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戴帽式

9月には2年生を対象に看護師をめざす者の感動的な儀式である戴帽式があります。保護者や友人、学生、教員に祝福されて「看護の道に進むという決意を新たにする機会になります。

平成18年度戴帽式より「戴帽の意義」と「誓いの詞」をご紹介します。

■戴帽の意義
 
 本日、ここに戴帽の儀を迎えられました39名の皆様、思い起こせば1年半前の4月、看護学を学ぼうと入学されました。さて、その思いは、学びを深めるに連れて確かなものになって来ていることでしょうか。
 
 本学科では、平成15年度より、1年次から専門科目を取り入れ、一般教育科目と平行して学べるようにカリキュラムを改定しました。それは、看護を学ぼうとする意思の強い学生の気持ちを大事にし、また、看護を学ぶに当たっていかに様々な分野の知識が必要であるかということを理解しながら学べるという点で、意義深いことと考えております。このカリキュラムでは、看護職の活動の場の一つである病院実習が来週から組まれております。今まで学内で、モデル人形や患者役の学生に実施してきた看護技術を入院されている実際の患者さんに行なわせていただくことになります。そこでは、患者さんの状態をアセスメントし本当に必要とされている援助を見出し、計画的に看護を実践することが求められます。学生である皆さんは学ぶことが目的ではありますが、実習では、自分が学べばよいというわけにはいきません。実習での学びの目的の先には、患者さんが癒され、回復し、たとえ学生とのかかわりであっても何らかの意味を見出してもらえるような関わりをすることにあります。このように申しますと、皆様たちは、まだ今の自分達に何が出来るだろうと、心配になるかもしれません。看護には、学生には学生なりの力で出来ることが必ずあります。そういう自分に出来る看護を感じ取り、先生の指導のもとで、誠実に行なうこと、これが看護の実践者として大事なことであると考えます。
 
 さて、皆様もご存知のように、もう看護師は、ナースキャップを着けておりません。看護婦から看護師へと職業名称も変更になり、今は、もう看護職は男女平等に選択できる職業として確立しました。このような時代に女性の看護師だけがつけるナースキャップは、職業の性差別に繋がりかねません。さらに看護師の職場も病院という医療施設内だけにとどまらなくなり、施設外で働く看護師はナースキャップはおろかも白衣も着ない今日です。そして、キャップを形づくるために硬く固めるノリが細菌繁殖の原因になる、また、ベッドサイドケアではキャップの先端が点滴などのチューブに引っかかって危険であるという問題もあり、今は、ナースキャップを義務付ける病院はなくなってきております。
 
 それでは、このような時代に、なぜ、戴帽式を行なうのか、戴帽式を行っている私達は時代に取り残された人間なのかという疑問が起こってくることでしょう。
 
 戴帽式は単なるナースキャップを頭に戴くということだけではありません。おそらく戴帽生の皆さん全員が本日を迎えるに当たって、看護職者としての将来の夢や希望を新たにされ、何らかの決意をされたか、あるいは、今、ここでされようとしていらっしゃると私は思います。そのことが大きな意味を持ち、自分自身への決意表明となることでしょう。さらには、古き時代から、つまりはナイチンゲールの時代から、脈々と受け継がれた看護職としての職業理念の継承の意味があると思います。人々の健康のために、分け隔てなく、清く、誠実に、健康問題で悩む人々に貢献する看護の心を受け継ぎ、次の時代に伝承する役割を今日ここで皆様にも託されます。
 
 真っ白で清潔な、凛としたナースキャップは、清く、誠実で、初々しい皆様そのものです。この式の後、ナースキャップは、記念品として皆様の手もとで大事に保管されることでしょう。そして、本日のこの感動と誓いは、心の中でいつまでも真新しいナースキャップとして生き続けることと信じております。感動というものは、深く心を揺るがし、よい思い出として記憶に残るものです。これからの長い人生、様々な困難にぶつかることでしょう。その時には、今日のこの日のこの感動と誓いを思い起こし、しっかりとした考えのもとに突き進んで行っていただきたいと思います。  
     
 最後になりますが、ナイチンゲールがナイチンゲール学校の学生に出した手紙の一説を、本日の記念としてご紹介いたします。「どのような訓練を受けたとしても、もし、感じ取ること、自分でものを考えること、この二つが出来なければ、その訓練も無用なものとなってしまうものです」という言葉です。この訓練という言葉を教育という言葉に置き換えると、現代の皆様たちには理解しやすいかもしれません。患者さんが出している小さなサインにも気づき、それをなおざりにすることなく、しっかり踏みとどまって考え、その方の思いに沿った看護が実践できる優れた看護実践者としての第一歩を、本日、今ここから皆様は踏み出しました。

 
 将来、皆様が日本、いいえ、世界の人々の健康の担い手として、ご活躍くださるものと確信し、私の戴帽の意義と致します。








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