(2)手術チームの決定・教育・研修 |
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9. |
提言2−1 |
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本術式は日本泌尿器科学会及び日本Endourology・ESWL学会が示した「腹腔鏡下前立腺全摘除術を行うにあたっての指針」に基づいて行われるべきである。 |
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【改善状況】 |
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1) |
本術式の助手を務める者は、当施設の「鏡視下手術トレーニングコース」の履修者とし、さらなる安全を担保するようシステムを構築中であります。 |
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2) |
平成16年4月より就任しております附属病院(本院)泌尿器科診療部長(頴川 晋)は、前任地で既に同術式を計157例、術者及び助手として経験しており、また、同学会のライブ手術講習会の術者及び助手を計3回務めており、独力で完遂するための経験・能力を有しております。また、観血的術式としては、過去計400例以上の前立腺癌根治手術を経験しております。 |
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3) |
このように経験豊富な術者による施術及び指導を前提として、十分なインフォームド・コンセントのもと、同術式を慎重に導入いたします。 |
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4) |
施術の際には、さらに安全を担保する目的で他施設での豊富な経験を有する医師の立会い並びに助手として参加を求めることを前提といたします。 |
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10. |
提言2−2 |
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腹腔鏡下手術について、各附属病院の枠を超え、診療科の枠を超えた教育・研修システムを作るべきである。 |
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【改善状況】 |
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われわれ慈恵医大は二度とこのような事件を起こしてはならないとの認識のもとに、平成16年6月、鏡視下外科系医師の育成・評価・認定を行う独自の制度を確立し、一定の知識・技術を身につけた者のみが胸・腹腔鏡下手術に参加できるようにする「鏡視下手術トレーニングコース」を設立いたしました。
本コースは、鏡視下手術の附属4病院における院内資格制度の確立を目的とし、全学的に診療科の枠を超えた教育・研修システムとなります。
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※鏡視下手術トレーニングコース概要
本コースは2種類あり、「preclinicalstep1」は、鏡視下手術全般に対しての総論的な基本知識、技術を学び、併せて各科に共通する鏡視下手術の基本的手技に関わる専用のトレーニング機器による実技試験を行います。また、「preclinicalstep2」では、実際の手術に即した各論的知識、技術を学ぶためのコースであり、対象者は「preclinicalstep1」を修了した医師で、各科特有の鏡視下手術手技の向上に向けた講義やミニ豚を利用したトレーニングや実技試験を予定しております。
preclinicalstep1を経て手術助手となり、各科の定める助手の経験とpreclinicalstep2に定められた過程にて認定されると術者になります。この認定は、学会での認定以上に厳しいものを考えております。
なお、これらのコースでは筆記及び実技試験を実施し、認定証を発行することにしております。 |
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11. |
提言2−3 |
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インシデントレポート、アクシデントレポートなどを充実させ、事故につながりやすい要因を迅速に把握し、対策を立てるなど医療事故の予防対策を充実させる必要がある。 |
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【改善状況】 |
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附属4病院では、平成16年4月より、インシデントレポートとアクシデントレポートの様式(東京都への情報提供に沿った内容)を分けて運用しております。医療安全管理室では、内容を分析した上でデータ入力を行い、事例によっては、直ちに緊急リスクマネジメント会議を召集し、関係者とともに事実を調査し対応を図っております。
また、事故につながりやすい事例が発生した場合や予防対策につきましては、その都度各病院に連絡し情報の共有化に努めております。なお、平成16年4月までに青戸病院、 第三病院、柏病院に医療安全管理室を設置し、迅速な対応と予防策を講じることができる体制を整えました。
なお、青戸病院では、手術後(全症例)に「手術記録」を記載することを術者、麻酔医、看護師に義務付け、提出させております。手術患者の転帰に関して、手術時間や出血量などを調査しております。医療安全管理室長が死亡退院症例をチェックしております。
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