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看護への思いを新たにする式

「看護への思いを新たにする式」は、2年生の臨地実習の前に、学生が専門職意識を高め、自分の思いを新たにするとともに、本学科の学生として看護の心を継承していく式です。

「看護への思いを新たにする式」の意義

本学看護学科では「看護専門職に必要な知識や技能、そして病める人々の心に寄り添える豊かな感性と医療の倫理的・道徳的側面に対処できる資質の高い看護実践者を育てる」ことを教育理念に掲げています。そのため、入学後、初めて患者さんに看護を行う病棟実習が始まる前に、看護学生として実習に臨む心構えと気持ちの準備性を高めることを目的に、平成19年度より「看護への思いを新たにする式」を挙行しています。

この式の本質は、形式だけではなく、学生ひとり一人が入学時の志と1年半の学修の成果を振返り、これから看護への道を歩もうとする自分に向けて「看護とは何か」を問いかけ、改めて決意を表明する機会として位置づけています。「式」を迎えられた2年生は、受持ちの患者さんにケアをさせていただくために必要な「基礎的知識と技術と態度」が修得できていると認められたことを意味します。

式の中で行われる「灯火の継承」は、先輩諸姉から脈々と受け継がれてきた「看護の心」を「ろうそくのともし火」として3年生から2年生へ継承する儀式としています。毎年、先輩から受け継がれる『ろうそくのともし火』には,「人々の健康のために分け隔てなく、清く、そして誠実に、病に苦しむ人々に手を差しのべる看護の心」が伝承されており、看護という職業理念が2年生にも託されることになります。

最後に、現在看護系大学は200校以上ありますが、臨地実習が始まる前にこのような儀式を行っている大学は非常に少なくなってきています。しかし本学は、日本で最初に看護教育を行った歴史を持つ大学であるからこそ、このイニシエーションを継承することに意義があると考えています。そして学生時代に、何らかの形で実習前の儀式経験することは、これからの人生をより良く生きる意味を見出し、個人のアイデンティティにとっても大変重要であると考えています。

「看護への思いを新たにする式」のプログラム

学生が、時間をかけて看護に対する思いを紡いでいくことが出来るように、「看護への思いを新たにする式」は2部構成となっています。

・学生の意思表明

小グループに分かれて、家族や同級生、教員の前で、学生が発表します。学生一人ひとりが、看護に対する気持ちや決意など、現在の自分の思いを伝えます。すこし、恥ずかしくもありますが、自分の思いを言葉にすることで、自分自身に気が付いたり、決意が新たになったりします。

・式典

学科長から式の意義、学長および附属病院看護部長からの祝辞を頂き、看護の心を継承するキャンドルサービスが行われます。先輩である3年生の親火から受け継ぎます。クラス全員で考えた “誓いの言葉“は力強く参席者の心に響き、これからの医療を 受ける人々に安心を与えると思います。その後で、学生の合唱コ-ラスとピアノ演奏が暖かく、さわやかに会場を包み式は終了します。看護学科の先輩・後輩、医学部の学生、そして教職員一同がこの日、2年生の決意に拍手をおくります。

灯火を継承し、自分達で選曲した歌を合唱する学生の表情は、生き生きと輝いています。

誓いの言葉

  • 相手の気持ちに寄り添い、広い視野をもち五感を使って看護を精一杯行います。
  • 倫理的態度で接し、パートナーシップを築く支援ができる看護者になります。
  • 学生として支えてもらうのみの立場から看護者として支える立場にもなる自覚を持ち、患者さんに真摯に向き合います。
  • 感謝の気持ちを忘れず、22期生の仲間と共に学び、協力し合い、成長し続けます。 そして、仲間と培った協調性や向上心、諦めない心をこれからの看護に活かすことを誓います。

平成26年8月30日22期生一同