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特徴的な診療

脳神経内科

パーキンソン病について

■パーキンソン病の概要

パーキンソン病は、中脳にある「黒質(こくしつ)」という部分の神経細胞が徐々に減少することで、体の動きを調節する働きが低下する病気です。一般に、ゆっくりと進行するのが特徴です。症状には、体の動きに関係する運動症状とそれ以外の非運動症状があり、主な内容を下の表に示します。病気の原因はまだ完全には解明されていませんが、加齢、体質(遺伝)、環境因子などが関係していると考えられています。日本では50〜60歳代の方に多くみられ、患者さんの数は年々増えてきています。



運動症状  
振戦(しんせん) 安静時に手足がふるえる
運動緩慢(うんどうかんまん) 動作の開始や動作自体が遅く、小さくなる
筋強剛(きんきょうごう) 筋肉がこわばる
姿勢保持障害(しせいほじしょうがい) 姿勢を保ちにくくなり、転び易くなる
その他 姿勢の異常、すくみ現象(動作が止まってしまう)
非運動症状  
自律神経障害 便秘、排尿障害、立ちくらみなど
精神・認知・行動障害 うつ、不安、幻覚、認知機能障害など
睡眠障害 不眠、日中の眠気、レム睡眠行動障害など
感覚障害 嗅覚障害、痛み、視覚の異常
その他 体重の変化、疲れやすさ


■診断

パーキンソン病の診断は、症状の経過や服薬歴、診察所見、各種検査結果を総合して行います。似た症状を示す病気(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症など)との鑑別も重要です。主に以下の検査を組み合わせて評価します。
  • ・頭部MRI/CT:脳萎縮や脳血管の病変がないかを確認します
  • ・ドパミントランスポーター(DAT)SPECT:脳内のドパミン神経の減少を調べます
  • ・MIBG心筋シンチグラフィ:心臓の自律神経(交感神経)の障害の有無を評価します
  • ・高次脳機能検査:記憶力や判断力などの認知機能を評価します
  • ・嗅覚検査:パーキンソン病に特徴的な嗅覚低下の有無を確認します




■治療

パーキンソン病を完全に治す方法はまだ確立されていませんが、現在は優れた薬物療法やリハビリテーションにより、症状をコントロールしながら自分らしい生活を長く続けることが可能です。治療にあたっては、患者さんの年齢や生活スタイル、症状に応じてお一人おひとりに適した治療計画を立てていきます。


● 薬物療法

パーキンソン病の治療では、薬による治療が基本となります。最も効果が高い薬は、脳内で不足しているドパミンを補うレボドパ製剤です。これに加えて、ドパミン受容体作動薬、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬などを、症状や副作用の程度に応じて組み合わせながら調整します。病気が進行すると、
  • ・薬の効果が切れやすくなる(ウェアリングオフ)
  • ・体が自分の意思とは関係なく動いてしまう(ジスキネジア)
といった症状がみられることがあります。そのような場合には、持続皮下注療法(ヴィアレブ®)や経腸療法(デュオドーパ®)などのデバイスを用いた治療を検討することがあります。

● 外科的治療

薬物療法で十分な改善が得られない場合には、手術による治療も選択肢となることがあります。
  • ・脳深部刺激療法(DBS):脳の特定の部位に細い電極を挿入し、弱い電気刺激を与えることで症状を和らげる治療法です。胸の皮下にペースメーカーのような装置を埋め込み、症状に合わせて刺激の強さを調整できます。
  • ・集束超音波治療(FUS):頭を切らずに、体の外から超音波を一点に集中させて脳の一部を治療する方法です。主に振戦(ふるえ)などの症状に対して行われます。
これらの治療が適しているかどうかは、年齢、症状の内容、病気の進行度、全身状態などを総合的に判断して決定します。適応があると考えられる場合には、専門の医療機関をご紹介いたします。


● 運動療法・リハビリテーション

パーキンソン病では、薬物治療に加えて、運動療法やリハビリテーションがとても重要です。定期的に体を動かすことで、動きにくさの進行をゆるやかにし、生活の質(QOL)を保つ効果があります。目安として、週に合計150分程度の中等度の運動(少し息が弾む程度)が勧められます。研究では、ダンス、水中運動、歩行・バランス訓練、筋力トレーニングなど、さまざまな運動が効果的であることが示されています。特定の運動にこだわる必要はなく、「できる範囲で、無理なく、楽しく続ける」ことが大切です。



■当院の特徴

当院では、脳神経内科医、看護師、ソーシャルワーカーが連携し、患者さんの支援を行います。患者さんとご家族の生活の質を守ることを大切にし、地域の医療機関とも連携しながら継続的なサポートを行っています。

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腎臓・高血圧内科

診療科紹介(腎臓・高血圧内科)

腎生検

腎臓病はほとんど無症状のまま透析になってしまう恐ろしい病気です。そうなる前に早めの診断、治療が重要です。
ほとんどの腎臓病では正確な確定診断に腎生検が必要です。
蛋白尿が持続している患者さんで、これまで腎生検を行ったことのない方は、ぜひ一度自分は腎生検の適応がないのか、主治医に御確認ください。
適応がある場合、葛飾区で唯一の腎生検実施病院である当院に紹介状を書いてもらってください。
最近の腎生検は超音波で腎臓を確認しながら15分くらいで安全に実施できます。
当院では毎年100名以上の患者さんが腎生検を受けるため紹介されてきています。
知らない間に進行する腎臓病、手遅れにならないうちに早めの受診をお勧めします。


写真、超音波ガイド下腎生検の実際



腹膜透析(CAPD)

血液透析では心臓に負担となるシャントを作成し、週3回通院して、太い針を2本刺して毎回痛みに耐えなければいけません。
これに対して自宅で施行できる腹膜透析(CAPD)は体に優しい透析方法と言えます。
当院は国内でも有数の腹膜透析(CAPD)実施病院で、20年以上続けている方も含め、80例以上の患者さんがいらっしゃいます。
腹膜透析(CAPD)の場合、良好な治療成績達成には熱心な医師、看護師が不可欠なため、実施可能な病院はごく一部に限られています。
実際の方法は、おなかに入れた柔らかいカテーテルを介して体温まで温めた透析液を一日に1−4回交換します。血液透析と違い痛みがない、透析中も自由に動けると好評です。
まだ尿の出ている腎不全患者さんはぜひ御相談ください。

