平成27年度 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 病院指標

DPCデータにより全国統一の病院指標を作成し公開することで、当院の特徴や体制について理解を深めていただくことを目的としています。

◆DPC(診断群分類別包括制度)とは
DPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、医師が決定した主病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、
国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。

◆指標の主な定義
・平成27年度(平成27年4月~平成28年3月)に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータが対象になります。
・10未満の数値の場合は、-(ハイフン) を記入しています。

本指標に関するお問い合わせは、当院診療情報室へお願いします。

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

◆当院のDPC対象患者さんの年齢階級別10歳刻みの退院患者数です。

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 943 323 332 633 945 1,107 1,846 2,354 1,118 136
 平成27年度の全退院患者数は9,737人でした。
 幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいておりますが、70歳代が一番多く約24%を占めております。また、60歳以上の患者さんは約56%を超えており、地域社会の高齢化が反映されております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード

◆各診療科別に症例数の多いDPC14桁分類入院についてDPCコード、DPC名称、患者数、平均在院日数、
  全国の平均在院日数、転院率、平均年齢、解説を示しております。
◆一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の診療科で集計しております。

内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎 15歳以上 手術なし 処置2なし 11 11.91 14.34 9.09 51.82
150030xxxxx0xx ウイルス性髄膜炎 処置2なし - - 8.71 - -
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 処置2なし - - 18.15 - -
 表記の内科とは、当院における総合内科を表しております。
 総合内科は急性期疾患の治療をメインに行っています。特に感染症の入院が多く、肺炎治療を行っています。頭痛や改善しない発熱を主訴として入院し、ウイルス性髄膜炎や敗血症と診断される患者さんの治療を行っています。そして、症例件数は減少傾向ですが脳梗塞の治療を行っています。急性期治療が終了し、継続してリハビリテーション療法が必要な場合は専門病院との連携を図っています。
 また当院はHIV拠点病院であり、感染制御部の指導のもと化学療法を行っています。膠原病などで免疫抑制剤やステロイドによる治療を受けている患者さんの感染症併発時には当科が治療を行っています。
消化器・肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む) その他の手術 処置2なし 122 10.23 11.98 0.00% 72.45
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的消化管止血術等 副傷病なし 68 3.21 2.76 0.00% 64.47
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 56 11.34 10.93 1.79% 75.82
 C型慢性肝炎は、インターフェロンフリーの治療の登場により治る時代になりましたが、治癒後(SVR)の肝臓癌の発生もあり、肝臓癌に対してはラジオ波焼却療法を中心に治療しています。当院では、切除の必要とされた大腸ポリープに対して、大きさやその他患者さんの状態に応じて入院日数を決定し治療させていただいています。総胆管結石に対する砕石術は、内視鏡的乳頭切開術(EST)を主としてここ数年は年間60例前後を内視鏡部の先生と共に施行しています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 処置2なし 副傷病なし 27 16.96 19.00 0.00% 75.93
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 処置2:SPECT等(1) 副傷病なし 19 19.68 21.49 15.79% 73.84
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 処置2:SPECT等(1) 副傷病なし 14 17.86 18.04 7.14% 72.57
  社会的な高齢化に伴いパーキンソン病ならびに認知症を含むこの関連疾患が急増しています。従って発症早期に鑑別診断を進め、リハビリテーションや薬物治療などの適正な介入が必要になります。また、重症度に応じた難病申請と、患者さんの生活背景を勘案した生活支援形成ならびに社会資源の活用に関する情報提供などを行います。さらに、担当のケアマネージャーと近隣医療機関との連携を軸として、葛飾区全体で高齢者難治性疾患に対する医療を提供します。パーキンソン関連疾患ならびに認知症関連疾患の入院患者総数は年間200名を超えています。

