■ 葛飾医療センターTOP

特徴的な診療

脳神経内科

新しいパーキンソン症候群の検査法〜DAT SPECT〜

パーキンソン病に認められる動作緩慢、振るえなどの所見をパーキンソニズムと呼びます。パーキンソン病以外の神経変性疾患や薬剤、脳血管障害などでも認めることがあるため、それらの疾患をまとめてパーキンソン症候群と呼び、その鑑別診断は容易ではありません。
従来は、問診、身体所見、頭部MRI、MIBG心筋シンチグラフィー、脳血流シンチグラフィーなどの検査を総合的に判断し診断を付けてきました。
この診断の一助として2014年1月保険収載されたのがDAT SPECTです。当院でも2014年5月から導入し、現在までに2000名ほどの患者様に施行しています。
N-ω-フルオロプロピル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-123I-ヨードフェニル)ノルトロパン(123I-FP-CIT)は、線条体ドパミン性ニューロンのドパミントランスポーターに高い親和性を有します。その集積を画像化したものがDAT SPECTです。パーキンソン病などの神経変性疾患では、黒質線条体ドパミン神経細胞が変性し、その神経終末に存在するドパミントランスポーター密度が低下しているため、123I-FP-CIT集積が低下します。一方、血管性や薬剤性パーキンソン症候群では正常範囲を示します。以上の結果、これらの疾患の鑑別において、DAT SPECTは客観的なデータを与えてくれます。


図1:代表的DAT SPECTの一例

軽度認知障害の診断

 軽度認知障害とは、認知症に至る前段階を指します。アルツハイマー型認知症を例に挙げますと、その典型的な経過はいつとはなしに徐々に物忘れが進行する点が特徴ですが、ご家族に付き添われて外来受診をされる多くの患者さんは、実は認知症としてはかなり進行された方が多いことが問題視されています。また、現在使用できる抗認知症薬は、可能な限り認知症発症早期の段階から使用することで、その効果をより発揮することが指摘されています。こうした背景から私たちは、軽度認知障害の早期鑑別診断法についていち早く取り組んできております。



軽度認知障害患者さん(MMSE 25点)の脳血流画像
後部帯状回、楔前部における集積低下を認める

脳深部刺激療法

脳深部刺激療法(Deep brain stimulation:DBS)とは脳の深部(パーキンソン病では視床下核や淡蒼球)に留置した電極からの電気刺激により、その部位の活動を抑えて、効果を得る治療法です。刺激発生器は通常、胸部の皮下に植込まれます。術後は、体外から設定を変更し、外来通院で最適な効果を設定していきます。薬の副作用が強く出ていたり、薬がすぐに切れるOFF症状、コントロールできない強い振るえなどを認めるパーキンソン病や本態性振戦、ジストニアなどの不随意運動が対象となります。認知症やその他の精神疾患を合併した例や二次性パーキンソン症候群は適応外となります。日本でも、2000年4月に社会保険が適用されました。当科では脳神経外科と協力し、現在のところパーキンソン病に限って手術を行い、2016腎生検年度は8名の患者様に手術を行いました。

パーキンソン病に関する痛みに対する脊髄刺激療法

脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation ; SCS)は背骨と脊髄の間に留置した電極から電気刺激を行うことよって、慢性的な痛みを緩和する事を目的とした植込み型の治療法です。主に神経障害性疼痛と呼ばれる神経が原因で発生している痛みに効果を発揮する事が知られています。腰の手術を行った後に残ってしまった痛みや閉塞性動脈硬化症などによる痛みなど様々な痛みの治療に用いられています。またパーキンソン病に関連する痛みにも効果が報告されています。この治療法はトライアルというお試しを行うことが出来るのが大きな特徴です。トライアルを行い、効果が期待できる方はペースメーカーのような機械を植込みます。当科では脳神経外科と協力してSCSに取り組んでおります。

▲ページのTOPへ

脳神経外科

脳腫瘍

脳腫瘍には、神経膠腫・髄膜腫・下垂体腫瘍や転移性脳腫瘍などの代表的疾患以外にも多くの種類(病理組織診断)が存在します。通常これらの脳腫瘍に対しては、手術を行い必要に応じて放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療が行われます。脳腫瘍の種類・部位・大きさや患者さんの症状・年齢や体調を考慮して、患者さんにとって最善の治療方針を検討し治療します。