図、腹膜透析の方法

外来血液濾過透析(on-line HDF)

最新の透析方法を実施しています。
眺望が良く広々とした当院での通院透析を御希望される方はご相談ください。

写真、透析室からの中川、および桜並木の眺望

写真、窓側の透析用ベッドと透析機器

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糖尿病・代謝・内分泌内科

肥満外来

当院では保険診療で肥満治療が受けることができます。肥満治療を受けるためには、いくつかの条件が必要です。以下に示す条件(図1)に該当するかをご確認ください。具体的には、肥満により高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気が共存することが求められ、肥満治療によってこれらの病気が改善する見込みがあることが重要です。
肥満症と診断された場合、次回の診察から栄養指導を受けていただきます。1-2か月に1回のペースで半年間続け、食事と運動療法により減量できるかを判定します(図2)。生活習慣の改善で減量ができればそのまま継続し、目標に到達できなかった場合には薬物療法を開始します。薬物療法には週1回腹部に注射するGLP-1受容体作動薬もしくはGIP/GLP-1受容体作動薬を使用します。これらの薬は段階的に増量することが可能です。
治療中も体重や健康状態を確認し、通院を継続していただきますが、現在かかりつけの医師に診療を受けている場合でも、これまでの治療を継続しながら当院での治療を受けることができます。かかりつけの医師と連携しながら、安心して治療を続けていくことができますので、ご心配には及びません。
最新の肥満治療をぜひ当院で受けてみませんか?






糖尿病療養指導士とのチーム医療

当病院には糖尿病診療を専門的に学んだ糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師、栄養士、薬剤師が常勤しています。医師と糖尿病療養指導士は常に連携し、外来や病棟で患者様の治療をサポートします。糖尿病と診断されたことに対して不安を感じている場合、現在のインスリン治療や血糖自己測定に心配がある場合、新しい治療法を医師から提案されたが理解できず自己判断ができない場合、食事や運動についてどう取り組めばよいか分からない場合など、多くの場面で糖尿病療養指導士は患者様にとって心強い味方となります。
糖尿病・代謝・内分泌内科はPatient Centered Diabetes Education(PCDE)チームを形成し、糖尿病療養指導士と協力し定期的なカンファレンスを行っており、実際の診療において問題が発生した場合には随時話し合いを行っています。医師の診察だけでは不安が解消されない場合は、療養指導外来で十分な時間をかけ、患者様が納得して治療を続けられるよう工夫を凝らしておりますので、ぜひご相談ください。


インスリンポンプ外来

1型糖尿病や従来のインスリン治療では血糖変動が大きく、治療継続に不安がある場合、インスリンポンプやリアルタイムCGM(図3)を併用して持続血糖測定を行うSAP(Sensor Augmented Pump)療法を開始することや、他院でのポンプ治療をそのまま継続することも可能です。このシステムを導入することにより高血糖や低血糖のリスクが大幅に減少しTIR(Time in Range)という血糖コントロールの指標も改善します。
導入時には原則として入院してシステムの教育を受け、使用方法やカーボカウントを習得し、理想的なインスリン必要量を確定する必要があります。また、費用に関する問題もありますので導入が可能かどうかを外来で相談の上でお決めいただけます。



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循環器内科

当院における心房細動アブレーション治療

1998年にフランスボルドー大学のハイサゲール先生が、“心房細動の主な原因は肺静脈からの異常興奮である”ことを発見し、カテーテル治療によってこの異常興奮を焼灼によって抑えることで心房細動を根治することに成功しました(図1)。以後、カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療が広く行われるようになり現在では本邦において10万件/年以上行われ、多くの心房細動患者が根治治療を受けています。
当院においては、3泊4日の入院期間で治療を行っています。主に右鼠径部から静脈に2-3本のカテーテルを挿入し、局所麻酔および静脈麻酔の下、鎮痛剤を用いて苦痛のない治療を心掛けています(基本的に治療は睡眠下で行います)。治療時間は心房細動の進行度によりますが、2-4時間程度です。挿入されたカテーテルそのものに対する血栓形成反応や焼灼時の血栓形成リスクを考慮し、治療中は抗血栓療法を十分に効かせて治療を行うため、以前は治療後のカテーテル穿刺部位の止血に6時間以上の圧迫および絶対安静を必要としていましたが、近年は止血デバイスの向上により治療後の安静は3時間まで短縮しています。退院後は通常の生活が可能で、外来にて再発の有無含め約1年間経過を診させて頂きます。
治療成績に関しては、心房細動の進行度によりますが、初期の心房細動(発作性心房細動)であれば85-90%、進行した心房細動(持続性心房細動)であれば60-80%の根治率が得られ、再発した際には再アブレーションを行うことで根治を目指すことが可能です。
手技に伴う合併症は、心タンポナーデ(心臓損傷により心外に漏れた血液が心臓を圧排し血圧低下した状態)(1%)、脳梗塞(0.5%)、食道損傷(<1%)、神経損傷(1-2%)、肺静脈狭窄(<0.5%)、穿刺部のトラブル(動脈損傷など)(<5%)などがありますが、総じて1-2%のリスクです。
心房細動やカテーテルアブレーションに関して気になることがございましたらいつでもお気軽にご相談ください。


図1-1

図1-2


新規治療:パルスフィールドアブレーション(Pulsed field ablation; PFA)

