています。整形外科領域においては椎間板ヘルニアや脊椎狭窄症の検査、全脊椎スロットアドバンス撮影や、高解像度断層撮影(トモシンセシス)などの特殊撮影も行っています。 検査内容によっては飲食制限、検査食や下剤の服用などご協力が必要な場合があります。また、検査中には体の向きを変えながら,様々な方向から撮影を行うこともあります。

■ 骨密度測定

微量なエックス線を使って、骨組織に含まれる骨塩量を測定して骨密度を計測する検査です。骨量は20歳頃をピークにして少しずつ減少していきます。高齢化社会を迎え骨粗しょう症に起因する骨折や脊椎・関節の変形性機能障害が増加しています。骨密度を測定することにより、骨粗鬆症の早期予防が出来ます。検査時間は15分程度です。検査の際に、着衣の脱衣・更衣をお願いする場合があります。また、測定に影響を与えるものとして、湿布、カイロ、エレキバン、コルセット、ボタン等が挙げられます。腰椎や股関節に体内金属がある場合は,診療放射線技師にお知らせください。

■ 超音波検査

超音波検査とは、「エコー」とも呼ばれており、超音波(人の耳で聞くことのできない高い周波数の音)を利用して、体内の情報を得る検査です。放射線を利用していないため被ばくがなく産婦人科の妊婦検診でも使われています。放射線部の超音波検査室では心臓を除く循環器系(頸動脈・腹部・四肢血管)、腹部臓器全般、乳腺・甲状腺等の体表疾患など幅広い超音波検査を行っています。また肝臓の造影超音波検査にも対応しています。ドプラ検査による血流評価をはじめ、エラストグラフィ(肝硬度測定含む)や肝脂肪化測定、3D画像表示、CT、MRI画像との同期機能(Fusion)が装備され多様な検査に対応可能な装置が配備されています。

■ CT検査

CT(Computed Tomography)とは日本語でコンピュータ断層撮影といいます。X線を使って身体の断面を撮影する検査です。当院では64列2台のマルチスライスCTを導入しています。この装置はこれまでより被ばく線量が低減され、より早く細かく広範囲の撮影が可能です。さらに詳細な三次元画像構を提供でき一般臨床の診断に役立っています。また、心臓の冠動脈の動きやブレを認識し、自動で冠動脈の静止画像を構築する動態解析アルゴリズム(SnapShot Freeze)を導入し、より精細な画像処理も行っています。
また、心臓の冠動脈の動きやブレを認識し、自動で冠動脈の静止画像を構築する動態解析アルゴリズム(SnapShot Freeze)を導入し、より精細な画像処理も行っています。

■ 血管撮影検査・IVR

血管撮影とは、鼠径部や腕からカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し造影を注入することにより血管の走行や血行動態等を見る検査です。
IVR(interventional radiology)とは、放射線診断の手技を介在させて行う治療で外科手術などと並ぶ治療法の大きな柱のひとつです。現在、当院では腫瘍や出血に対する塞栓術治療を行っています。心臓では不整脈疾患に対するアブレーション、心筋梗塞に対する治療も行っています。脳血管では、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頚動脈ステントなどの治療も行っています検査には血管撮影・IVR専門認定技師が従事しています。

■ マンモグラフィ検査

乳房専用の装置を使って行うX線検査です。
しこりとして触知することのできない早期乳がん(石灰化)を発見するのに有効でトモシンセシス(3Dマンモ)による精度の高い検査もできます。また、針生検より多くの検体採取が可能なマンモトーム生検が可能です。
検査は女性のマンモグラフィ認定技師が行っています。

■ MRI検査

MRIとは(Magnetic Resonance Imaging)の略で強力な磁石の力と電磁波により生体内の画像を得る検査です。当院には、2台の超電導1.5T(テスラ)MRI装置が導入されています。MRIの特徴は放射線被ばくがなく冠状断、矢状断像など多方向からの撮像が可能なことです。一度に全身を検査することはできませんが、部位を限局することで頭から足先まで様々な検査に対応しています。また、造影剤を使用せずに全身の血液の流れを画像化(MRA:MR血管撮影)したり、胆のう、胆管、膵管を描出(MRCP:MR胆管膵管撮像)する検査が可能です。検査時間は15分〜20分と長く、動きに弱いため検査部位をスポンジや砂のうベルトなどで固定をして検査を行います。

■ 核医学(アイソトープ)検査

RI検査はRI(Radio Isotope:放射性同位元素)を用いた「放射性医薬品」を体内に投与して疾患の診断を行う検査です。目的の臓器に集まるRIをカメラで画像にして病気の有無や治療効果を判定します。RIによる体内の放射線量は時間と共に少なくなり体外に排出されるため身体に対する放射線の影響は少なく薬の量も微量なため副作用の心配もありません。脳や心臓の血流検査、認知症検査、骨や腫瘍の検査など検査によりRIが臓器に集まる時間が異なるため注射後すぐ検査を行う場合や時間をあけての検査、2回検査などがあり検査内容によって所要時間が変わります。

■ 放射線治療とは

がん細胞が正常細胞に比べ放射線に弱いことを利用し病巣部に放射線を照射することでがんの治療を行います。放射線治療は手術療法、化学療法と並ぶ、がん治療の3本柱の1つです。通常は、放射線発生装置(リニアックなど)により作られた放射線を体の外部より照射します。放射線治療の第一の特徴は、病変が限局している場合、がんの存在する臓器の形や機能を残したまま治すことが出来ることです。また、全身への負担が少なく、高齢者や体力のない患者さんでも治療可能であり、多くの場合は外来通院でも治療可能です。当院で導入している高精度放射線治療装置Infinity(Elekta社)は、画像誘導放射線治療や赤外線カメラを用いた自動患者位置決めシステムによってミリ単位で位置精度を確保し患者さんの負担を少なく高精度な治療をすることが可能です。
また、放射線治療専門医が3次元治療計画装置を用いて治療計画を立てて治療を行い、放射線治療専門技師と医学物理士が治療精度の維持と管理を行いながら安全で安心な放射線治療を提供しています。

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