カリキュラム概要
医学知識や技能のみならず、自ら求め、自ら学び、社会の変化に応じて発生する様々な問題や異文化と接しながら自らの成長を促す能力を求めた6年一貫カリキュラムです。
- 初年次は、総合教育で人間性や倫理観とともに、一人ひとりの人間の多様性を受け入れて理解することを学び始めます。それは高学年まで続く医学総論や学外実習でより実践的に修得され、さらに臨床実習での患者中心の医療の体験へと続きます。継続的に能力が伸びていることを、実習での態度、ポートフォリオやレポートで評価します。
また初年次から少人数でのグループ討論、演習、実習を多く取り入れ、自律的な学修習慣を涵養します。
- 人は誰しも病に罹る可能性があるとの考えから、低学年から様々な人に会う機会を提供します。早期臨床体験、福祉体験実習、重症心身障害児療育体験実習、地域子育て支援体験実習、在宅ケア実習、病院業務実習、高齢者医療体験実習と学年を経るごとにその経験知が積み上がっていくようにカリキュラムが組まれています。その成果としての道徳性発達はレポートや実習での立ち居振る舞いで評価され、適切なフィードバックによって学びの経験を高めるように工夫されています。
国際社会とのつながりを持てるよう、英語教育は1年次から4年次まで縦断的にコースが組まれている他、希望者は海外での実習も可能です。
科学的思考力や判断力は、1年次生命基礎科学、2年次基礎医科学、3年次臨床基礎医学や研究室配属でその基盤を身につけた後、臨床現場で自分の学修課題を見出して解決する能力へと活かされます。
- 医学・医療に必要とされる科学の基本的知識は、臓器別統合カリキュラムによって縦断的・横断的に修得できるようにカリキュラムが構築されており、その成果は厳格に管理された総合試験で妥当性・信頼性を保って評価されます。知識に基づく問題解決能力は口頭試験で評価されます。
- 本学のカリキュラムはコース・ユニット制で構成されており、基礎系臓器別統合カリキュラムと臨床系臓器別統合カリキュラムの2巡構造によって、基礎医学の知識を臨床医学と社会医学に活用できるように構築されています。 1〜2年次の医学統計学・情報リテラシー、3〜4年次のEvidence-based clinical practiceと進み、臨床実習の場でEBMを実践できるような能力を涵養しています。
医学の基本的な知識はコンピュータを用いた共用試験医学系客観的能力試験(CBT)で評価され、基本的な臨床能力は共用試験医学系臨床実習前客観的臨床能力試験(OSCE)で評価されます。
コミュニケーション能力は1年次のグループ演習や日本語表現法から始まり、臨床実習の場で活かせるように学年ごとに段階的にカリキュラムが組まれています。臨床実習でのポートフォリオ、最終的には共用試験医学系診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験(Post-CC OSCE)でその能力を担保します。
- 医師としての適切な態度と行動を身につけるために、1年次から医学総論、学外実習で常に省察とフィードバックの機会を設けており、臨床実習まで継続的な成長を促すようなプログラムです。チーム医療は学外実習で1年次から体験できるようになっています。
変化し続ける医療ニーズを体感するため、学外実習で1年次から種々な臨床現場体験を提供しています。また、診療参加型臨床実習では幅広い臨床体験が可能となるような実習病院を選択しています。臨床現場で医療ニーズを感じる力は、ポートフォリオで評価します。