診療内容・専門分野

脳神経外科で取り扱う、以下の全ての疾患に対応いたします。
(1) 脳腫瘍 : 神経膠腫(グリオーマ)、髄膜腫、下垂体腺腫、転移性脳腫瘍 など
(2) 脳血管障害 : くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤、脳出血、脳梗塞 など
(3) 神経外傷 : 硬膜下血腫、硬膜外血腫 、脳挫傷など
(4) 機能性疾患 : 顔面けいれん、三叉神経痛 など
(5) 脊椎脊髄疾患 : 頸椎症、腰部脊柱管狭窄症、脊髄腫瘍 など
(6) 小児脳神経外科 : 脳腫瘍、水頭症 など
全ての症例に対してスタッフ全員で治療方針を検討して、個々の患者さんにあった医療を提供できるよう努めております。また安全かつ低侵襲な手術のために、血管内治療や術中神経モニタリングを積極的に取り入れております。脳腫瘍に対しては、集学的治療(手術・放射線治療・化学療法)を行っております。またグリオーマに対しては、樹状細胞を用いた免疫療法を慈恵医大脳腫瘍チームと連携して行っております。脳血管障害に対しては、24時間手術が可能な体制です。未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症に対しては、慈恵医大脳血管内治療チームと連携して治療を行っております。
また、2026年1月の新病院開設と共に脳卒中センターが稼働開始となり、より高度で最先端の脳卒中診療を提供できる体制が整う予定です。

特色

調布市・狛江市を中心に世田谷区および多摩地域住の方々に、大学附属病院ならではの先端医療を提供しております。それと同時に、急性期医療から高齢者医療まで幅広いニーズに対応するべく、地域に根差した脳神経外科としての役割を果たして参ります。
脳神経外科では、日本脳神経外科学会専門医4名を含む5名の医師が診療を行っております。また、必要に応じて、脳血管内治療専門医や脊椎外科専門医による診療も可能な体制をとりながら、最新の診断・治療技術で診療を行うことを基本方針としています。手術適応や治療方針にかんしては、インフォームドコンセント(十分な説明を受けた上での同意)を徹底し、納得して治療を受けていただけるよう心がけております。
主な医療機器・設備

MRI(2台)、CTスキャン(2台)、3D-CTA、DSA(脳血管撮影)、SPECT(脳血流検査)、カラードップラ(超音波)、脳波などにより速やかで的確な診断を心がけております。
2025年1月新病院開設後、以下の最新機器が配備され最先端の診療を行っていきます。
多目的血管撮影装置

ARTIS icono D-Spin(日本シーメンス)
画像提供:シーメンスヘルスケア株式会社
MRI

MAGNETOM Vida 3T MRI(日本シーメンス)
画像提供:シーメンスヘルスケア株式会社

MAGNETOM Sola 1.5T MRI(日本シーメンス)
画像提供:シーメンスヘルスケア株式会社

患者数・症例数・生検数・手術数・治療成績等

外来患者数 |
外来患者数747名/月(新患93名/月) |
病床数 |
14床 + 集中治療室 + 救急室 |
手術件数 |
年間約130件(平成25年度:脳腫瘍18、脳血管疾患30、神経外傷47) |

専門外来

脳腫瘍外来 〜患者さんひとりひとりに最善の治療を提供します〜(水曜午後)
脳腫瘍には、神経膠腫(グリオーマ)・髄膜腫・下垂体腫瘍や転移性脳腫瘍などの代表的疾患以外にも多くの種類(病理組織診断)があります。通常これらの脳腫瘍に対しては、手術・放射線治療や化学療法を組み合わせた治療が行われます。実際には、脳腫瘍の種類・部位・大きさや患者さんの症状・年齢や体調を考慮して、患者さんひとりひとりにとって最善の治療方針を検討しなければなりません。当院の脳神経外科では、専門的な知識と経験が必要な脳腫瘍に対して、専門外来を行っています。
詳細に関しては、脳神経外科外来にお問い合わせ下さい。
神経内視鏡外来 〜身体に負担の少ない最新治療を提供します〜(水曜午後)
近年の手術には、患者さんの身体に負担の少ない手術が次々と導入されています。その一つに内視鏡手術があります。脳神経外科においても、一部の疾患に対して従来の開頭術よりも低侵襲な神経内視鏡手術が行われるようになりました。当院の脳神経外科では、水頭症・脳出血や下垂体腫瘍に対して、専門外来を行っています。詳細に関しては、脳神経外科外来にお問い合わせ下さい。
脳血管障害外来(金曜午前)
脳神経領域に関わる、脳動脈瘤、脳血管奇形、硬膜動静脈瘻、脳梗塞、頚動脈狭窄・脳血管疾患全般の診療を行っております。脳血管内治療専門医、脳卒中外科技術認定医が診療に従事し、安全性と技術力の高い治療を提供していきます。
既に、頚部頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術(CAS)や、難治性慢性硬膜下血腫に対する中硬膜動脈塞栓術、脳腫瘍術前の栄養血管塞栓術等を積極的に行っています。また、脳梗塞に対する急性期血栓回収療法も開始を予定しております。
2026年1月に新病院と脳卒中センター開設後は、クモ膜下出血(破裂脳動脈瘤)に対する緊急カテーテル手術も行っていきます。また、未破裂脳動脈瘤に対しては従来からのコイル塞栓術のみならず、新しいステント留置術など最新の低侵襲治療まで可能となります。
この他、脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻といった病態が複雑な疾患に対しても対応できる最先端のCTやMRI、血管撮影装置を配備し、精度の高い治療を提供いたします。さらに、こうした最新の画像検査機器の活用を通じて、臨床研究や新しいイメージング技術の開発にも取り組んでいきます。
未破裂脳動脈瘤について
脳ドックなどで偶然発見される未破裂脳動脈瘤が増えています。当院にはこうして動脈瘤が見つかった新規患者さんが紹介受診されますが、最も重要なことは、破裂の危険は個々の動脈瘤によって異なり、動脈瘤の場所や大きさによっては保存的治療でも破裂することなく一生そのままの方が多数いらっしゃることです。この為当院では未破裂脳動脈瘤の治療方針を決めていくにあたり、さまざまな破裂リスクの評価を行い治療の適応を慎重に検討しています。
カテーテル治療について
脳血管内手術は血管の中に極微細のカテーテルを頭蓋内血管まで挿入し、レントゲン透視下に血管の内部から脳血管障害(脳卒中)やある種の脳腫瘍等を治療する新しい分野です。開頭手術では治療困難であった様々な疾患が、この方法によって治療可能となってきました。
脳動脈瘤に対しては従来からのコイル塞栓術のみならず、最新のステントを用いた治療など、低侵襲な治療を手がけております。病気を抱えている患者様の不安を少しでも和らげ、そして最良の治療を提供する施設を目指しています。

救急・時間外診療の対応

当院の救急部と連携して24時間体制で診療を行っております。夜間の緊急手術にも対応可能な体制を整えております。

外来担当医表

第三病院 脳神経外科 外来担当医表

関連リンク
悪性神経膠腫に対する免疫療法臨床研究
脳血管内治療センター

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