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■専門修得コース(レジデント)募集案内
プログラム責任者挨拶(診療部長:安保 雅博)
 超高齢化社会に向かい、リハビリテーション(以下リハ)医療の社会的ニーズは高まる一方である。リハ医療は、確かに失われた機能を取り戻すことに主眼が置かれていることが多いが、実際には患者のQOLの向上を唯一かつ最大の目標として、様々なアプローチを考案し実践していく全人的な医療分野である。個々の臓器の機能回復を目指すことは言うまでもないが、幅広い視野と見識をもって、患者を一人の人間全体(whole body)としてとらえて対処していくことが要求される。当科では、リハ医学全般に関する徹底的な教育・指導を、夢多き若き医師たちに対して可能な限り早い時期から行う方針としており、3年間のレジデントが終了した時点では、自立していかなる問題にも対処しうるリハ科医師になれるよう育成したく考えている。また、臨床もしくは基礎研究に関しても、積極的に取り組んでいただけるような環境を提供し、その研究の成果を本邦のみならず海外にまでも発信していただけるよう責任をもって指導している。国内有数のリハ医学教育施設である当科のレジデントプログラムは、リハ医学に興味をもち、それを臨床面と研究面の両面から極めんとするものであれば、必ずや満足の得られる有意義なものになることは間違いないと自負している。3年間というレジデント期間に、自らが一生をかけて取り組むべきリハ医学のテーマを見つけていただき、そしてそれに向けての助走をお手伝いすることができれば幸いである。
プログラムの概要
(1年目)
  当大学の附属4病院のいずれかで、入院患者を指導医とともに受け持ち、リハ科診療に必要な基本的知識・技術および全身管理の習得に主眼をおく。
(2年目)
  当大学の附属4病院もしくは関連病院で、専門的知識・技術をもつ自立したリハ科医師として、入院患者および外来患者の診療にあたる。また、将来の研究テーマを決定する。
(3年目)
  当大学の附属4病院もしくは関連病院で、専門的修練をさらに積むとともに、リハビリテーション・チームリーダーとしての臨床判断能力と問題解決能力を身につける。臨床研究もしくは基礎研究を学会発表可能なレベルまで進める。
一般目標
(1) リハ処方・患者指導をはじめとする入院・外来診療をリハ科医師として自立して行えるようになる。全身管理も十分に行え、緊急処置も行えるようになる。
(2) リハ科医師として必要不可欠な専門的知識・技術を習得し、それをさらに発展させていく。
(3) 各スタッフへの指導を含め、リハビリテーション・チームのリーダーとして臨床業務に従事できるようになる。
(4) 臨床もしくは基礎研究に自ら取り組み、学会発表や論文執筆が行えるようになる。
到達目標・経験目標
(1年目)
  (1) 病歴採取を含めた問診(現病歴、既往歴、社会的背景など)、初期診察(全身的所見、神経学的所見など)を正しく行い、正確なカルテ記載ができる。
  (2) 患者のもつ障害を、機能障害、能力障害、社会的不利それぞれのレベルで明らかにすることができる。
  (3) 障害に対するアプローチを考察し、指導医の監督下で的確なリハ処方を行うことができる。
  (4) 指導医の監督下で患者およびその家族に適切な病状説明を行うことができる。
  (5) 患者情報を共有するために理学療法士、作業療法士、言語療法士と密接なコミュニケーションをとることができる。
  (6) 慢性期合併症(肺炎、尿路感染症、瘡創など)の発症を見落とすことなく指摘することができる。そして、それに対する的確な治療方針を指導医とともに決定することができる。
  (7) 初期臨床研修で得た全身管理(呼吸循環管理、点滴処方、バイタル・サイン・チェックなど)、救急対処(心臓マッサージ、気管内挿管、中心静脈確保など)の知識・技術をさらに高める。
  (8) リハ科医師として必要な検査手技(筋電図検査、嚥下造影検査、髄液検査など)を、指導医とともに行えるようになる。
