総合診療コース

大学名

東京慈恵会医科大学附属病院・専門修得コース(レジデント)

プログラム・コース名

総合診療コース

対象者

臨床研修を修了した医師を対象とし、将来の総合診療専門医資格を目指す者。

修業年限(期間)

3年

養成すべき人材像

 地域のニーズに応える「幅広い多様性」すなわち総合診療能力を持ち。プライマリ・ケアで生じる問題を臨床研究という手段で解決する能力を持つ人材を育成すべきと考える。 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」によると高齢化が進行し2025年には年間死亡数が1,537,000人と予測されており、高齢者医療とくに在宅医療のニーズは極めて大きい。また本学の教育病院・施設群の多くが存在する東京は、平成23年度の総務省統計局「平成23年10月1日現在推計人口」によると、65歳以上の老年人口は20.6%と全国レベルよりやや低いが、人数とすると270万人と他府県と比較して圧倒的に多く高齢化の問題を最も受ける地域であり、総合診療医を育成するニーズが高い。さらに高齢者はさまざまな疾病を同時に抱えるため臓器横断的診療が必要なだけでなく、在宅医療を中心とした地域医療においては高齢者の日常生活評価、家族機能との関連、社会福祉資源の活用等を身に付ける必要がある。高齢者医療だけでなく、地域で重要となる小児医療、ワクチン接種などの予防医療の知識と実践、プライマリ・ケアにおける適切な初期診療とトリアージ能力をもつためにER型救急医療を担える能力を持つことも必須である。地域医療で生じる問題は、大学の特定機能病院で発生する問題とは異なる。例えばcommon diseaseの診断と治療、患者-医師関係、家族機能、複雑性、一次予防、行動科学、在宅医療など、特定機能病院ではテーマとなりにくい問題に日々直面するため、それを解決する能力を育てる必要がある。

修了要件・履修方法

 各研修ブロック内での指導医の評価、および総合診療を特徴づける能力としての(1)幅広い年齢層への対応:高齢者(特に虚弱高齢者)ケア、小児診療(乳児健診など)、(2)複数の健康問題を抱える患者の包括的ケア、心理・社会・倫理的複雑事例への対応、(3)臓器別専門医との連携、(4)癌・非癌患者の緩和ケア、(5)退院支援と地域連携機能の提供、(6)救急外来、(7)臓器別ではない外来で幅広く多くの初診患者の対応、(8)common disease、 common symptomの診療、(9)臨床推論とEBM、(10)予防医療、(11)患者中心の医療の技法、(12)在宅医療の各領域についてポートフォリオを作成し、提出、評価を行う。ポートフォリオ作成にあたっては、地域研修中においても大学に集まり月に1度の集合研修として形成的評価を繰り返す。

履修科目等

1年次:

  1. 内科研修6か月
  2. 救急部研修(ER型)附属病院救急部3か月
  3. 小児科研修 葛飾医療センター。第三病院 3か月

2年次:

  1. 総合診療専門研修1(診療所・小病院での研修)
    第三病院関連教育診療所、家庭医療学開発センター教育診療所 12か月

3年次:

  1. 総合診療専門研修2(病院総合診療部門での研修)
    葛飾医療センター、第三病院、東京北医療センター等 12か月
    レジデント終了後、下記のプログラムを選択できる。
  2. 総合診療に関連の深い外科、整形外科、精神科、婦人科、リハビリテーション科、皮膚科等を3~6か月ごと選択可能とする(この期間中においても、週に1日の診療所研修を行う)

教育内容の特色等 (新規性・独創性等)

 地域と大学が協力して行う総合診療医養成。2017年に予定されている新専門医制度を見据え、日本プライマリ・ケア連合学会の改訂後期研修プログラムに準拠し地域での研修を延長し、総合診療の「あるべき姿」の研修を実現する。

指導体制

  1. 総合診療専門研修I(診療所・小病院での研修): 総合診療医を養成するにあたって最も重要となるのが、地域における診療所・小病院での研修の質を高め維持することである。分院となる第三病院関連診療所において日本プライマリ・ケア学会認定・家庭医療専門医である、吉川哲矢を中心として指導する体制を整える。さらに、同様に多くの家庭医療専門医を有する家庭医療学開発センター(センター長:藤沼康樹)の教育診療所にても研修を行い、多様なプライマリ・ケア環境を経験することを可能とする。
  2. 総合診療専門研修II(病院総合診療部門での研修) 総合診療部門研修として、大学関連施設としては第三病院総合診療部(診療部長:平本淳)、葛飾医療センター総合内科(診療部長:根本昌実)、また外部研修施設として東京北医療センター(総合診療科医長:南郷栄秀)にて研修が行える。臓器別ではない病棟、臓器別ではない外来診療を担当することができ、高齢入院患者や複数の健康問題(心理・社会・倫理的問題を含む)を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者の緩和ケアなどを経験することができる。
  3. 内科研修:大学附属病院において内科学会認定指導医の下(診療部長:大野岩男)、内科研修を行う。附属病院の全ての専門内科の協力を得る。
  4. 救急部研修:ER型救急部を備える大学附属病院救急部において救急科専従の救急科専門医の下、軽症~中等症の救急症例に対する適切な対応能力を養う。慈恵医大附属病院(本院)では年間約27,000人を診療し、救急搬送も7000~8000台/年に及んでおり、多くの経験を積むことが出来る。
  5. 小児科研修:小児科専門医の指導の下、小児領域における基本的診療能力を養うことが出来る。
  6. その他、研修医と指導者の相談によってオプションとして、外科・整形外科、精神科、婦人科、皮膚科等の中から数科を選択できる。

受入開始時期

平成27年4月1日

受入目標人数

対象者 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度
医学生 0 0 5 5 5 15
0 0 5 5 5 15

教育プログラム・コース

東京慈恵医科大学