腎臓・高血圧内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 67 7.42 13.64 0.00% 55.61
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 処置1:経皮的針生検法 副傷病なし 54 6.35 7.47 0.00% 55.30
110280xx02x10x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 処置2:人工腎臓(1) 副傷病なし 53 21.68 33.71 1.89% 65.34
 日本の慢性腎臓病患者数は増加し続け、透析患者は31万人を超えています。腎臓・高血圧内科に入院する患者さんも慢性腎臓病の患者さんが多く、発症間もない患者さんでは原因診断のための腎生検の入院が多く、進行した患者さんでは透析導入や合併症による入院が多い傾向を示しています。
 透析用アクセス手術である内シャント設置術や腹膜灌流(透析)用カテーテル留置術は当科で施行しています。経皮的シャント拡張術は当科に入院して放射線科が施行しています
糖尿病・代謝・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 56 13.61 15.35 0.00% 56.93
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 処置2なし 副傷病なし 15 13.40 14.20 0.00% 54.60
100060xxxxxxxx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 13 11.08 14.30 0.00% 54.31
 急性期の糖尿病合併症に対する治療、糖尿病の初期教育、インスリンやGLP-1導入を目的とした入院治療を行います。教育体制として、CDEJ有資格者による多職種で構成されたチーム医療で患者支援に取り組みます。1型糖尿病や治療困難な2型糖尿病に対しては、24時間血糖持続測定やインスリンポンプを使用したきめ細かい血糖管理を試みます。また、近年増加している糖尿病合併妊娠、妊娠糖尿病の血糖管理を産科と協力して対応します。
 内分泌疾患は下垂体疾患、副腎疾患を中心にホルモン負荷試験、画像検査、サンプリングなどを実施し精査を行います。
 さらに、手術目的にて入院をしている患者さんが、合併症や臓器障害を有する場合は、入院担当科との密接な連携のもと専門性や質の高い糖尿病医療を実践し、周術期の血糖管理はもちろんのこと教育や治療の見直しを進めます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 処置1:心臓カテーテル法による諸検査 処置2なし 副傷病なし 139 3.12 3.07 2.16% 65.89
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 処置1なし 処置2なし 98 4.26 4.87 0.00% 67.63
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 35 14.34 18.30 8.57% 82.63
 虚血性心疾患は近年増加傾向にあり、当科では冠動脈CTも駆使して早期診断に心がけています。冠動脈造影のみでは判断に迷う症例は冠血流予備能比の算出も併用し治療方針を決定しています。インフォームドコンセントをしっかりと得て安全に十分心掛けております。検査・治療も3日程度の入院で行っています。また、今年度からは心房細動も含めたカテーテルアブレーションを開始し、術後は近隣の医療機関との連携にも取り組んでおります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 163 24.21 13.38 1.23% 70.00
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1なし 処置2:アバスチン(8) 61 22.03 11.62 0.00% 65.87
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 35 29.77 20.63 2.86% 79.29
 日本人の2人にひとりが癌になるといわれる時代ですが、肺の悪性腫瘍の代表である「肺癌」は年間約8万人が発症し、7万人が死亡する、癌の中で最も死亡数が多い病気です。当科では、外科・放射線科との連携の中で、肺癌の治療(手術・化学療法・放射線療法)を行っています。一方で、「間質性肺炎」は、肺胞(ブドウの房状の小さな袋がたくさん集まっているもの)の壁の正常構造が壊れて線維化が起こる病気です。間質性肺炎の原因はさまざまで、膠原(こうげん)病、じん肺、放射線、アレルギー性のものなどがあります。当科では、血液検査・画像診断・気管支鏡検査を駆使し、診断と治療を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎 15歳未満 処置2なし 133 7.59 5.72 0.00% 3.17
040100xxxxx00x 喘息 処置2なし 副傷病なし 95 8.25 6.31 0.00% 3.46
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし 40 4.53 5.50 0.00% 4.38
 小児科は地域中核病院の小児科入院施設として幅広く診療を行っており、肺炎・気管支炎や感染性胃腸炎などに代表される急性感染症の治療目的で入院される患者さんのなかには、先天的異常や重症心身障害などの基礎疾患を持つ方も多数含まれています。川崎病、痙攣重積、ネフローゼ症候群の治療も積極的に行っており、検査目的の入院では低身長症に対する成長ホルモン分泌刺激試験、食物アレルギーに対する経口食物負荷試験を主に行っています。悪性新生物に対する化学療法、心臓カテーテル検査・治療及び外科手術が必要な心疾患の患者さんは、東京慈恵会医科大学附属病院(本院)へ転院していただき治療を継続しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx03xx0x 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 副傷病なし 72 5.67 5.56 0.00% 29.69
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 58 8.21 9.17 3.45% 65.14
060035xx0101xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 処置1なし 処置2:人工腎臓等(1) 56 15.36 30.64 1.79% 69.14