  (9) 神経放射線学的検査(頭部CT、頭部MRI/MRA、頸椎単純撮影など)を指導医の監督下で読影・解釈することができる。
  (10) リハビリテーション・チームの仕組み、チームを構成するリハ医療関連職(療法士、ソーシャルワーカー、義肢装具士など)の業務内容を理解する。
  (11) リハビリテーション・カンファレンスに参加し、その進め方を学ぶ。
  (12) 義肢・装具に関する基本的知識を習得する。
  (13) リサーチ・カンファレンスで英文文献を紹介し、リハ医学研究の動向を学ぶ。
  (14) 障害者の心理状態を理解し、障害者に接する態度を学ぶ。
(2年目)
  (1) 自立して患者の評価および患者に対するリハ処方を行えるようになる。
  (2) 入院のみならず、リハ科外来診療に必要な知識・技術を習得する。また、患者および患者の家族に自宅での生活指導を行えるようになる。
  (3) 合併症発症時に、自らの判断で処置を行えるようになる。他科へのコンサルトも適切に行える。
  (4) リハ科における基本的検査を自立して行い、その結果を解釈できるようになる。
  (5) 神経放射線学的検査を自立して読影できるようになる。また、その結果を的確に患者、患者家族、リハ医療関連職に説明することができる。
  (6) リハビリテーション・カンファレンスに、積極的に参加する。
  (7) 義肢・装具を指導医の監督下で処方できる。
  (8) 各種研究プロジェクトに参加、指導医の研究を手伝いながら、将来の研究テーマを決定する。
  (9) リサーチ・カンファレンスで自らが興味をもったリハ医学の研究を紹介する。
  (10) 日本リハ医学会学術集会に参加、現在におけるリハ医学臨床面および研究面の動向を学ぶ。
  (11) 日本リハ医学会地方会で、症例報告を行う。
(3年目)
  (1) 1年目および2年目に習得したリハ科診療に必要な知識・技術をさらに高める。
  (2) リハビリテーション・チームのリーダーとして、療法士などのリハ医療関連職スタッフに指示・指導を行う。
  (3) リハビリテーション・カンファレンスにおいて司会進行役を担当し、カンファレンスの結果をまとめ、患者の治療方針を参加者に納得させることができる。
  (4) 医学生、看護学生の率前教育に参加する。
  (5) リハ科特殊外来を上級医の監督下で担当し、より専門的な知識を身につける。
  (6) 自らが主研究者となり、臨床もしくは基礎研究の研究計画をたてる。そして、上級医の指導のもと研究を進め、国内外の学会で発表できるようになる。
  (7) 研究結果を邦文もしくは英文の論文としてまとめあげ、主要医学雑誌に投稿する。
  (8) リハ科医師として、いかなる疾病をもった患者に対しても、全人的に接することができるようになる。
  (9) リハ科専門医試験受験の準備、学位申請の準備をする。
  尚、3年間のレジデント期間中には、原則として以下の各疾患の診療に満遍なくあたることができるように配慮し、患者の割り当てを行うこととしている。
  (1) 脳神経疾患(脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍など)
  (2) 脊髄疾患(脊髄損傷、脊髄炎など)
  (3) 神経筋疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ギラン・バレー症候群など)
  (4) 骨関節疾患(関節リウマチ、変形性関節症など)
  (5) 小児疾患(筋ジストロフィー、脳性麻痺、二分脊椎など)
  (6) 切断(大腿切断、下腿切断、上肢切断など)
  (7) 呼吸器・循環器疾患(慢性閉塞性肺疾患、心筋梗塞など)
  (8) その他(リンパ浮腫、廃用性筋萎縮など)
症例数・生検数等
 当大学の附属4病院リハ科で経験できる症例は多岐にわたっている。リハ科認定医および専門医受験に際しては、脳神経疾患、脊髄疾患、神経筋疾患、骨関節疾患、小児疾患など各分野のリハ科症例を複数例ずつ経験していることが必須とされているが、レジデント3年間でこれらの症例を全て経験することは十分に可能である。各レジデントは常時8人から15人の入院患者を受け持つこととなるが、特に興味のある分野があれば、その分野の症例をより集中的に担当することもできる。