2024年9月より本邦においてパルスフィールドアブレーションが導入されました。これまでのアブレーション方法(高周波、冷凍バルーン、ホットバルーン、レーザーバルーン)とは異なり、非熱性のアブレーション方法であるためより安全な治療が提供できるようになり、当院においても2025年1月より同システムを導入しています(図2)。
パルスフィールドアブレーション(PFA)はパルス電場によって引き起こされるエレクトロポレーション(細胞穿孔法)という現象を利用した新しいアブレーション方法で、瞬時に高頻度かつ極端に短いパルス幅(ナノ秒〜マイクロ秒)の直流通電をかけることで作られるパルス電場によってエレクトロポレーション(細胞穿孔)が生じ、心筋細胞をアポトーシス(細胞死、壊死)に導くという原理に基づいています。エレクトロポレーションを起こす電場閾値は組織によって異なり、心筋細胞に対する障害閾値は周辺組織(食道、血管、神経)よりもはるかに低いため、周囲の構造物を損傷することなく心筋細胞のみを標的とすることができることが最大の特徴です(図3)。
これまでの心房細動に対するカテーテルアブレーションは、熱性(冷却性)エネルギーによって心筋細胞を壊死させていたため、過剰なエネルギーが周囲の組織(食道や横隔神経、食道周囲神経叢、気管支など)に損傷を与えることで、食道潰瘍、左房食道瘻(左房と食道間の穿通)や横隔神経麻痺、食道周囲神経叢損傷による消化管蠕動不全などの合併症を引き起こすリスクがありました。また、心房細動アブレーションの基本となる肺静脈隔離術は肺静脈入口部で焼灼(冷却)を行うため、焼灼組織の内膜増生により肺静脈狭窄を起こす合併症も問題になることがありましたが、現在、海外における1万例以上のパルスフィールドアブレーション使用経験による報告においてこれらの合併症は全く起きておらず、臨床的な安全性が確認されています。
また、高周波アブレーションやバルーンアブレーションに比して瞬時に1回の焼灼ができるため手技時間の短縮にもつながります。治療効果に関してもこれまでの治療に劣らない良好な成績が報告されており、パルスフィールドアブレーションの導入によって、より迅速に、より安全かつ確実な治療が提供できるようになりました。

図2


図3



冠動脈に有意な狭窄の無い狭心症や心筋梗塞
(冠動脈閉塞を伴わない心筋虚血(INOCA)、冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA))

当院では2023年9月より冠動脈閉塞を伴わない狭心症の精査として、微小循環障害(CMD:coronary microvascular dysfunction)、冠動脈攣縮の検査を積極的に行っています。
CMDの検査を可能としている医療機関は全国にわずかしかなく、2024年4月現在CMDの検査実施可能施設は都内でもごくわずかであり、循環器専門医の間でもこの疾患についての情報や知識はまだまだ不足しているのが現状です。葛飾区周辺でもこの検査を施行できるのは当院以外、ほぼございません。(2025年4月1日現在)


今までに心臓カテーテル検査や冠動脈CTを行っても冠動脈に狭窄なく、狭心症ではないと考えられるも胸部症状が改善せずにお困りの方や、心筋梗塞の診断で心臓カテーテル検査を行うも冠動脈に狭窄なく心筋梗塞となった原因診断がついていられない方が多くいらっしゃると思います。そのような方々の検査に関して御力になれれば幸いです。
以下に冠動脈閉塞を伴わない狭心症(INOCA:ischemia with non-obstructive coronary artery)、非閉塞性冠動脈疾患に伴う心筋梗塞(MINOCA:myocardial infarction with non-obstructive coronary artery)に関して簡単な説明を行っていますので、ご一読いただき気になる方がいらっしゃいましたら、お気軽に当院に相談下さい。


INOCA(冠動脈閉塞を伴わない心筋虚血)

INOCAとは、Ischemia with Non-Obstructive Coronary Artery diseaseの略で、心臓カテーテル検査や心臓CTで目視できる冠動脈(心臓を栄養する血管)に閉塞や狭窄がない狭心症のことです。INOCAの患者さんは、普段から胸部圧迫感や息切れなどの症状に悩まされているにも関わらず、検査をしても冠動脈に狭窄が見つからないため正常と診断されてしまうことがあります。INOCAの原因としては、以下のように冠微小血管障害と冠攣縮性狭心症が含まれます。



1、微小血管障害:もともと心臓には目に見える心外膜血管の他に、微小冠動脈が多数存在することが知られています。この目には見えない血管の血流障害(冠微小循環障害)によって狭心症をきたす病気です。
2、冠攣縮性狭心症:冠動脈が一過性に痙攣を起こすことで狭窄や閉塞をきたします。

微小血管障害とは微小冠動脈が原因で起こる狭心症を意味しており、典型的な胸部圧迫感だけではなく、息苦しさや吐き気、喉、あご、背中という広範囲に違和感や圧迫感が起こることも多く、その持続時間が通常の狭心症よりも長く、10分〜1時間以上と長いのが特徴です。男女問わず幅広い年齢層に起こり得ますが、特に40代後半〜50代の更年期世代の女性に多発すると言われています。こうした状態になる原因は以下の3つと言われています。?微小血管が発作的に収縮して痙攣(けいれん)を起こす ?微小血管が拡張できないなどの機能障害 ?筋肉に対して微小血管自体が少ないケース
微小冠動脈は心臓の動脈の約95%を占めますが、0.3?以下の細い血管は心臓カテーテル検査の冠動脈造影などに映らないので、通常の冠動脈造影のみでは微小血管障害は見逃されやすいといった特徴があります。

冠攣縮性狭心症とは、冠動脈が一時的に痙攣することで、冠動脈が収縮し血流が悪くなることによって冠動脈の内腔が一時的に狭くなる、もしくは閉塞して数秒から数分程度の胸痛を引き起こす狭心症です。喫煙・飲酒・脂質異常症・ストレスなども原因とされており、動脈硬化との関連性もあると言われています。症状の特徴としては、夜間や早朝の安静時や朝方、もしくは早朝労作時に胸の中心あたりに胸痛が起こりやすい事、安静にしていても動悸・息切れがする事、圧迫感がある事、冷や汗が出る事等があげられます。
INOCAの診断ですが、胸部症状で御相談いただいた場合、狭心症以外の心疾患の有無の精査や、心疾患以外の胸部症状を発症する疾患(肺疾患や消化器疾患等)の可能性も考え対応します。 そのうえで、明らかな原因が無ければINOCAの可能性を考えます。
INOCAの検査は入院での心臓カテーテル検査となります。心臓カテーテル検査で薬剤による負荷検査を行い、冠動脈の痙攣が起こるか、胸痛や心電図の変化が誘発されるかを調べます。同時に冠動脈に柔らかいワイヤーを入れて、微小冠動脈の機能評価を行います。


