診療内容

■ 食堂・胃・十二指腸
食道疾患
食道はのどと胃の間で胸に位置する臓器です。 当科で扱う主な疾患は・食道がん・食道アカラシア・食道裂孔ヘルニア/逆流性食道炎です。 食道疾患の手術の専門医:食道外科専門医が在籍しています。 胸腔鏡腹腔鏡手術の専門医:内視鏡外科技術認定医が在籍しています。

【食道がん】
食道がんの治療は食道癌治療ガイドラインを参考に決定しています。しかしながら食道がんの患者様は、加齢や飲酒や喫煙などによって治療に必要な体力が異なることがしばしばです。患者様の状況に応じて治療法を選択します。
・内視鏡的治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)
リンパ節への転移の可能性がない超早期がんを対象としています。手術なしで臓器を摘出する必要のない体に優しい治療です。当院内視鏡部と連携して治療を進めます。
・手術
食道を摘出し、胃をのどの近くまで持ち上げてつなぎ合わせます。また、病気の位置や進行に応じて周囲のリンパ節もともに摘出します。当院では胸腔鏡と腹腔鏡を使用して、キズを小さくして(体壁の破壊を最小限に)ダメージを軽減し術後の回復を早くする手術を取り入れています。
・抗がん剤治療
初診時に、一定以上の進行がんとされた場合は手術前に抗がん剤治療をお勧めしています。手術後に抗がん剤治療を行うよりも効果が高いとされています。
術後診断によって、抗がん剤治療をお勧めする場合もあります。
手術不可能時の抗がん剤治療も行います。
抗がん剤の副作用対策も専門看護師や専門薬剤師とともに積極的に行っています。

【胃がん】
部位や大きさ、進行度によって次の治療を適宜選択しております。
・内視鏡的胃粘膜下層剥離術
胃粘膜内癌に対して、消化器内科の先生を中心として、内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。外科的手術に比較して身体に優しい治療と考えています。
・腹腔鏡下胃切除術
原則としてリンパ節転移の無い早期胃癌やGISTを始めとする胃粘膜下腫瘍に対して、腹腔鏡を用いた傷の小さな手術を行っています。
・開腹胃切除術、胃全摘術
胃癌の進行度にあわせて、神経温存、幽門保存などの機能温存手術、胃パウチ作成、残胃炎およびダンピング症状軽減吻合法を行っています。胃切除後障害の軽減を目的としています。
・術前化学療法、放射線療法
腫瘍を小さくしてから手術を行うことが望ましい患者さんに対しては、まず化学療法を行い、その効果を見てから手術を行っています。また、限られた条件下ではございますが、放射線治療部のご協力のもと局所放射線療法を行っています。切除困難症例に対する放射線化学療法で、病巣が消失したと考えられる症例を経験しています。