診療内容・専門分野

感染制御部は2011年4月に中央診療部門として設立されました。感染制御科医師により、主に成人の感染症を対象とした外来診療を行うとともに、各診療科から外来および入院患者の感染症の診断・治療および感染対策に関する相談を受け対応しています。そのために、感染制御科医師を含む感染対策室を中心として次の2つのチームを組織し、効率的な対応ができるように活動しています。
AST (Antimicrobial Stewardship Team : 抗菌薬適正使用支援チーム)
感染症を発症した患者が適切な抗菌薬治療を受けられるように主治医を支援するチーム
ICT (Infection Control Team : 感染制御チーム)
耐性菌やウイルスなどによる院内感染を拡げない対策を実践するチーム
外来診療 |
成人の感染性疾患を幅広く対象としています。主な診療内容は以下のとおりです。
1) 細菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫感染症などの診断、治療
2) HIV感染症の診断・治療 (2014年4月エイズ診療拠点病院認定)
3) 輸入感染症(海外帰国後の発熱、下痢など)の診療、相談
4) 各診療科から相談された外来患者の感染症の診断、治療 など
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入院診療 |
感染制御部が主科での入院診療は行っていません。主な診療内容は以下のとおりです。
1) 各診療科から相談された入院患者の感染症の診断、治療 など
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病院感染対策 |
主な活動内容は以下のとおりです。
1) 院内感染に対するコンサルテーションと実際の感染対策活動
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌等の各種耐性菌検出患者の対応、結核、インフルエンザ、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘等の流行性ウイルス感染症、感染性胃腸炎、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの各種感染症及びその疑い患者の対応、針刺し切創および血液・体液曝露への対応 など
2) ICTおよびASTと連携した病棟ラウンド
血液培養・髄液培養陽性患者、各種耐性菌検出患者、C. difficile 毒素・抗原陽性患者、抗酸菌検査陽性患者、広域抗菌薬および抗MRSA薬使用患者 など
3) COVID-19に関する感染対策活動
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特色
1) |
感染症は特定臓器の疾患に限らないため、総合的な診断、治療を行っています。 |
2)
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細菌感染、ウイルス感染、真菌感染と多岐にわたる微生物の診断、治療を行っています。 |
3)
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2014年4月にエイズ診療拠点病院に認定され、HIV感染症の診療を行うとともに、各種相談を受け対応しています。 |
4)
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院内の感染対策委員会、ICT、ASTと連携しながら、病院感染防止、職業感染防止、抗菌薬適正使用を目的に、様々な病院感染対策に関する活動を行っています。 |

患者数・症例数・生検数・手術数・治療成績等

1) |
入院患者の感染症の診断、治療、感染対策等に関する相談件数(直近5年間):433件(2019年度)、980件(2020年度、うちCOVID-19関連 672件)、816件(2021年度、うちCOVID-19関連 468件)、1011年(2022年度、うちCOVID-19関連 634件)、815件(2023年度、うちCOVID-19関連 271件) |
2)
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ICTおよびASTと連携した病棟ラウンド:50回(2023年度) |

専門外来

感染症外来は、毎週月曜日午前に行っています。
HIV感染症など感染症患者の診療、感染症に関するご相談は、可能な限り対応いたします。

特殊検査・先進医療

病院内におけるサーベイランス活動(耐性菌、抗酸菌、薬剤感受性など)
厚生労働省 院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)参加
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