冠動脈に有意狭窄や閉塞、機能障害を呈さない方に比較してINOCAの予後は悪いとされており、特に微小循環障害と冠攣縮性狭心症を合併した患者の予後は不良であることが報告されています。その為、しっかりと診断を付ける事が大事であると考えられます。

治療方法は薬物療法、生活習慣の改善、危険因子の管理となりますが、疾患としての確立した治療方法はありません。患者毎に治療効果に違いがある事からも、医師と患者で相談しながら治療を進めてまいります。


MINOCA(非閉塞性冠動脈疾患に伴う心筋梗塞)

MINOCAとはMyocardial Infarction with Non-Obstructive Coronary Arteryの略であり、心筋梗塞の徴候がありながら、冠動脈造影検査で冠動脈に有意な狭窄(通常、50%以上の狭窄)が認められない病態です。
MINOCAの原因としては、冠動脈プラーク破綻・びらん、冠攣縮、冠微小循環障害 (CMD)、冠微小血管攣縮、特発性冠動脈解離 、冠動脈に及ぶ大動脈解離、冠動脈塞栓症、冠動脈slow flowなどがあげられます。前述したINOCAの原因であった、微小循環障害や冠攣縮性狭心症がMINOCAの原因の一つであるといわれています。
MINOCAの診断には、心筋梗塞である事がしっかりと診断されている事、それに加え心筋障害を生じる冠動脈疾患以外の心疾患が除外されている事が重要となります。
その上で、MINOCAの原因としての冠攣縮や微小循環障害の診断には、まずMINOCAを生じうる他の病態を除外することが必要となります。冠攣縮に伴うMINOCAを発症した場合にはMINOCAが冠攣縮の初発であることも少なくないと言われており、多くの場合で冠攣縮薬物誘発試験を必要とします。

冠攣縮薬物誘発試験の検査方法は、前述したINOCAでのカテーテル検査方法となり、治療方法は前述したINOCAに含まれていた冠攣縮性狭心症と同様の治療となります。
薬物療法を始め、生活習慣の改善、危険因子の管理を、医師と患者で相談しながら進めてまいります。

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呼吸器内科

無理をしないオーダーメイドの肺がん治療

当院呼吸器内科では、肺や気道など呼吸に関わる病気を専門に診療しています。

当院において特に力を入れているのが肺がんの診療です。当科には、がん薬物療法専門医、呼吸器内科専門医、がん治療機構認定医などが在籍し、外来から検査入院、抗がん剤治療から緩和ケアに至るまで一貫した診療体制を整えています。肺がん治療では、古典的な抗がん剤や放射線治療だけでなく、近年進歩が著しい「免疫チェックポイント阻害薬」や「分子標的治療薬」など、最新の治療法も取り入れています。ただし、患者さんの希望、副作用と効果のバランスを考えたオーダーメイドの治療プラン設定を心がけています。


免疫チェックポイント阻害薬は、患者さんご自身の免疫の力を活かしてがんと闘う治療法です。従来の抗がん剤とは異なり、副作用の出方も異なりますが、一部の患者さんではがんの進行を長期間抑えられることもあり、大きな希望となっています。一方、分子標的治療薬は、がん細胞に特有の遺伝子変異や異常なタンパク質をピンポイントで狙い撃ちする治療法です。EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子といった特定の変化が見つかった場合に使用され、効果的かつ比較的副作用が少ないことが特徴です。これらの治療法を選択するためには、まずは正確な診断と、遺伝子検査などの精密な検査が必要となります。


当院では、診断から治療、その後の生活支援までをオーダーメイドでサポートできる診療体制を整えております。医師をはじめ、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、医療相談員など、多職種が連携して患者さんを支えてまいります。

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精神神経科

睡眠障害外来

睡眠・覚醒障害に関して、睡眠医療の専門医(一般社団法人日本睡眠学会総合専門医・指導医)2名が担当しています。慢性の不眠症には、外来個人療法(隔週、計7回)として、医師と公認心理師の協働による認知行動療法を施行しています。終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography; PSG、月8例)を用いた睡眠時無呼吸症候群に対する耳鼻咽喉・頭頚部外科、循環器内科との共同診療体制が整備されています。治療には、経鼻的持続的陽圧呼吸療法(continuous positive air pressure; CPAP)や手術療法が実施されています。ナルコレプシーや特発性過眠症などの中枢性過眠症の確定診断に必要な反復睡眠潜時検査(multiple sleep latency test; MSLT)は、月1〜2例実施可能であり、睡眠衛生指導や薬物療法が実施されます。「よく眠れない」、「昼間眠くて困る」、「夜寝ぼけて危ない」など、睡眠と覚醒に関する悩み事を抱えている方は、かかりつけの先生に紹介状を作成して頂いて、受診をお勧めいたします。


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小児科

食物経口負荷試験について

食物アレルギーの診断には、医師が食事内容を確認し特異的IgE抗体検査で推測することができますが、確定診断には食物経口負荷試験が必要です。食物経口負荷試験は、アレルギーが疑われる食物を実際に食べて、症状を観察する検査です。?食物アレルギーを診断する?食物アレルギーが治ったかどうか(耐性獲得)を確認する、といった目的で行います。この検査によって、どのくらいの量を食べたらどんな症状が出るかを直接確認することが出来ますが、重篤な症状が出る可能性もあるため病院で十分な準備を整えて実施する必要があります。
当院では年間約100件の入院食物負荷試験を行っています。検査方法は、負荷食品を数回に分割して、少量から次第に増量して摂取します。途中で症状が確認されたら検査陽性と判定し、摂取を中止して必要な処置を行います。症状がなければ陰性と判定します。基本的に1泊2日入院で、検査翌日まで症状を観察し、問題が無ければ退院となります。


