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東京慈恵会医科大学  創立130年を記念して

 明治14年(1881年)、学祖・高木兼寛は、本学の前身である成医会講習所を開設しました。成医会講習所開設以来、本年、創立130年を迎えました。また、同窓会が設立され85周年になります。この節目の年を記念する式典、講演、祝賀会に、ご来賓のご臨席を賜り、同窓、教職員の多数のご出席を得ることができましたことに対して心より厚く御礼申し上げます。

 高木兼寛は、患者さんを全人的に診る医師を育成する成医会講習所の創設に続いて、明治18年(1885年)に民間資金を募り日本で最初の看護婦教育所を開設し、医師とともに働く看護婦(師)の育成を始めました。また、貧しい人のために施療病院が必要と考え、有志の協力を得て有志共立東京病院を開院しました。
 このように医療人の育成に努め、病に苦しむ人に手をさしのべるとともに、当時、結核とならんで国民病といわれていた脚気の原因が、栄養の欠陥にあることを海軍の練習艦を使った航海実験によって明らかにしました。この研究は日本で最初の大規模臨床試験として位置づけられ、海軍軍医総監だった高木は、海軍兵士の兵食を改善して脚気を海軍から駆逐しました。高木の研究はビタミンB1発見の端緒となり、ビタミンの父として国外で高い評価を受けています。

 高木はこのように、教育、研究で先導的な役割を果たすとともに、国民の健康を願い、晩年は全国規模で数多くの講演を行い、疾病予防の啓蒙活動に心血を注ぎました。
 私たちは大学創立130年を迎えるにあたり、本学の源流に思いを馳せ、高木の医学と医療に対する高い志を受け継ぎ、日本の医療・医学の発展と、人類の健康と福祉に貢献したいと考えております。
 本学は高木が成医会講習所を開設して以来、今日まで、12,400名を超える医師を育成してきました。大正14年に同窓会が設立され、本年で設立85周年を迎えますが、同窓の方々は母校で教育を受けたことを誇りに思い、高木の教えを心に刻み、それぞれの分野で活躍しています。

 私たちは微力ではありますが、皆様のご理解とご協力を得て、これからもより一層、良質の医療人の育成と臨床を支える研究の振興に精進していく所存です。
 


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