神経内視鏡手術

近年の外科手術には、患者さんの身体に負担の少ない手術が次々と導入されています。その一つに内視鏡手術があります。脳神経外科領域においても同様で、一部の疾患に対して従来の開頭手術よりも低侵襲な神経内視鏡手術が行われるようになりました。葛飾医療センター脳神経外科では、水頭症・脳出血・脳室内腫瘍や下垂体腫瘍に対して、日本神経内視鏡技術認定医(1名)が診療を行っています。

特発性正常圧水頭症

高齢化が進み特発性正常圧水頭症の患者さんは増加しています。特発性正常圧水頭症は、歩行が小刻みになり転びやすくなった、トイレに間に合わない、物忘れがすすんだ、という三つの症状に特徴がある病気です。約1週間の検査入院を行い、治療により症状の改善を期待できるかを判定します。その結果をふまえ患者さん、ご家族と相談しながら適切な治療方法をご案内します。平成29年より多施設共同研究に参加する予定です。
詳細に関しては、正常圧水頭症外来(毎週月曜)にお問い合わせください。



深部脳刺激治療、脊髄刺激治療

神経内科との協働のもとパーキンソン病や本態性振戦に対する深部脳刺激治療、また、難治性疼痛に対する脊髄刺激治療など日常生活の改善を目的とした手術治療を積極的に行っています。パーキンソン病、本態性振戦の患者さんは神経内科で病状に関する詳細な評価を行い、神経内科と脳神経外科が協議して手術適応や手術方法を検討しています。
脊髄刺激治療は、腰椎手術後に下肢や腰部の痛みが継続、または再発した患者さん、脊髄腫瘍や脊髄損傷などで手足の酷い痛みが残存している患者さんなどに行っています。試験的に脊髄を刺激して治療効果を体感していただくことができます。
パーキンソン病と本態性振戦の詳細に関しては、深部脳刺激外来(隔週金曜午後)にお問い合わせください。
詳細に関しては、毎週月曜日午前の脳神経外科外来にお問い合わせください。


▲ページのTOPへ

眼 科


加齢黄斑変性の治療

加齢黄斑変性は、さまざまな要因で網膜中心部に位置する黄斑(視力に最も重要な部分)が障害される疾患です。網膜後方の脈絡膜からの新生血管(脈絡膜新生血管)による滲出型加齢黄斑変性は、短期間で恒久的な視力障害が引き起こされるため、早期治療が必要となります。
近年、非侵襲的に黄斑部の断層像を撮像できる光干渉断層計 (OCT)やOCT血管撮像 (OCTA)による評価が、診断のみならず病態把握に必須となっています。脈絡膜新生血管の原因として、眼内の血管内皮成長因子(VEGF)の濃度上昇が大きく関与していることから、抗VEGF薬硝子体注射が治療の中心となっています。再発例や難治例では、抗VEGF薬硝子体注射と光線力学的療法による併用療法が行われることもあります。滲出型加齢黄斑変性の診療では以下の2点が重要と考えられています。
①再発・再燃率が高い疾患であることから、症状が不変であっても定期通院を続けること。
②両眼性が約20-30%に存在することから僚眼(病気のない眼)の視力が良好であっても疾患眼の治療を諦めないこと。
視力低下、ものや線が歪んで見える、視界の中心が暗いなどの症状が進行するようであれば、滲出型加齢黄斑変性が疑われるため眼科受診しましょう。

症状
加齢黄斑変性では、変視症 (ものや線がゆがんで見える)や視力低下・中心暗点 (視野の中心が見にくくなったり暗くなったりする)を訴えることが多く、比較的短期間でその症状は進行します。

検査
1. 視力検査
矯正視力が低下する。しかし脈絡膜新生血管が中心から離れている場合、視力は低下しない場合があります。
2. 眼底検査
黄斑部に眼底出血や浮腫などの滲出性変化が現れます。
3. 光干渉断層計(OCT)検査、OCT血管撮像検査
黄斑部の網膜断層像を非侵襲的に可視化する検査で、滲出性変化や脈絡膜新生血管の存在を捉えることができます。
4. 蛍光眼底造影検査 (フルオレセインおよびインドシアニングリーン)
脈絡膜新生血管の有無・範囲がはっきりし、確定診断に重要です。