アトピー性皮膚炎の最新治療について

当院のアレルギー外来では、アトピー性皮膚炎に対してスキンケア中心の治療を目標に、ステロイド外用薬の副作用を最小限にするためのプロアクティブ療法を積極的に行っています。プロアクティブ療法は、再発の多いアトピー性皮膚炎で推奨されている方法です。十分な範囲にステロイド外用薬を塗り、軽快した後も頻度を減らしながら治療を継続します。保湿薬を上手に使い、よりステロイド外用薬の使用量を減らしていきます。
そして、副作用が少ない外用薬、タクロリムス軟膏(プロトピック)、JAK阻害薬(コレクチム)、PDE4阻害薬(モイゼルト)を併用し、既存治療で効果が不十分な方には、内服JAK阻害薬(リンヴォック、オルミエント)、注射薬の抗IL-4/13受容体抗体(デュピクセント)、抗IL-31受容体A抗体 (ミチーガ)なども使い、より副作用が少ない、個別の適切な治療を目指しています。




こどもの消化器内視鏡検査について

当科では都内でも数少ない,小児に対する消化器内視鏡検査(胃カメラ,大腸カメラ,小腸カプセル内視鏡検査など)を行っています.小児の内視鏡検査は,こども特有の疾患群,苦痛の軽減(鎮静・麻酔)など成人と同じには考えられないため,小児を専門とする医師による検査が望ましいとされています.当科では基本的には小児科医が内視鏡検査を担当します.また,麻酔も必ず検査担当とは別の小児科医が担当し,偶発症・合併症への対応に備えています.必要に応じて内視鏡科や麻酔科と協力して診療に当たる体制も整えています.
お子様にとって苦痛のない検査と安全性を優先しているため,基本的には入院(基本1泊)で行なっています.詳細な日程に関してはご相談ください.
これまでも,長年消化器症状に悩まれているお子様の診断・治療に役立ててまいりました.また,今まで敬遠されがちであった内視鏡検査ですが,当科で速やかに検査・診断をできたため重症化する前に治療を開始できたお子様もいらっしゃいます.


  • *対象となるお子様の症状
  • ・繰り返す腹痛・嘔吐・下痢
  • ・長引く血便・黒色便
  • ・原因不明の体重増加不良・体重減少・成長障害
  • ・原因不明の繰り返す口内炎・痔瘻 など

  • *令和6年度の診療実績(18歳未満):のべ38件
  • ・上部消化器内視鏡(食道・胃・十二指腸):18件
  • ・大腸内視鏡(大腸):16件
  • ・小腸カプセル内視鏡検査(小腸):4件

上部内視鏡検査(胃カメラ)の流れ

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の流れ

小腸内視鏡検査(小腸カメラ)の流れ

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外 科

乳癌手術に対する乳房再建術

当院では乳癌に対する乳房切除を行う際に、希望があれば形成外科と合同で乳房再建術を行っています。詳細に関しては乳腺専門医師(川瀬、布施)の外来でお問い合わせください。


局所進行癌に対する術前放射線化学療法

当院では局所進行直腸癌、膵癌に対して、無再発生存率および全生存率アップを期待した、術前放射線化学療法を導入しております。詳細に関しては、直腸癌に関しては大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,大楽,高橋)の外来で、膵癌に関しては肝胆膵専門医師(薄葉、羽村)の外来でお問い合わせください。


直腸脱に対する修復術及び慢性便秘症に対する手術療法

直腸脱は高齢者、特に女性に多い病気で、社会の高齢化にともない増加しています。直腸が脱出すると活動が制限されるとともに、肛門のしまりが悪くなり、便漏れをきたすことも多くなります。当院では、直腸脱の標準術式としてlaparoscopic ventral rectopexy(腹腔鏡下に腹側の直腸を固定する方法)を用いていますが、 (1)症状の程度、(2)脱出の程度、(3)患者さんの全身状態を考慮し、最終的に術式を決定しています。また、慢性便秘症により著しくQOLの低下した患者さんを対象として、大腸通過遅延型・ 便排出障害に対する患者さんの満足度を向上させ、QOLを改善することを目的として外科的手術療法も取り入れております。
詳細に関しては、大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,大楽,高橋)の外来でお問い合わせください。


膀胱尿管逆流症に対する超低侵襲治療 −膀胱鏡下DefluTM注入療法

膀胱から尿管に尿が逆流し、尿路感染を繰り返すお子さんがいます。以前は膀胱を切開し逆流を防止する目的で尿管と膀胱をつなぎなおす手術が一般的でしたが、近年、膀胱鏡下にDefluxTM(ヒアルロン酸ナトリウムとデキストラノマービーズの二種類の混合物)を尿管口の周りに注入するという、低侵襲な治療法が普及しつつあります。2泊3日での治療で、おなかを切る必要もありません。詳細に関しては、小児外科専門医師(金森)の外来でお問い合わせください。

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脳神経外科

脳腫瘍

脳腫瘍には、神経膠腫・髄膜腫・下垂体腺腫・転移性脳腫瘍など多くの種類の腫瘍が存在します。通常これらの脳腫瘍に対して、必要に応じて手術を行い、組織診断により放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療の必要性を検討します。脳腫瘍の種類・部位・大きさや患者さんの症状・年齢や体調を考慮して、患者さんにとって最善の治療方針を検討し治療します。


神経内視鏡手術

近年の外科手術には、患者さんの身体に負担の少ない手術が次々と導入されています。その一つに内視鏡手術があります。脳神経外科領域においても同様で、一部の疾患に対して従来の開頭手術よりも低侵襲な神経内視鏡手術が行われるようになりました。葛飾医療センター脳神経外科では、下垂体腺腫などトルコ鞍近傍の疾病、水頭症・脳出血・脳室内腫瘍や下垂体腫瘍に対して、日本神経内視鏡技術認定医が診療を行っています。


特発性正常圧水頭症

高齢化が進み特発性正常圧水頭症の患者さんは増加しています。特発性正常圧水頭症は、歩行が小刻みになり転びやすくなった、トイレに間に合わない、物忘れがすすんだ、という三つの症状に特徴がある病気です。約1週間の検査入院を行い、治療により症状の改善を期待できるかを判定します。その結果をふまえ患者さん、ご家族と相談しながら適切な治療方法をご案内します。
詳細に関しては、正常圧水頭症外来(毎週月曜午前)にお問い合わせください。


