高次元医用画像の技術の発達により、患者を含めた人体を、傷つけることなく観察することが可能となりつつあります。すなわち、人体の構造を三次元像として扱い、さらにこれに機能などの動的変化を加えた四次元画像として扱うことが超高速グラフィックコンピュータの発達により可能となってきました。また、手術シミュレーションに代表される医用バーチャルリアリティ(VR)の出現は、医学の限界を大きく拡大しつつあります。特に高次元画像解析による知覚の獲得と医用VRによる仮想空間内での高次経験の獲得は、医学における診断・治療,研究,教育の領域に多大な貢献が可能であると考えます。

 しかしながら、これらの高次元医用画像技術を実際の医療現場で活用するためには、まだ多くの解決すべき問題があるのも現実です。本研究所設立の趣旨は、このような高次元医用画像技術の開発研究を医学の現場で行うことのできる研究機関を日本国内に発足させることにあります。十年後の医学・医療の領域で使用される医用画像技術を想定して開発を行うとともに、これを臨床の現場で実践できる技術を開発し、併せてこの領域の研究者・教育者を育成することが本研究所の使命と考えます。