輸血・細胞治療部
診療部長:田崎哲典
診療スタッフ | |
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診療部長 | 田崎 哲典 |
診療副部長 | 加藤 陽子 |
医師数 | 常勤2名、非常勤2名 |
診療内容・専門分野
特色
輸血管理
今日、日本赤十字血液センターより供給される輸血用血液は極めて安全なものになっておりますが、人体の一部である血液から製造されておりますので一定のリスクを伴います。また、その全てが善意の献血によりまかなわれております。したがって貴重な血液を有効かつ安全に使用することは医療従事者の責務です。当院では、日本輸血・細胞治療学会認定医2名、認定輸血検査技師6名を含む臨床検査技師11名が24時間体制で管理を行っております。
また、全日(9:00〜17:00)において、院外からの輸血に関する電話相談(副作用対策、血液型検査結果の解釈、輸血用血液の選択など)を輸血部で受けております。夜間緊急時にも輸血当直技師を介して対応しております。
適正輸血
平成5年より他施設に先駆けて、輸血時のインフォームド・コンセントを実施してまいりました。貴重な献血血液を有効に利用するとともに、輸血の安全を保証するために、輸血療法の監査指導を継続して行い、適正輸血に心がけております。
平成19年より適正輸血の実施を条件に認められる輸血管理料Iを、平成24年からは輸血適正使用加算を取得しております。
自己血輸血
専用採血室で専従の学会認定・自己血輸血責任医師のもと、医師及び学会認定・自己血輸血看護師が、術前自己血貯血を行っております。平成28年より、貯血式自己血輸血管理体制加算を取得しております。
*なお、当院では、輸血全体の安全を考慮し、原則として血液感染症患者さんの自己血貯血は行っておりません。しかし、日赤より供給困難な特殊な血液型や、不規則抗体保有者に対しては、安全対策を十分に講じた上で、自己血採血および保管を行っています。
自己血輸血とは
最も理想的な輸血療法といわれるのが自己血輸血です。予定手術に備え、予め自分の血液を採取・保管し、手術中にそれを使用することで、同種血(献血血液)の副作用を回避するのが目的です。重要なことは安全を最優先し、適応基準に沿って行うことです。また、当院では幼若小児に対する自己血輸血を平成元年より取り組み、独自に考案した小児用自己血採血システムを使用することで、2歳未満の乳幼児に対しても自己血輸血で手術可能なことを報告してまいりました。 患者さんが子どもの場合は年齢に応じて理解が得られるよう平易に説明し、また採血の際は小児科看護師の協力を得ながら、安全で丁寧な自己血貯血を行っております。その結果、平成10年4月より6歳未満の自己血輸血が健保適応となり、広く実施されるようになりました。
自己血申し込み時間 | (月〜金) 9:30〜12:00、13:30〜15:30 |
自己血採血時間 | (月〜金) 10:00〜12:00、13:30〜16:00 |
採血担当者
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
午前 | 加藤 | 田崎 | 田崎(1,3) | 加藤 | 田崎 |
田崎 | 加藤(1,3) | 加藤 | 加藤 | 田崎 | |
午後 | 加藤 | 加藤 | 田崎(1,3) | 加藤 | 田崎 |
田崎 | 田崎 | 加藤(2,4) | 加藤 | 田崎 |
術前自己血貯血の適応患者
- 全身状態が良好で、緊急を要しない待機的手術の場合で、術中出血量が循環血液量の20%(成人では約800ml)以上と予測され、輸血が必要と考えられる場合。
- 患者さん(子供の場合ご両親)が自己血の利点及び欠点を理解し、協力できる場合。
- 採血基準(自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル)*
- 年齢:基本的に制限を設けない(6歳未満、70歳以上は慎重に対応)
- 体重:基本的に制限を設けない(50kg以下では、400mL×体重/50を参考にする)
- 血算:Hb 11.0g/dl以上、Ht 33%以上
- 血圧:最高血圧 90-170mmHg
- 全身状態良好
*一般的採血基準に合致しない場合に関しては輸血部医師と担当科医師とで協議して適応を決定致します。貯血を行う場合は、年齢、体重、血管の状態などを考慮し、採血方法等を調整し、慎重に実施致します。
採血間隔は原則として1週間に1回で、手術予定日の3日以内は行いません。
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適応外 #
- 感染を示唆する所見がある場合(発熱、下痢、抜歯後72時間以内、治療を要する皮膚疾患など)
- 不安定狭心症患者
- 高度の大動脈弁狭窄症患者
- NYHA W度の患者
# 当院では、輸血全体の安全を考慮し、原則として血液感染症患者さんの自己血貯血は行っておりません。しかし、日赤より供給困難な特殊な血液型や、不規則抗体保有者に対しては、安全対策を十分に講じた上で、自己血採血および保管を行っております。
末梢血幹細胞採取・保管管理 $
当院では1989年3月より自家末梢血幹細胞採取、保管管理を開始しました。1997年には血縁ドナーからの採取も行っております。2010年10月、日本骨髄バンクが非血縁者間梢血幹細胞移植を導入したことより、当院でもその採取・移植施設となるべく整備し、2011年5月に認定を受けました。移植に必要な幹細胞(CD34陽性細胞)の評価はフローサイトメーターという機器を用い、採取後3時間程度で行い、担当医に提供しております。当部は造血幹細胞の採取、保管管理に重要な役割を担っております。
樹状細胞療法等の細胞治療の臨床研究支援 $
2013年より脳腫瘍患者さんの治療として、樹状細胞療法のための単核球採取を、細胞分離採取装置を用い体外循環下で行っております。
$ 末梢血幹細胞や単核球の採取はアフェレーシスという体外循環下で行われますが、患者さんの安全が最優先であることは言うまでもありません。当部では認定医とともに、学会認定・アフェレーシスナース、認定輸血検査技師がこれらの支援を、ガイドラインに沿って、慎重にかつ適切に行っております。