■ 東京慈恵会医科大学TOP

カリキュラム概要

個性を生かし学生自身の主体的な学習を育むカリキュラム

本学科のカリキュラムは、人間中心の医療を提供できる看護実践者を育てるために「生活者としての人を理解する」ことを基本的要素と考え、医療基礎科目、教養教育科目、看護専門基礎科目、看護専門科目の4区分から構成されています。特に『医療基礎科目』は医学科と共修の必修科目であり、「医師と看護師は車の両輪の如し」という学祖の言葉を特化させるために、すべての科目の基礎として位置づけています。具体的には、1年間を通して、チーム医療、医療の安全教育、人間関係論、コミュニケーションに関連するテーマについての講義を始め、小グループによるディスカッションや演習等を体験します。

『教養教育科目』は「人間と生活」「社会と生活」「自然・情報科学」「外国語」から成り立っています。中でも「人間と生活」「社会と生活」の科目群は、全21科目の中から自分の興味や関心のある科目を主体的に選択して学習できるようになっています。『看護専門基礎科目』は、「保健医療」と「人間と健康」から成り立っています。「保健医療」では、人々の心身の健康を保持・増進するために欠かせない自然環境、社会環境との相互作用および保健医療システムに関連する科目が含まれます。「人間と健康」では、人々の心身の健康を破綻するプロセス、疾病や障害の予防と治療、公衆衛生看護の基礎的知識に関連する科目を含み、医学科の教授陣が様々な演習を取り入れるなど工夫しながら医学の専門知識を分かりやすく教えてくれます。『看護専門科目』は、「生活援助の基礎」「生活援助の方法」「生活援助の実践」「看護の統合と実践」から成り立っています。看護に精通した看護学科の教員が「対象の生活過程を整える」という観点から各看護学の専門知識と技術を教えています。1年次から4年間を通して位置づけている「看護の統合と実践」は、生涯学習者としての基礎を育み安全で質の高い看護を提供するために必要な科目群であるため、看護学科の全教員が専門分野を越えて共に関わっています。

看護学教育では、時代の流れに応じてカリキュラムが改正されています。
平成24年度からは保健師資格は選択履修制となり、選択者のみ3年生からの公衆衛生看護学の講義や実習を履修することになりました。看護師教育課程選択者は、3年生で多様な看護専門科目から選択履修をして実践能力を養っていきます。平成21年度の改正から、在宅看護学の講義や実習時間数が大幅に増えており、これは在院日数が短縮する状況のなかで、さらに専門知識に基づく判断能力と確実な技術を有する看護師育成が求められていることの現われです。このようにさまざまに変化する社会的要請に応えるために本学では、専門知識・技術に加えて人のいのちを尊び、人の心を大切にする豊かな感性をもった看護職者が育つようにカリキュラムを構成しています。

本学科は、平成25年から学生定員が40名から60名に増えましたが、その学生数に対して専任教員が40名という環境の中で少人数制を大切にしており、学生の個性を生かしたきめ細かい教育が行われています。例えば、学内の看護実習室・臨床講堂や臨床実技トレーニングセンター(スキルス・ラボ)では、一人ひとりの学生が確実に体験できる豊富なモデル人形とシミュレーターを使った実技トレーニングができます。また臨地実習は、都内と千葉県にある4箇所の附属病院をはじめ、本学同窓生が経営する医院や介護・福祉施設など大変恵まれた実習環境の中で、学生の個性を充分把握した教員が直接指導にあたっています。

本学科を卒業すると学士(看護学)の学位が取得でき、看護師と保健師(保健師の教育課程選択者)の国家試験受験資格を得ることができます。

1年生

将来、医療者になるものとして必要な基本的態度を学びます。医療における倫理、人とのコミュニケーションのとり方、チーム医療における連携など、医学科の学生と共に演習やディスカションを通して学習します。

また「生活者としての人をみる」ためには、まず自分自身を客観的にとらえることが大切です。そのため看護総合演習気任蓮◆崋分をみる、他者をみる」ことをテーマとして少人数編成でのグループワークや演習を行いながら、大学で学ぶために必要な学習方法や導入教育としてのスチューデントスキルを学びます。

さらに本学科では、看護学を学ぶ学生のモチベーションを大事にしたいと考え、1年の前期から一部の看護専門科目の授業が始まります。

2年生

2年生になると主に看護学科の校舎内での授業が多くなり、前期は解剖生理学、微生物学、薬理学、疫学・公衆衛生学、疾病・治療学などの看護専門基礎科目と、生活援助の基礎や精神看護学、小児看護学、老年看護学といった看護専門科目が大半を占めるようになります。

特に生活援助の基礎では、学内の実習室でモデル人形を使って排泄の援助や与薬の援助など実践さながらの授業が行われます。後期は、各看護学の対象論に加えて、地域における看護の専門性を理解するために在宅看護学や地域看護学の授業が始まります。

2年生の前期の最後には生活過程援助実習として2週間本学の附属病院に行き、病気で日常生活行動の支援を必要としている患者さんに対して初めて看護技術を提供させてもらいます。

3年生

前期は各看護学の方法論が大半を占め、さまざまな角度から看護を考えます。後期からの臨地実習に備えて具体的な場面をシミュレーションしながら自分自身で看護を考える力を身につけられるような学内実習も多くなります。

後期からの臨地実習では、受け持ち患者さんの病状を含めた個別性や治療方針および看護方針を踏まえて学生が看護計画を立て、必要な援助を実践・評価するプロセスを体験します。自ら考え実践する体験を通して看護実践力を身につけていきます。大学の附属病院以外にも老人保健施設、精神病院、訪問看護ステーションなどさまざまな施設で実習を行います。

看護師教育課程選択者は、多岐にわたる専門的看護に関する科目から選択履修をして視野を広げ、保健師教育課程選択者は、公衆衛生看護活動を展開するための地区診断や地域特性に応じた予防活動の方法等が学習します。また看護研究方法論の授業では、自分の研究テーマを考えて文献を調べるなど看護研究の基礎を学びます。

4年生

3年生後期から引き続き実習を行い、実習のまとめとして学生の関心領域における総合実習を行います。

また保健師教育課程選択者には、公衆衛生看護学実習があり、保健所や市町村の保健師から直接指導を受けながら、地域住民の健康・生活を守り、その質を高めていくための知識・技術を学びます。

各看護学実習は前期で修了し、後期は緩和ケア論、クリティカルケア論などの選択科目を用意しており、看護総合演習では、医学科との共修でチーム医療や倫理的問題を検討するなど、より専門性の高い授業が行われる予定です。

看護研究では、教員の指導のもとで研究に取り組むことで、自己学習能力と研究的態度を身につけます。