抗VEGF薬硝子体注射の治療指針
大きく3つの方法で治療が行われています。
治療法1.
初回治療後、悪化した場合に適宜投与する治療法で、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、OCT検査で滲出性変化が再燃していれば再投与を計画する治療法。
治療法2.
計画的投与(受診毎に投与)法の1つで、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、症状・状態に関わらず2ヵ月毎に1-2年間投与し続ける治療法(維持期治療)。
治療法3.
計画的投与(受診毎に投与)法の1つで、1回/月を3回投与(導入期治療)その後、滲出性変化が存在すれば1回/月を継続、滲出性変化がなければ投与間隔を(6-8週へ)延長する治療法で、延長する最大期間は、2-3ヵ月。 治療法1は、投与回数は計画的投与法より少なくなるが、悪化してから治療までに間隔が空いてしまう(再治療が遅れる)欠点がある。治療法2は、常に再燃しにくい状況をつくるが、不必要な投与を行う可能性がある欠点がある。治療法3は、治療法1と治療法2の欠点を補う方法で最近では多くの施設で取り入れられている治療法である。治療の経過中、抗VEGF薬の治療回数を減らす目的で、PCVと診断されている場合、光線力学的療法との併用療法が行われる場合があります。

図1
偽手術(注射未実施)群と抗VEGF薬治療群における視力の経過 (文献を改編)

図2
OCT血管撮像、矢印が示した白いもやもやが脈絡膜新生血管

図3
抗VEGF薬硝子体注射前後の眼底写真および光干渉断層計の変化 (自験例)


羊膜移植と角膜移植

当院眼科では2019年から羊膜移植と角膜移植を行っています。いずれも保険診療です。
羊膜移植は、赤ちゃんを包む羊膜を手術材料として加工したものを用いる手術です。点眼治療や従来の手術方法で治せないさまざまな角膜疾患や結膜疾患で有用です。よく用いられる疾患は、重症のドライアイや薬剤障害による遷延性上皮欠損や非感染性の角膜潰瘍で、一時的に角膜上皮の被覆として用います。
また、羊膜移植を用いることによって、再発翼状片も術後の瘢痕が少なく、再再発の起こりにくい手術が可能です。他にも、薬品の飛入による化学眼外傷や顔部火傷に伴う角膜熱傷時の角膜びらんにも、羊膜移植は有効です。羊膜組織は品質基準に則ったものが羊膜バンクから斡旋されます。予定手術が可能です。
角膜移植は、水疱性角膜症や角膜瘢痕に対して視力を回復したい場合の、最終的な根治治療です。これらの手術に用いるドナー角膜はある程度の待機期間が必要ですが、手術を希望される場合は、随時待機登録を行っています。
また、角膜混濁や角膜穿孔に対する表層角膜移植では保存ドナー角膜での手術が可能ですので、待機登録は不要で、予定手術が可能です。角膜穿孔では準緊急的に行うことも可能です。ドナー角膜は、品質基準に則ったものが契約アイバンクから斡旋されます。
羊膜移植と角膜移植によって、治療できる角膜・結膜疾患は大幅に増えます。適応かどうか迷われる場合もまずは受診していただければと思います。

▲ページのTOPへ

外 科

乳癌手術に対する乳房再建術

当院では乳癌に対する乳房切除を行う際に、希望があれば形成外科と合同で乳房再建術を行っています。詳細に関しては乳腺専門医師(川瀬、吉井)の外来でお問い合わせください。


局所進行癌に対する術前放射線化学療法

当院では局所進行直腸癌、膵癌に対して、無再発生存率および全生存率アップを期待した、術前放射線化学療法を導入しております。詳細に関しては、直腸癌に関しては大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,小郷,高橋,小寺)の外来で、膵癌に関しては肝胆膵専門医師(薄葉、熊谷、岩瀬)の外来でお問い合わせください。


