卒前教育教材から生涯継続学習教材へ
■卒前教育教材から生涯継続学習教材へ
e-learningを用いた医療系学部の地域医療者貢献
| 2006/07/27 |
このたび、文部科学省が選定する平成１８年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム（現代ＧＰ）に本学の「卒前教育教材から生涯継続学習教材へ−e-Learningを用いた医療系学部の地域医療者貢献−」が採択されました。当プログラムは、文部科学省が平成１６年度より、各種審議会からの提言等、社会的要請の強い政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学・短期大学・高等専門学校から申請された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト（取組）を選定し、財政支援を行うことで、これからの時代を担う優れた人材の養成を推進することを目的としたプログラムです。
本学の「卒前教育教材から生涯継続学習教材へ」は、ニーズに基く人材育成を目指したe―Learning Programの開発の分野で採択されました。本学は文部科学省が行っている大学支援プログラムにおいて、平成１５年度特色ＧＰ「医療者（専門職業職者）育成のための学習評価システム」、平成１７年度特色ＧＰ「多くの職種が参加する医療者教育 Inter-professional Education」と合わせて合計３取組の採択となります。 |
「卒前教育教材から生涯継続学習教材へ
−e-Learningを用いた医療系学部の地域医療者貢献−」の取組紹介
１． 取組概要
２． 採択理由
３． 具体的内容
１．取組概要
今回の取組では、大学に蓄積された卒前教育教材を地域医療者のための生涯継続学習教材につなげていくことが大学の知の社会還元の一つであると考え、平成８年度からのカリキュラム改訂成果である平成１５年度と１７年度に特色ある大学教育支援プログラムに採択された授業実践を電子教材化し学生の卒前医療者教育教材としてだけでなく、広く地域医療者への生涯継続学習のための教材としてe-Learningのシステムを用いて自己学習の環境の整備を行うことを目的としている。
医療者は日々の実践の中で絶えず、自らの手技を見直し、正していくことが求められている。コミュニケーションや診療技能学習において、学習者自らの実技を自ら観察して振り返るという「振り返り学習」を可能にする必要がある。この「振り返り学習」をまずは、イントラネットで学生教育に実践し、その成果をe-Learningに応用し「振り返り学習」の環境を生涯学習者にも提供していく。
２．採択理由
本取組は、医療系教育において、コミュニケーションその他の実技のビデオ教材その他を一元的にまとめ、ネット上での活用を進め、学生による振り返りの学習に生かし、また卒後教育の資料としても活用するという優れた試みであり、他の医療系大学の参考にもなります。少子高齢化を見越したe-Learning を用いた医療系学部の地域医療者貢献というテーマは大変現代のニーズに合っており、「振り返り」を促すシステムは、教育改革の有効性として大変期待できます。
ただ、評価体制については、評価結果がプログラム改善などにどのように活かされるのかが明確でないなど、今後の十分な検討が望まれます。また、開発するコンテンツ数をより多く開発することが望まれます。
（文部科学省ホームページより）
３．具体的内容
Web-based Trainingなど既存の教材を作り直すとともに、診療技能の振り返り学習教材を新規で作成していきます。それぞれに自己評価ツールを開発し、学生自らが「振り返り」学習を行う環境を構築します。また、開発した教材を地域医療者に広く配信します。
良い卒前教材は、良い生涯継続学習教材になるとの方針に基づき、
平成１８年度は総数１２例作成を予定。授業実践教材として、患者コミュニケーション、外科清潔操作などの診療技能教材をすでに着手している。医学科１年、４年、５年および看護学科１年、２年の授業に実践する。また、Web based Testing ３０，０００問の一部を作り直し編集し、自己モニタリング教材として活用します。
平成１９年度の新規開発教材は約１５例を予定。開発した教材の評価、授業の成果を分析し、教材の充実を図ります。
平成２０年度は地域医療者の生涯継続学習に卒前教材を編集して活用する。教材は著作権処理を施し、SCORM規格に準拠し、教材の公開性に対応します。
なお、採択理由を受けて、今後、コンテンツ数を増やしていきます。例えば、救急医学、外傷、アナフィラキシーショック対策を予定しています。
（福島 統）
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