脊髄刺激治療

脊髄刺激治療は、なかなか治らない手足や体の疼痛で苦しむ患者さんに行っています。腰椎手術後、脊髄腫瘍、脊髄損傷、帯状疱疹など多岐にわたる疾病で難治性疼痛が生じますが、脊髄刺激治療により疼痛の緩和が期待できます。試験的に脊髄を刺激して治療効果を体感していただくことができます。
詳細に関しては、毎週月曜午前の脳神経外科外来にお問い合わせください。


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皮膚科

乾癬

乾癬は皮膚に炎症を伴い、慢性的に経過する疾患です。「かんせん」という名称から誤解されがちですが、人から人へうつる病気ではありません。皮疹の見た目や出現部位は人によってさまざまですが、頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざなど、外的刺激を受けやすい部位に生じやすい傾向があります。
典型的な症状として、皮膚が少し盛り上がった浸潤・肥厚した赤い発疹(紅斑)の上に、銀白色のフケのような鱗屑が付着し、ポロポロとはがれ落ちます。爪の変形や関節の痛み(関節症性乾癬)を伴うこともあります。関節症性乾癬は放置すると関節や骨の変形を引き起こし、慢性的な痛みの原因となるため、早期治療が重要です。
尋常性乾癬は特徴的な皮疹から診断できることもありますが、当科では薬疹や他の皮膚炎との鑑別のため、皮膚生検(皮疹の一部を切除して検査すること)を必須としています。
治療には、
  • 外用療法(ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用、タピナロフ外用)
  • 光線療法(ターゲットエキシマ)
  • 内服療法(アプレミラスト、シクロスポリン、エトレチナート、デュークラバシチニブ、メトトレキサート)
  • 生物学的製剤

などがあります。デュークラバシチニブや生物学的製剤の適応となる重症例では、皮膚生検に加えてスクリーニング検査を行ったうえで治療を開始します。特に関節症性乾癬では、生物学的製剤による早期介入が関節変形や慢性疼痛の予防に重要です。
当院は日本皮膚科学会より乾癬の生物学的製剤承認施設として認定されています。生物学的製剤は高額な治療となるため、まずはかかりつけ医にご相談のうえ、紹介状をご用意ください。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、アレルギー素因を持つ体質や皮膚バリア機能の低下など、複数の要因が関与して発症する、慢性のかゆみを伴う皮膚疾患です。
治療は日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づき、
  • 炎症期のステロイド外用
  • 免疫抑制剤外用
  • 抗ヒスタミン薬の内服

を中心に行います。重症例では免疫抑制薬の内服を併用することがあります。また、十分な外用療法で改善が得られない難治例には、生物学的製剤などを用いた治療も行っています。
当科では皮膚リンパ腫やその他の皮膚炎との鑑別のため、皮膚生検を必須としています。生物学的製剤は高額な治療となるため、まずはかかりつけ医にご相談のうえ、紹介状をご準備ください。

難治性疣贅

皮膚科でいう「いぼ」は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染によって生じるウイルス性疣贅を指します。外来で最も多いのは尋常性疣贅で、特に足底にできる疣贅は治りにくく、難治性となることが多いです。
当科では、外科的切除治療の一種である「いぼ剝ぎ(いぼはぎ)法」(保険適用)を積極的に行っています。担当医は川瀬です。受診をご希望の方は、かかりつけ医にご相談のうえ紹介状をお持ちいただき、水曜日にFAX予約またはWeb予約をお願いいたします。

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泌尿器科

当科では、癌治療のみならず排尿障害や尿路結石をはじめとする泌尿器科疾患に対し、内視鏡手術・低侵襲治療を中心に診療を行っています。
患者さん一人ひとりの状態に応じて、安全性と確実性を重視した治療選択を心がけています。


前立腺肥大症

前立腺肥大症は高齢男性に多く、尿が出にくい、頻尿、夜間頻尿、残尿感などの排尿障害を引き起こします。
当科では、症状が強く手術治療が必要な場合、ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を中心に治療を行っています。HoLEPは、肥大した前立腺を被膜から核出する術式で、前立腺の大きさに左右されにくく、十分な排尿改善効果が期待できる治療法です。また、出血量が比較的少なく、再治療の頻度が低いことが特徴とされています。


尿路結石(腎結石・尿管結石)

尿路結石は、突然の強い腰背部痛や血尿を契機に発見されることが多い疾患です。結石の大きさや部位、症状に応じて治療法を選択しています。


主な治療内容
  • 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)


ESWLは、体の外から衝撃波を腎臓の結石に集中的に当て、石を細かく砕く治療法です。
皮膚を切ることなく行えるため、身体への負担が少なく、短時間で治療が可能です。
砕かれた結石は、尿とともに自然に体外へ排出されます。
比較的小さな結石や腎臓内の結石に適した治療法です。

  • 経尿道的尿路結石砕石術(TUL)



TULは、細い内視鏡を尿道から挿入し、尿管や腎臓の結石を直接治療する方法です。
内視鏡を結石の近くまで進め、レーザーで結石を砕き、必要に応じてバスケットで回収します。
皮膚を切らずに行える治療で、結石を確実に処理できるのが特徴です。

結石の大きさ・位置・症状を総合的に判断し、最適な治療法を選択します。


過活動膀胱・頻尿

過活動膀胱は、頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁を特徴とする疾患です。当科では、生活指導・薬物療法を基本とし、保存的治療で十分な改善が得られない場合には、


  • ボトックス膀胱注入療法

※ボトックス治療とは:内視鏡(軟性膀胱鏡)を用いて、膀胱の筋肉に少量ずつボツリヌス毒素製剤を注射します。これにより膀胱の過剰な収縮が抑えられ、尿意切迫感や頻尿の改善が期待できます。


などの治療も行っています。


前立腺癌放射線治療における SpaceOAR

前立腺癌に対する放射線治療では、直腸への影響が問題となることがあります。当科では、放射線治療時の直腸障害軽減を目的として


  • SpaceOAR

SpaceOARは、前立腺がんの放射線治療を行う際に使用する医療材料です。前立腺と直腸の間に一時的にスペース(すき間)を作ることで、放射線が直腸に当たる量を減らし、治療に伴う直腸への影響を軽減することを目的としています。


を使用しています。本処置は 泌尿器科が主体となって実施し、放射線治療の安全性向上に努めています。
放射線治療を安心して受けていただけるよう、多職種と連携しながら対応しています。


