外来診療

小児外科・泌尿器疾患外来

外来の特色

この外来では、主に新生児から思春期までのお子様の泌尿器疾患を使う外来です。停留精巣・陰囊水腫・包茎のように比較的日常みられる疾患以外に、膀胱尿管逆流症、先天性水腎症、尿道下裂などの外科的な処置が必要な可能性のある泌尿器疾患を主に取り扱います。

小児の一般外科(心臓血管外科、脳神経外科、整形外科などを除く)疾患も取り扱っていますが、母子センターの専門外来では、主に外科的治療が必要になる可能性のある小児の泌尿器疾患が対象となります。

診療内容

停留精巣

最近、発症頻度が増加傾向にある病気です。精巣はお子さんがまだお母さんのお腹の中にいる時には、お腹の中の腎臓の近くにあるのですがそれが次第に下に降りてきて、生後6ヵ月までには陰嚢内に降りてきます。6ヵ月になっても陰嚢内に精巣(睾丸)が1つしかない、または、ふたつともない時、お風呂上りに精巣が陰嚢の下のほうに垂れ下がってこないような時には、停留精巣が疑われます。

精巣がお腹に近い位置にあり陰嚢内の適切な位置にない場合には、体温で温まることにより精巣の発達(精子を作る力など)が遅れたり、長い間放置されると精巣に悪性細胞が発生したりすることがあります(癌になるのは正常の10から2・30倍といわれています)。また、精巣捻転(精巣が捻じれて腐ってしまうこと)の危険も高いので、1歳頃には精巣固定術といって精巣を陰嚢内に降ろして固定する手術を行います。通常の精巣固定手術は約40分程度です。また、精巣が体表に触知せずにお腹の中にある場合には腹腔鏡を用いて精巣を陰嚢内に降ろす手術を行っています。腹腔鏡の場合は手術時間がやや長くなります。しかし、通常の固定手術を行っても腹腔鏡手術を行った場合でも原則として手術の翌日の退院となります。

陰嚢水腫

子供がまだお母さんのおなかの中にいるころに、腎臓の近くにある精巣が鼠径管という通り道を通って降りてくるのですが、そのとき腹膜というお腹の内臓を包み込んでいる袋を一緒に引っ張って降りてきます。この腹膜が袋状に残ったものが陰嚢水腫やヘルニアの原因になります。多くの子供では、この袋は小さく、自然に癒着して閉じますが、袋がそのまま残り中に水がたまった状態が陰嚢水腫です。

陰嚢水腫だけの場合には、ヘルニアのように腸が出てきて戻らなくなる(嵌頓:かんとん)ような危険性はないので急いで手術をする必要はありません。また、1歳までに9割が自然に消失するといわれていますが、1歳過ぎても残っている場合に手術の対象となります。

以前は針を刺して水を抜くことが治療として行われたこともありますが、しかしその効果は一時的で根本的な治療ではありません。ヘルニアと同じように袋を閉じ、内側から水を抜く手術を行います。当院ではヘルニアと同様に腹腔鏡で手術を行います。

包茎

小児期の包茎は、生理的に正常なのですが、排尿時におちんちんの先端が、風船のようにふくれたり(balloning)、先端が赤く腫れたりする時には、治療が必要です。最近では、ステロイドの入った軟膏を包皮に塗り皮膚をやわらくして包皮を剥きやすくする方法も行っており外来で指導しています(8から9割のお子様で包皮が剥けやすくなり排尿がスムーズになります。)それでも改善がみられない場合には、包皮に対する外科的な治療を行うこともあります。手術の場合、包皮が手術後に腫れますが翌日の退院になります。

膀胱尿管逆流症

膀胱尿管逆流症(VUR)は、小児の約1%にみられ、尿路感染を発症した患児の約30から40%に認められます。原因としては、膀胱尿管接合部の先天性形成不全による原発性と尿道弁や神経因性膀胱などの器質的・機能的下部尿路疾患による膀胱の高圧状態により起こる続発性があり、膀胱造影(VCUG)で診断が確定されます。当疾患は、放置すると尿路感染を繰り返すのみならず腎機能が障害されます。

尿路感染症(風邪症状のない高熱)を繰り返し、膀胱尿管逆流症(VUR)を疑われる場合、膀胱造影を行い評価します。まずは、尿路感染の予防のために少なめの抗生物質を服用させます。小さなお子さんは自然軽快することが多いので特に1歳までは手術は行わずに経過を観察しますが、抗生物質を飲んでいても尿路感染を繰り返したり、腎機能が増悪するような場合には手術を行います。手術は恥骨直上に約5cmの横切開を入れ、膀胱を開けて尿管を新しく吻合する手術を行います。術後5日目前後で退院となります。手術による根治性は99%と言われています。また、ヨーロッパ各国およびアメリカ合衆国で行われている治療法で、手術のように膀胱とお腹に創をつけることなく、膀胱鏡下に薬(DefluxR :OLC301)を注入し逆流を防止する治療も行っています。この方法は、根治性も高く今後日本でも注目される治療法です。

DefluxRによる注入治療を今までは入院で行っておりましたが、2011年より日帰り治療として開始しました。30分程度の治療で、小児の場合は、治療には全身麻酔が必要ですが、治療当日の朝に来診していただき、午後に帰宅が可能です。

また、下部尿路(膀胱および尿道)に問題がある場合は、その原因を調べ、それぞれの疾患に合った治療が必要になります。

先天性水腎症

お母さんのお腹の中にいるお子さんの800~1500人に一人の割合でみられ妊娠中の超音波検査で発見されますが、そのうちの半数程度が出生後も水腎症が続き、その中の3/4が出生後3歳ごろまでに自然に消失します。水腎症が強いもので軽快しないものは、定期的に超音波検査やアイソトープを使った機能検査を行い、腎機能障害が起きてくると症状がなくても手術をする必要があります。また、水腎症による痛みや尿路感染および圧迫症状が見られるもの手術が必要です。手術は背中のところに3~5cmの切開を入れお腹を開けずに背中側から手術をするのが一般的です。放置すると腎が働かなくなり腎臓の摘出手術が必要となることがあります。我々の施設では腹腔鏡を用いて腎臓の摘出手術を行います。腎盂形成の入院期間は2週間程度ですが、腎臓摘出の場合は術後5日間程度で退院が可能です。

尿道下裂

おしっこの出口(外尿道口)がおちんちん(陰茎)の先(亀頭先端)になく、亀頭の下のほうから陰茎の根元のところに存在する先天的な異常です。陰茎が曲がっていることも多く、小児期は立っておしっこができないことでお子様に心理的な悪影響を与え、大人になると性交渉が困難であるなどの問題が出てきます。手術により、外尿道口の位置をおちんちんの先端に移し、立っておしっこができて、おちんちんが曲がっていればまっすぐにしてあげる必要があります。手術は1歳前に行いますが幼児期に行う場合もあります。10日間程度の入院が必要になります。

その他

お子様の腎臓の腫瘍(小児ではウィルムス腫瘍が多い)や精巣の腫瘍の治療も行っています。詳しくは、当専門外来にお問い合わせください。

外来表

母子センター外来にて受付。

木曜日:午後14時00分から16時30分
担当:芦塚 修一(小児外科)

 
午前
午後
14:00-16:30