 消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん、肝胆膵がん)、乳がん、甲状腺がん、肺がんなどの悪性腫瘍に対しては、最新の情報と知識を反映し、最も効果的かつ安全と考えられる治療を提供します。患者さんの生命の延長の追求にとどまらず、合併症・後遺症をおさえ、入院期間を短くし、美容的な満足が得られることにも力を注ぎます。手術を行う外科医だけではなく、放射線治療医、看護師などを含む総合的な治療チームを組織し、初期治療から緩和まで、患者さんに最大の利益が得られる集学的治療を行います。また「患者さんに優しい」低侵襲(内視鏡)手術の積極的な導入も行っています。内視鏡手術に関しては慈恵医大独自の手術資格認定制度を設け、認定試験にパスした者のみ術者となるシステムになっています。また、手術適応も保険で認められたものおよび施設基準を満たしたものに限ることを原則とし、安全性を第一に行っています。小児外科領域においても積極的に導入しております。鼠径ヘルニアや痔核・痔瘻といった肛門疾患などに対する一般的な手術においても、専門家が最新で再発の少ない確実な手術を行います。虫垂炎や消化管の穿孔・出血などの緊急手術が必要とされる場合にも、速やかに手術ができる体制を整えています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 81 28.35 28.70 41.98% 79.60
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 36 5.11 5.70 0.00% 33.36
160740xx97xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 副傷病なし 29 4.10 5.41 0.00% 18.72
 整形外科は、地域の基幹病院として大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折などの高齢者の救急外傷、肘関節周囲骨折などの小児外傷、その他交通外傷・労災外傷の受け入れを積極的に行っております。また、脊椎、肘、手、膝、足関節外科といった幅広い専門性を有しており、変性疾患、スポーツ障害などに対して、エビデンスに基づいた治療を行っております。DPCの細分化により分散するために順位は下がりますが、外反母趾、後脛骨筋腱機能不全、変形性足関節症、腰部脊柱管狭窄症、頚椎症、変形性膝関節症、膝前十字靱帯損傷、手根管症候群、手指の外傷などに対しても、各分野の専門医が、低侵襲手術を心掛け、早期の機能回復、スポーツ・社会復帰に努めております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010200xx99x0xx 水頭症 手術なし 処置2なし 23 10.09 8.20 0.00% 76.48
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 処置1:動脈造影カテーテル法(選択的に造影撮影) 処置2なし 23 2.22 3.15 0.00% 65.43
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 処置2なし 副傷病なし 23 9.91 11.91 0.00% 79.74
 脳動脈瘤の検査、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症の検査、脳出血、脳梗塞などの入院が多くを占めています。最近の傾向として、検査入院の患者さんが多くなっています。充分な検査を行った上で、手術の必要性や方法を検討するという当科の方針を反映したものです。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし 119 8.18 7.59 0.00% 72.87
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 処置1なし 副傷病なし 65 5.06 5.91 0.00% 57.29
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術 副傷病なし 45 4.89 5.49 0.00% 66.91
 泌尿器科で最も症例数が多いのが表在性膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術です。次いで多いのは腎・尿路結石、尿路閉塞を来した水腎症です。水腎症は(準)緊急内視鏡手術として尿管ステント挿入を多く行います。これは、当院が地域の基幹病院として、腎・尿管結石や閉塞性尿路障害を数多く扱っていることが関与していると考えられます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 103 8.21 10.18 0.00% 44.44
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 68 7.93 9.63 1.47% 33.47
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 処置2:化学療法ありかつ放射線療法なし(4) 副傷病なし 64 6.08 5.33 0.00% 56.64
 産婦人科は地域の中核病院として、近隣の医療機関から多くの患者を受け入れており、特に多い疾患は、良性疾患における婦人科手術症例や集学的治療を要する悪性腫瘍です。また、周産期連携病院として東京都から指定を受けており、異常分娩の母体救命を目的とした症例が増加しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020290xx97xxxx 涙器の疾患 手術あり 41 5.02 5.18 0.00% 62.02
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 処置2なし 片眼 34 9.47 8.62 0.00% 60.71
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 22 11.95 11.08 0.00% 56.77
 眼科で最も多い手術は、白内障手術であり、主に日帰りで行っておりますが、全身合併症がある場合や移動が困難な場合などは、入院での手術にも対応しております。その他、硝子体手術や緑内障手術も年々増えてきており、小切開の硝子体手術や緑内障インプラント手術など最新の術式を積極的に取り入れております。また、当科の大きな特徴として、内視鏡を用いた涙道の手術が多く、近隣のみならず、遠方からもご紹介をいただいております。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 81 9.42 7.76 0.00% 51.25
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 75 5.73 5.53 0.00% 39.40
030428xxxxxxxx 突発性難聴 63 8.35 9.60 0.00% 57.38
 耳鼻咽喉科は地域の基幹病院として救急疾患を積極的に受け入れています。予定入院は慢性副鼻腔炎を含めた鼻・副鼻腔疾患の件数が、臨時・救急入院においては感染性の炎症性疾患が多く認められています。また、睡眠時無呼吸症候群に対し、土曜日から日曜日で検査入院を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