ロボット支援下前立腺全摘除術(導入予定)

当院では、2026年3月よりロボット支援下前立腺全摘除術(DaVinci)を導入予定です。これまで行ってきた腹腔鏡下前立腺全摘除術に加え、ロボット支援下手術を治療選択肢の一つとして提供していきます。
※導入準備中のため、詳細については順次ご案内いたします。

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産婦人科

子宮筋腫について

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。
女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて大きくなるため、月経のある年齢の女性の約20〜30%にみられる、比較的よくある病気です。
子宮筋腫があっても症状がない方もいますが、次のような症状がみられることがあります。
月経量が多い(過多月経)、貧血、圧迫による症状(頻尿、腰痛、下腹部の張り・違和感)下腹部痛、妊娠しにくい(不妊)など
症状の強さは、筋腫の大きさ・数・できる場所によって異なります。


子宮筋腫の治療には、薬物療法と手術療法があります。
年齢、症状の程度、妊娠を希望されるかどうか、筋腫の位置などを考慮し、一人ひとりに合った治療方針を相談しながら決めていきます。


薬物療法
女性ホルモンの働きを抑えることで、筋腫を小さくしたり症状を和らげる治療です。
  • GnRHアゴニスト・GnRHアンタゴニストというホルモン製剤を使用します
  • 原則として連続使用は6か月までとなります
  • 手術前に筋腫を小さくする目的や、閉経までの症状緩和(逃げ込み療法)として使われることが多い治療です

手術療法
症状が強い場合や薬物療法で十分な効果が得られない場合には、手術を行います。
近年は体への負担が少ない低侵襲手術(内視鏡手術)が主流です。傷が小さく、痛みや入院期間が少ないことが特徴です。
主な手術方法には以下があります。
  • 子宮鏡下筋腫核出術
  • 腹腔鏡下子宮筋腫核出術
    (※当院では行っていません。腹腔鏡補助下または開腹手術で行っています)
  • 腹腔鏡下子宮全摘術(ロボット支援手術を含む)
  • 開腹子宮全摘術

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眼 科

白内障

白内障は年齢を重ねるにつれてどなたにでもみられ、手術による治療が必要となります。濁った水晶体を除去し、人工眼内レンズを挿入する手術がm白内障の標準的な術式です。挿入する眼内レンズはいろいろな種類があり、患者様の目の状態や疾患に応じて、選択します。乱視を補正するレンズや、遠方だけでなく中間距離の見え方にも配慮したレンズを用い、生活スタイルに応じた見え方の改善を目指しています。


緑内障

緑内障は、眼圧の上昇などにより視野障害が進行する病気で、長期間にわたる治療が必要です。治療は主に、眼圧を下げる点眼治療を基本としますが、近年では、緑内障の病状が進行する前に、目への負担が比較的少ない手術を行う選択肢も増えています。当科では、マイクロパルス毛様体レーザーやアイステント、プリザーフロなどの新しい治療法を導入し、緑内障の状態に応じて、適切な時期に手術を行うことで、進行を遅らせることを目指して、治療を行っています。


角膜移植

角膜は目のいちばん表面にある透明な組織で、ものを見るのにとても重要な役割を担っています。様々な原因で濁って角膜混濁となってしまうと、角膜移植が必要となります。角膜移植には、ご献眼によるドナー角膜が必要ですが、わが国では、長い待機期間が必要なのが現状です。角膜には血管がないため、移植する際に血液型などの適合性が不要です。そのため、角膜移植では、世界中でドナーシェアリングが行われています。当科でも、米国のアイバンクの協力のもとドナーを入手し、待機期間不要の角膜移植を行っています。また、水疱性角膜症という角膜混濁に対しては、培養内皮細胞注入術という再生医療技術を用いた新しい角膜移植も始まっています。


加齢黄斑変性などの黄斑疾患

加齢黄斑変性や黄斑浮腫などに対して、病気の活動性を抑える抗VEGF薬の硝子体注射を行っています。黄斑は眼底網膜の中心部で、視力をになっている重要な組織ですが、障害が大きいと不可逆的に視力が失われます。加齢黄斑変性や、糖尿病・網膜静脈分枝閉塞症などによる黄斑浮腫では、適切な時期に抗VEGF薬の硝子体注射を行うことによって、病状の進行を食い止めたり、視力が改善することが期待されます。抗VEGF薬にはさまざまな種類がありますが、当科では、現在わが国で処方できるすべての薬剤を扱い、疾患の種類や病状に応じて使い分けています。外来処置室で行い、患者様の利便性をはかっています。


網膜剥離

網膜は、眼底一面に広がる視神経の束からなる膜で、見たものが網膜に投影されることで、我々はものを見ています。網膜は非常に薄い膜で眼底に張り付いていますが、さまざまな原因で剥がれることがあり、網膜剥離が生じます。打撲などの外傷以外に、近視性変化や加齢性変化も、網膜剥離の原因となります。始めは部分的な剥離から始まりますが、網膜剥離を放置すると剥離が黄斑部まで広がり、最悪の場合は失明にいたります。治療には、網膜硝子体手術を行いますが、網膜剥離はできるだけ早く手術する必要があります。当科では、網膜剥離の緊急対応も常時行っています。


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リハビリテーション科

上肢痙縮および下肢痙縮に対するボツリヌス毒素治療(ボトックス®、ゼオマイン®)


■痙縮(けいしゅく)とは

脳出血や脳梗塞など脳血管障害の後遺症として、手や足に運動麻痺が生じる場合があります。この運動麻痺に合併することが多いのが、筋肉が勝手に収縮する状態が続く「痙縮(けいしゅく)」という症状です。
痙縮では、筋肉の緊張が過度に高まった結果、筋肉や関節に持続的な痛みが生じることがあります。さらに、指を握り込む、肘が曲がったまま伸びない(または、肘が伸びたまま曲がらない)、つま先立ちをするように足首が伸びる、足趾を握り込むといった肢位(姿勢)の異常がみられるようになります。そして、痙縮に伴うこれらの肢位の異常は、日常的な生活の動作を行う場合にも困難さを引き起こします。