 レジデント2年目からは、1日あたり5人から20人訪れるリハ科外来枠を毎週担当、リハ科患者の慢性期管理に従事する機会を持つことができる。また、関連病院出向中においても同様である。平成21年度当科レジデント(平成24年度3月修了)が関連病院出向期間を含めたレジデント3年間で経験した症例数は、入院患者およそ450〜550人、のべ外来患者およそ900〜1,100人であった。
学会認定施設の状況                        平成24年4月1日 現在
 当大学の附属4病院および主たる関連病院はいずれも日本リハビリテーション医学会研修施設に認定されている。よって、当科でレジデントとして勤務した期間は、リハ科認定医もしくは専門医試験受験の際に問われる研修施設での勤務期間に相当することとなる。
指導体制状況
  現行の初期臨床研修システムにおいては、残念ながらリハ医学を十分に学ぶことはできない場合がほとんどである。よって、当科レジデントに対しては「リハ医学のいろは」から指導を始め、3年間のレジデント期間を終了する時には、臨床にも研究にも精通したリハ科医師として「ひとり立ち」できるようにレジデントプログラムを作成した。
 1年目は、担当指導医を決定したうえで、いわゆるマン・ツー・マン形式による徹底指導を行う。初期臨床研修で習得した知識・技術に関しても、必要があると判断された場合は、改めて指導を行う。2年目は、ある程度は臨床面で自立しているものと考え、指導を行う。担当指導医は1年目同様に決定するが、より専門的な知識の習得のために、担当指導医以外の上級医の指導を受けることもある。研究に関しても、当科で進められている各種研究プロジェクトに随時参加することで自らのテーマを決定する。3年目は、リハ科医師としてさらに自立し、リハビリテーション・チームのリーダーとして臨床業務に従事できるように、上級医より随時の指導を行う。将来的な専門分野を見据えて、上級医の指導のもと主任研究者として研究を開始、発表・投稿の方法も指導する。
 当科の3年間のレジデントプログラムを終了された場合には、リハ科専門医試験の受験資格を得るのみでなく、試験合格のために必要な知識・技術がおのずと身についているものと期待される。研究に関しても、学位論文の作成につながる成果が得られるように積極的に指導したい。豊富な臨床経験をもち研究に取り組んでいる当科医師が指導医・上級医としてレジデントの指導にあたるが、随時個別に面談し修練状況や問題点を明らかにしながら、プログラムを進めていくようにしている。これに加えて、言うまでもないことだが「よき医師たる前によき社会人となる」ように医師として必要不可欠な倫理感についても日常の臨床を通じてアドバイスを送りたく考えている。
研究・学会発表
 現在当科で進められているレジデントも参加可能な主な研究プロジェクトは以下のごとくである。当科では毎月1回リサーチ・カンファレンスを開催し、研究の現況報告と意見交換を行っている。いずれの研究結果も国内もしくは国外学会での発表、および主要医学雑誌への投稿をしている。
(1) 脳卒中に対する機能的MRI
(2) 経頭蓋磁気刺激の治療への応用
(3) 高次脳機能障害のリハビリテーション
(4) 廃用性筋萎縮に対する電気刺激療法
(5) テンソルMRIによる脳損傷評価
(6) NIRS(近赤外線トポグラフィー)による大脳機能評価
(7) SPECTによる脳損傷評価
(8) 嚥下リハビリテーション
(9) リンパ浮腫に対する積極的リハビリテーション介入
(10) メタボリック・シンドロームに対する運動療法
(11) ボツリヌス療法
(12) 動物実験による脳可塑性の評価
(13) 動物実験による廃用性筋萎縮の評価と治療
関連ホームページ
  本院 リハビリテーション科
  リハビリテーション医学講座
 

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