◆5大癌について、集計期間に退院した患者さんを対象として、延患者数を集計しています。期間内に入退院を繰り返すなどを
  行った場合は、退院を繰り返した回数分をかけています。
◆「初発」とは、当院において、診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合です。
◆「再発」とは、初回治療が完了したあと、当院において診療した場合や、再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合です。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 70 14 12 17 42 18 1 7
大腸癌 47 36 38 31 68 30 1 7
乳癌 22 35 - - 49 10 1 7
肺癌 28 15 45 146 45 118 1 7
肝癌 13 18 17 - 43 98 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 患者数としては、肺癌が最も多く、次いで大腸癌、肝癌、胃癌、乳癌となっております。
 当院は内視鏡的治療、腹腔鏡的治療、手術、抗がん剤治療、放射線治療などをを行っております。治療法については、患者さんやご家族へインフォームド・コンセントを行い、ご理解いただいた上で決定をしております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

◆入院契機病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎であって、さらにその中でも
  ICD-10コードがJ13~J18で始まるものに限定し、市中肺炎(注1*)の患者さんが対象となります。
◆使用する指標

1.男性70歳以上,女性75歳以上
2.BUN 21mg/dLまたは脱水あり
3.SpO2 90%以下(PaO260Torr 以下)
4.意識障害
5.血圧(収縮期)90mmHg 以下

(注1*)市中肺炎とは通常の社会生活を送っている中で発症した肺炎です。通常はインフルエンザ等のウイルスによるものも含みますが、本指標では除外します。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - - -
重症度 1 12 13.17 67.17
重症度 2 11 16.27 76.00
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
 肺炎は「風邪をこじらせる」程度でもなりえる疾患です。しかし、日本人の死亡原因として第三位にランクインしており、致命的となることもあります。肺炎には、日常生活を送っている人が、病院・診療所の外で感染し発病する「市中(しちゅう)肺炎」と、何らかの病気のために病院に入院中の方が感染し発病する「院内(いんない)肺炎」に分けられます。成人市中肺炎の重症度と年齢の関係をみると、高齢者ほどより重症となる傾向があります。また死亡率はとくに高齢者で高く、75歳を過ぎると急激に増加します。当科では、酸素投与などの呼吸管理と、抗菌薬・ステロイド薬などの薬物療法を行い治療にあたっています。

脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード

◆医療資源を最も投入した傷病名が脳の虚血性疾患の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数別に患者数、
  平均在院日数、平均年齢、転院率を示しております。

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 73 19.36 71.40 28.77%
その他 16 24.50 76.13 25.00%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 発症3日以内の急性期脳梗塞の患者さんが多数を占めています。新しい治療法である血管内手術による血栓除去も行っています。急性期の治療後、リハビリテーションを必要とする患者さんには回復期リハビリテーション病院、また維持期の管理を必要とする患者さんには介護施設や療養型病院にご紹介できるよう、各施設と連携し継ぎ目のない脳卒中医療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード

◆診療科別に手術件数の多い順に上位3術式について、Kコード、名称、患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、
  平均年齢を示しております。
◆手術術式の点数コード(Kコード)による集計ですが、輸血関連(K920)は除外しております。
◆術前日数は入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は手術日(手術日当日は含まない)から
  最終的な退院日までとしています。

消化器・肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 398 0.11 1.30 0.00% 64.28
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 等 125 1.58 8.02 0.00% 72.93
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ切除術 長径2センチメートル未満 等 59 0.24 1.22 0.00% 65.22
 当院では、切除が必要とされた大腸ポリープに対して、大きさやその他患者さんの状態に応じて入院日数を決定し治療させていただいています。また近年、B型肝炎でもC型肝炎でもない方の肝臓癌が増加してきています。その方たちの肝臓癌は大きい状態で見つかることが多く、血管造影による肝動脈化学塞栓術(TACE)にて治療させていただいています。
腎臓・高血圧内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 等 68 7.76 13.29 2.94% 66.40
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 20 8.35 17.00 0.00% 53.05
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
 腎臓・高血圧内科に入院する患者さんは新規透析導入の患者さんが多く、内シャント設置術や腹膜灌流(透析)用カテーテル留置術は当科で施行しています。これらの透析用アクセス手術は約3週間の透析導入の入院時に合わせて施行しているため術前には透析を7-8日間十分実施し、内シャント設置術の場合、術後は約2週間の抜糸まで今後の透析生活に必要な教育をしっかりと行っています。
 連続携行式腹膜灌流(透析)用カテーテル腹腔内留置術の場合は自己管理手技取得のため、術後日数は平均17日かかっています。
 経皮的シャント拡張術は当科にて入院し、放射線科が施行しています。術前は約1日、術後は約3日となっています。
 
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 81 1.89 2.37 1.23% 67.43
K596 体外ペースメーキング術 等 31 0.23 16.61 16.13% 78.77
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 等 27 0.22 10.56 3.70% 72.56
 虚血性心疾患は近年増加傾向にあり、当科では冠動脈CTも駆使して早期診断に心がけています。冠動脈造影のみでは判断に迷う症例は冠血流予備能比の算出も併用し治療方針を決定しています。インフォームドコンセントをしっかりと得て安全に十分心掛けております。検査・治療も3日程度の入院で行っています。また、今年度からは心房細動も含めたカテーテルアブレーションを開始し、術後は近隣の医療機関との連携にも取り組んでおります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 172 0.21 2.44 0.00% 67.78
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 92 1.32 1.92 0.00% 64.83
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 55 1.58 4.45 0.00% 59.95
 当院では、手術を行う外科医だけではなく、外来化学療法臨床部、放射線治療医、緩和医療医師、看護師・ソーシャルワーカー・栄養士を含む、総合的な治療チームを組織しており、連携は非常に緊密に保たれています。患者さんは各々に応じた治療が必要となりますので、治療の選択肢をすべて説明し、納得のいく治療ができるよう努力しております。
 ポリープ切除やヘルニア手術、胆嚢摘出術に関しましては、クリニカルパスを導入し、パンフレット、PFMなどを通じ、入院前から術前、手術、術後の流れを患者さんに分かりやすく説明しております。
 
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 等 60 6.78 27.37 33.33% 68.43
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 等 54 3.89 18.57 3.70% 47.09
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 等 41 7.37 31.68 36.59% 81.32
 大腿骨近位部骨折に対する手術(骨折観血的手術および人工骨頭挿入術)、下腿骨折に対する骨折観血的手術では、大学病院という特性上、近隣病院では対応困難な重篤な合併症を持った患者さんを受け入れることも少なくないため、術前・術後の日数が長くなっております。そのため、地域のリハビリ病院、一般病院と連携し、術後にスムーズにリハビリ転院できるように取り組んでいます。また、各種外傷、脊椎手術、人工関節手術などにおいてクリニカルパスを導入し、治療の質の向上と入院期間の短縮に努めております。
 