直腸脱に対する修復術

直腸脱は高齢者、特に女性に多い病気で、社会の高齢化にともない増加しています。直腸が脱出すると活動が制限されるとともに、肛門のしまりが悪くなり、便漏れをきたすことも多くなります。当院では、直腸脱の標準術式としてlaparoscopic ventral rectopexy(腹腔鏡下に腹側の直腸を固定する方法)を用いていますが、 (1)症状の程度、(2)脱出の程度、(3)患者さんの全身状態を考慮し、最終的に術式を決定しています。詳細に関しては、大腸専門医師(小川,石山,今北,橋爪,小郷,高橋,小寺)の外来でお問い合わせください。


膀胱尿管逆流症に対する超低侵襲治療 −膀胱鏡下DefluTM注入療法

膀胱から尿管に尿が逆流し、尿路感染を繰り返すお子さんがいます。以前は膀胱を切開し逆流を防止する目的で尿管と膀胱をつなぎなおす手術が一般的でしたが、近年、膀胱鏡下にDefluxTM(ヒアルロン酸ナトリウムとデキストラノマービーズの二種類の混合物)を尿管口の周りに注入するという、低侵襲な治療法が普及しつつあります。2泊3日での治療で、おなかを切る必要もありません。詳細に関しては、小児外科専門医師(金森)の外来でお問い合わせください。

▲ページのTOPへ

小児科

食物経口負荷試験

食物アレルギーの治療は、正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去が原則です。当科では食物経口負荷試験によって食物アレルギーの確定診断ならびに安全に摂取可能な食品の形態と量の判定を行っています。


腎生検

蛋白尿、血尿などを有する小児に対して、正確な確定診断ならびに適切な治療方針決定のため超音波ガイド下に針腎生検を行っています。


▲ページのTOPへ

腎臓・高血圧内科

腎生検

腎臓病はほとんど無症状のまま透析になってしまう恐ろしい病気です。そうなる前に早めの診断、治療が重要です。
ほとんどの腎臓病では正確な確定診断に腎生検が必要です。
蛋白尿が持続している患者さんで、これまで腎生検を行ったことのない方は、ぜひ一度自分は腎生検の適応がないのか、主治医に御確認ください。
適応がある場合、葛飾区で唯一の腎生検実施病院である当院に紹介状を書いてもらってください。
最近の腎生検は超音波で腎臓を確認しながら15分くらいで安全に実施できます。
当院では毎年100名以上の患者さんが腎生検を受けるため紹介されてきています。
知らない間に進行する腎臓病、手遅れにならないうちに早めの受診をお勧めします。


写真、超音波ガイド下腎生検の実際



腹膜透析(CAPD)

血液透析では心臓に負担となるシャントを作成し、週3回通院して、太い針を2本刺して毎回痛みに耐えなければいけません。
これに対して自宅で施行できる腹膜透析(CAPD)は体に優しい透析方法と言えます。
当院は国内でも有数の腹膜透析(CAPD)実施病院で、20年以上続けている方も含め、80例以上の患者さんがいらっしゃいます。
腹膜透析(CAPD)の場合、良好な治療成績達成には熱心な医師、看護師が不可欠なため、実施可能な病院はごく一部に限られています。
実際の方法は、おなかに入れた柔らかいカテーテルを介して体温まで温めた透析液を一日に1−4回交換します。血液透析と違い痛みがない、透析中も自由に動けると好評です。
まだ尿の出ている腎不全患者さんはぜひ御相談ください。

図、腹膜透析の方法

外来血液濾過透析(on-line HDF)

最新の透析方法を実施しています。
眺望が良く広々とした当院での通院透析を御希望される方はご相談ください。

写真、透析室からの中川、および桜並木の眺望

写真、窓側の透析用ベッドと透析機器

▲ページのTOPへ

リハビリテーション科

上肢および下肢痙縮に対するボツリヌス毒素治療

脳血管障害(脳出血や脳梗塞)の後遺症として、いろいろな麻痺が残ることがあります。麻痺により筋緊張が高くなる(この状態を痙縮と呼びます)と、関節のこわばりや痛み、関節拘縮などが生じ、着替えや整容動作、歩行などの日常生活動作が障害されます。ボツリヌス毒素は、選択的に個々の筋肉の緊張を低下させることができる外来治療で、一度治療すると3か月近く効果が持続します。次のような症状でお困りの方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。

  • 痙縮により関節や筋肉に痛みがある。
  • 着替えがしにくい。(肩が上がらない、脇が開かない、肘が伸びない)
  • 手や指が洗えない。(指が開かない)
  • 歩くと足の指が痛い。(足首が伸びてしまう、足指が曲がってしまう)