痙縮に伴う肢位(姿勢)の異常


【痙縮によって生じる日常生活動作の困難】

  • 着替えがしにくい(肘が伸びない、腕が上がらない、脇が開かない)
  • 手や指が洗えない、爪が切りにくい(手の指が開かない)
  • 歩きにくい(足首が曲がらない、足の趾が伸びない)


痙縮の症状を放置すると、日常生活の動作が困難になるばかりでなく、次第に関節が固まってしまい、外科的に処置(手術)をしない限り、関節を動かすのが困難な状態に至ります。



■ボツリヌス毒素製剤(ボトックス®、ゼオマイン®)を使用した痙縮治療について

ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌が作り出す神経毒で、筋肉の中にある神経に作用し、筋肉の緊張をやわらげる効果(筋弛緩作用)があることから、痙縮における対症療法の薬として世界的に使用されるようになりました。
現在、わが国において、痙縮に対するボツリヌス毒素治療として医療保険の使用が認められているのは、ボトックス®(グラクソ・スミスクライン株式会社)と、ゼオマイン®(帝人ファーマ株式会社)の2種類の製剤に限られます。なお、ボトックス®とゼオマイン®は痙縮以外の症状にも適応が認められていますので、参考までにご紹介いたします。



●ボトックス®(グラクソ・スミスクライン株式会社)

適応:上肢痙縮、下肢痙縮、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱



●ゼオマイン®(帝人ファーマ株式会社)

適応:上肢痙縮、下肢痙縮、慢性流涎



当院リハビリテーション科では、上肢痙縮および下肢痙縮に対してボツリヌス毒素製剤(ボトックス®、ゼオマイン®)を用いた外来通院治療を積極的に実施しています。
1回の治療で、上肢や下肢の緊張が高まっている複数の筋肉に薬液(ボトックス®、または、ゼオマイン®)を注射します。ボツリヌス毒素による筋弛緩作用は、注射後数日から2週間程度で効果が出現し、個人差はあるものの、3か月程度その効果が持続するといわれています。痙縮に対するボトックス®、ゼオマイン®を用いた治療では、12週間以上の間隔をあけて次回の治療(注射)を行うことが認められています。
ボツリヌス毒素治療で十分な治療効果が得られない場合には、経口筋弛緩薬の内服治療を併用することも可能です。



■当院リハビリテーション科で痙縮治療を希望する方へ

(1)まず、かかりつけ医による紹介状をご用意ください。
(2)事前に、当院リハビリテーション科の外来をご予約ください。
(3)初回の診察では、ボツリヌス毒素治療の適応の有無を判断し、ボツリヌス毒素治療を含む痙縮治療に関する説明を行います。初回の診察で、ボツリヌス毒素製剤の注射を実施することはありません。
(4)2回目以降の診察で、ボツリヌス毒素製剤の注射を開始、継続します。

【注意事項】
●当院リハビリテーション科では、痙縮以外の症状に対するボツリヌス毒素治療は実施しておりません。
●1回のボツリヌス毒素治療で、ボトックス®、および、ゼオマイン®の2つの製剤を同時に使用することはできません。

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内視鏡部

早期癌の治療 〜内視鏡的粘膜下層剥離術〜

早期癌の確立された治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: Endoscopic submucosal dissection)があります。
これは内視鏡先端から小さなメスを出し病変を切除するもので、おなかを切る外科手術と違って、内視鏡を通して癌を切除するため体表に傷がつきません。食道、胃、大腸の早期癌に対して行われる治療で、入院期間も1週間程度であり、術後2日程度で食事が可能です。

図1:胃ESD
図2:大腸ESD

胆膵内視鏡検査、治療

胆嚢、胆管あるいは膵臓の病気を診断・治療するために、口から内視鏡を挿入して行う検査治療です。
カメラが内視鏡の横に付いた専用の内視鏡や超音波内視鏡専用機など特殊な内視鏡を用いて行います。また胃全摘術後の患者さんに対しては、距離が長くなるため小腸鏡を用いることもあります。


胆管・膵管の模式図

十二指腸乳頭部

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

胆管と膵管の十二指腸開口部を十二指腸乳頭部といいます。
挿入した専用のスコープからカテーテルを出してここに差し込むことで、膵管や胆管に造影剤を注入しレントゲン撮影を行う検査を診断的ERCPといいます。また、胆管炎や総胆管結石、腫瘍などに対してこれに引き続いて行う治療的ERCPがあります。
現在では画像診断の発展により9割が治療的ERCPとなっております。治療的ERCPの主なものとしては、総胆管内の結石を乳頭部から摘出するために、内視鏡下に電気メスで十二指腸の胆汁の出口を切開する内視鏡的乳頭活約筋切開術(EST)と風船で十二指腸乳頭の胆汁の出口を拡張する内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)、総胆管の狭窄や結石により胆汁の排泄が悪くなっている部位に対してプラスチックや金属のステントを挿入する内視鏡的ステント挿入術(EBD)、乳頭部の腫瘍を切除するパピレクトミーなどがあります。


ERC胆管造影

肝門部狭窄症例に対するプラスチックステント挿入

肝門部狭窄症例に対する金属ステント挿入

超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡はスコープの先端に超音波振動子がついた特殊な内視鏡を口から胃・十二指腸に挿入し、胆嚢、胆管、膵臓を観察する検査です。
体外式の超音波検査では観察しにくい部位の観察や、病変のより鮮明な画像を得るために行います。鉗子孔から細い針を出して消化管の外の病変から組織を採る超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)も行っています。EUS-FNAで組織診断が可能になったことは一番の利点となっています。この手技を利用して膵嚢胞、膵膿瘍などのドレナージ治療も行うことができます。


穿刺時

腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS; Laparoscopic endoscopic cooperative surgery)

胃粘膜下腫瘍に対する外科的手術は時に正確な腫瘍の辺縁を腹腔側から視認することが困難であり、過剰な胃切除によって大きな胃の変形をきたすことがあります。また、腫瘍の場所によっては胃全摘になることもあります。当院では、外科と内視鏡科が協力し、腹腔側からの腹腔鏡手術と管腔側からの内視鏡手術を同時に行うことで、必要最小限の胃の切除を行なっております。

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