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青戸病院医療事故報告


「事故の再発防止に向けた改善策の提言」24項目に対する改善状況
                                      (平成16年12月現在)

(4)止血が長引いた場合の救命措置
  14. 提言4−1
    腹腔鏡下での手術操作が長引き、止血が不十分で、血中Hb値の低下がみられるなど状態の悪化が予測される場合は、患者の安全を第1に考え、麻酔医がリーダーシップを取り、手術チーム全員に対して警告すべきである。そして、止血がしやすい開腹術への移行を促すとともに、早期に十分な輸血用血液を確保するべきである。 
    【改善状況】
     

 「東京慈恵会医科大学附属病院安全管理指針」に医療事故発生時の対応として、「患者様の救命と被害の拡大防止に全力を尽くす」と明記しております。また、「手術に関わる安全管理規程」における第4条「医療従事者の責務」では、手術に関係する全ての教職員は、手術の安全性について自由に発言する権利を有し、疑問を感じた際は、直ちに管理責任者(第一順位:手術部診療部長、第二順位:麻酔部診療部長)に連絡しなければならない」と規定しております。このように、全学的に管理責任者の権限と順位を明確にし、周知徹底いたしました。(平成16年4月)
 附属4病院において、術者は緊急事態が発生した際は、直ちに患者様の安全確保に全力を注ぎ、担当診療部(科)診療部長並びに手術部コントロールセンターに通報し、一時的に麻酔部診療部長が手術継続の判断を行い、術者はこれに従うよう改めました。その後、管理責任者は担当診療部(科)の診療部長と協議のうえ、手術続行の可否、術者の変更を決定することになります。(平成16年4月)
  また、青戸病院では、輸血オーダーから実施までの連携を強化することを目的として、従来は輸血在庫分全てを使用した場合は、医師のオーダーに基づいて発注しておりましたが、不測の事態に備えて、常に一定量の在庫を確保するように改めました。 

       

*青戸病院 血液在庫量
 ・A,B,O型 濃厚赤血球(MAP)・・・それぞれ3パック6単位
 ・AB型濃厚赤血球(MAP)・・・2パック4単位       (平成15年11月)

  15. 提言4−2
    院内の輸血供給体制を見直し、手術室との連携を強化するとともに、迅速な輸血用血液の供給システムを整えるべきである。
    【改善状況】
     

輸血に関する安全管理対策について、本学の輸血管理は、附属4病院共通の輸血療法委員会及び各病院の輸血部委員会により、適正な輸血医療が実施されるよう監督・指導されており、それぞれの病院が問題点を共有し、共通の管理体制で運用されることを目標に検討・改善を行っておりました。
  しかし、青戸病院医療事故を契機に各病院の管理体制を再点検した結果、一部に管理体制の不具合や不徹底があり、下記の通り検討・改善を行いました。

      1)

附属4病院に輸血部を設置し、輸血部診療部長を任命いたしました。(平成16年4月)

      2)

附属4病院の緊急時バックアップ体制を構築いたしました。(平成16年4月)   

        知識のバックアップ:

輸血認定医及び各施設の輸血責任医の連携と電話相談、認定輸血検査技師の連絡網を整備いたしました。

        技術のバックアップ:

9名の認定輸血検査技師の協力体制を構築し、緊急時に施設を超えたバックアップを行います。

      3) 「血液製剤の使用指針」及び「輸血療法の実施に関する指針」(厚生省医薬安全局長通知、医薬発第715号:平成11年6月10日)に則り、附属4病院における緊急時及び夜間における、「緊急(赤血球)輸血の取り決め」、「O型血液の使用に関する取り決め」を再確認し、周知徹底いたしました。(平成16年2月)
      4)

各病院の条件にあった必要とする備蓄量を再点検し、周知徹底いたしました。
(平成16年4月)
  特に青戸病院では、輸血オーダーから実施までの連携(連絡)を強化するとともに、不測の事態に備えて、常に一定量の在庫を確保するように改めました。
(平成15年11月)

       なお、今後は次の項目を附属4病院共通システムとして構築し、安全対策を講じる予定
です。
      1)

附属4病院の自己血採血、管理体制の構築
自己血輸血体制を標準化し、安全管理体制を整えます。

      2)

附属病院(本院)に準じた輸血管理体制の構築
検査の標準化と精度の向上、監査機能の充実、血漿分画製剤の管理、認定医・認定検査技師を育成いたします。

      3)

安全管理システムの導入
輸血後の感染症管理、副作用報告システムを整備いたします。

      4)

第三者評価の導入
安全を保証する体制の構築として、日本輸血学会のI&A(点検・認証)等のプログラムを導入いたします。

 

 

手術の準備段階手術チームの決定・教育・研修腹腔鏡手術の実施
止血が長引いた場合の救命措置緊急時の院内支援体制の整備
説明と同意の手続き事故後の危機管理体制の整備




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