高次脳機能障害の評価とリハビリテーション

高次脳機能障害とは、記憶障害、注意障害、遂行機能障害など、頭部外傷や脳血管障害などの脳の損傷に伴って生じる認知機能の障害で、手足の麻痺と違って、周囲からはわかりにくい障害です。歩くこと、身の回り動作をすることは出来るけれど、従来できていた仕事がうまくできない、集中できない、すぐに疲れる、他人とうまくやっていけない、などの症状が脳の損傷後に出現します。これらの障害に対応するためには、まずはどんな認知障害が残っているのかを正確に評価することが必要で、その上で生活再建のお手伝いをしています。

内視鏡部

早期消化管癌の治療 〜内視鏡的粘膜下層剥離術〜

早期の消化管癌の確立された治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: Endoscopic submucosal dissection)があります。この手技は内視鏡を用いて小さなナイフで食道、胃、大腸の早期癌を切除する低侵襲な治療法であり、当院でも積極的に行っております。入院期間も1週間程度であり、術後2日程度で食事が可能です。

図1:胃ESD
図2:大腸ESD

胆膵内視鏡検査、治療

胆道あるいは膵臓の病気を診断・治療するために、口から内視鏡を挿入して行う検査・治療です。使用される内視鏡はカメラが横についている側視鏡や先端に超音波が装着されている特殊な内視鏡等を用いて行います。また胃全摘術後の患者さんに対しては、バルーンが先端に装着された特殊な小腸鏡を用いることもあります。


胆管・膵管の模式図

十二指腸乳頭部

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

胆管と膵管の十二指腸開口部を十二指腸乳頭部といいます。挿入した専用のスコープからカテーテルを出してここに差し込むことで、膵管や胆管に造影剤を注入しレントゲン撮影を行う検査を診断的ERCPといいます。また、胆管炎や総胆管結石、腫瘍などに対して行う治療的ERCPがあります。現在では画像診断の発展により9割が治療的ERCPとなっております。治療的ERCPの主なものとしては、総胆管内の結石を乳頭部から摘出するために、内視鏡下に電気メスで十二指腸の胆汁の出口を切開する内視鏡的乳頭活約筋切開術(EST)と小さい風船で十二指腸乳頭の胆汁の出口を拡張する内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)、総胆管の狭窄や結石により胆汁の排泄が悪くなっている部位に対してプラスチックや金属のステントを挿入する内視鏡的ステント挿入術(EBD)、乳頭部の腫瘍を切除するパピレクトミーなどがあります。


ERC胆管造影

肝門部狭窄症例に対するプラスチックステント挿入

肝門部狭窄症例に対する金属ステント挿入

超音波内視鏡(EUS)

超音波内視鏡はスコープの先端に超音波振動子がついた特殊な内視鏡を口から胃・十二指腸に挿入し、胆嚢、胆管、膵臓を観察する検査です。体外式の超音波検査では観察しにくい部位(特に膵臓)の観察や、病変のより鮮明な画像を得るために行います。鉗子孔から細い針を出して消化管外の病変にアプローチして組織を採取する超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)も行っています。EUS-FNAで組織診断が可能になったことは従来の方法よりも低侵襲かつ簡便な画期的な方法となっています。この手技を利用して膵嚢胞、膵膿瘍などのドレナージ治療も行うことができます。また、難治性疼痛に対して腹腔神経節ブロックを行うことも可能です。


穿刺時

体外衝撃波結石破砕装置ESWL

慢性膵炎の膵石や結石破砕具で割ることができない巨大総胆管結石などに対して、ESWLを消化器内科と連携して行っています。

腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS; Laparoscopic endoscopic cooperative surgery)

胃粘膜下腫瘍に対する外科的手術は時に正確な腫瘍の辺縁を腹腔側から視認することが困難であり、過剰な胃切除によって大きな胃の変形をきたすことがあります。また、腫瘍の場所によっては胃全摘になることもあります。当院では、外科と内視鏡科が協力し、腹腔側からの腹腔鏡手術と管腔側からの内視鏡手術を協調して行うことで、必要最小限の切除にて腫瘍を切除しております

▲ページのTOPへ


りはb