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 0.64 10.64 3.57% 80.36
K1781 脳血管内手術 1箇所 等 14 1.64 17.86 14.29% 61.86
K1742 水頭症手術(シャント手術) 等 14 4.93 21.43 0.00% 65.79
 脳腫瘍や脳動脈瘤の患者さんには、充分な術前検査を行った後に脳神経機能保護に重点を置いた手術を行っています。近年、患者さんの高齢化に伴い手術による身体への負担を軽減できる低侵襲な方法を選択するため、脳動脈瘤の治療にも脳血管内治療が多くなっています。
 慢性硬膜下血腫に関し、地域の中核病院として多くの紹介患者さんを受け入れているため多くの手術を行っています。術後早期から症状の回復が期待できるため入院は短期間です。
 水頭症手術の多くは特発性正常圧水頭症です。患者さんの高齢化に伴い手術件数が増加しています。全身麻酔、または腰椎麻酔で行う低侵襲な手術であり、歩行機能などの改善により日常活動の向上が期待できます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 122 1.41 5.58 0.00% 73.27
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 63 0.95 3.06 3.17% 65.94
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 等 43 1.53 2.56 0.00% 57.42
  いずれの手術も安定した平均術後日数でした。経尿道的手術では電解質溶液を利用して行うTURisシステム導入、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)では、通常の硬性尿管鏡手術に加え軟性尿管鏡にレーザーを併用する  f-TULにより、それぞれ安定した安全な医療を提供しております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 104 1.69 6.38 0.00% 47.74
K867 子宮頸部(腟部)切除術 73 0.27 1.15 0.00% 43.41
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 等 68 2.01 5.56 0.00% 33.75
 産婦人科は地域の中核病院として、近隣の医療機関から多くの患者を受け入れており、特に、合併症を有する婦人科疾患が多い特徴があります。子宮全摘術は、子宮筋腫に代表される良性疾患で行われており、術後は7日以内の退院を目指している。悪性腫瘍は、年々症例数が増加しており、手術だけでなく放射線治療や化学療法を併用した集学的治療を要するものが多くを占めています。また、周産期連携病院として東京都から指定を受けている関係もあり、帝王切開を必要とする異常分娩症例も多いです。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 等 68 0.00 7.59 0.00% 65.79
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 等 41 0.00 1.22 0.00% 74.76
K2021 涙管チューブ挿入術 涙道内視鏡を用いるもの 等 23 0.00 1.00 0.00% 66.52
 眼科では、硝子体手術は、糖尿病網膜症・黄斑前膜・黄斑円孔・網膜剥離・硝子体出血等、網膜硝子体疾患のほぼすべてに対応が可能です。最新の小切開の硝子体手術を行っており、低侵襲で安全性の高い手術を心掛けております。また、通常の白内障手術以外にも、水晶体脱臼や眼内レンズ脱臼など硝子体手術と眼内レンズの逢着の同時手術も多数例行っております。更に、涙道閉塞の手術件数が多いのが、当院の特徴ですが、涙道内視鏡を用いた涙管チューブ挿入術は1泊入院で行っております。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 等 77 1.47 7.48 0.00% 17.35
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 49 0.47 4.47 0.00% 36.88
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 等 38 1.68 7.05 0.00% 52.26
 地域の基幹病院として、一般的な疾患に対する手術症例が多く、とりわけ慢性副鼻腔炎を含む鼻・副鼻腔疾患に対する件数が多く認められています。悪性腫瘍については、東京慈恵会医科大学病院(本院)と連携し治療にあたっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

◆医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である、
  播種性血管内凝固症候群(DIC)(注1*)、敗血症(注2*)、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症について、
  入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示しています。

(注1*)DIC(播種性血管内凝固)とは
 様々な基礎疾患に合併して凝固系が亢進し、全身の最小血管内に微小血栓が多発して臓器障害が起こる病態。
 これに伴って凝固因子、血小板が大量に消費されて減少し、また線溶系も亢進するため出血症状をきたす。原因となる基礎疾患には悪性腫瘍、敗血症が多い。
(注2*)敗血症とは
 細菌感染によってひき起こされる全身性炎症反応(SIRS)。

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.12%
180010 敗血症 同一 16 0.16%
異なる 33 0.34%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 70 0.72%
異なる 17 0.11%
 敗血症は、単独の入院契機に比べ、入院後の発症が目立ちます。
 当院では、合併症を抱えた症例の治療に携わることが多く、感染が経過中に生じることがあります。その際は、感染制御部と各診療科が連携を取り対応をしております。
更新履歴

[2016.09.28] 平成27年度病院指標を掲載しました