■ 葛飾医療センターTOP

実施している主な低侵襲手術


整形外科TOPに戻る

BKP(Balloon Kyphoplasty):経皮的椎体形成術

骨粗鬆症などによって背骨が押しつぶされるように変形してしまう椎体骨折は、装具治療や薬物療法で治療することが多いのですが、痛みが続く場合などにはBKPが適応となります。
この手術は専門のトレーニングを受けた医師が行う手技であり、約5mmの傷2つから細い針を骨折した椎体に挿入し、風船を膨らませ空間を作製した後に、セメントを注入して骨折部を安定化します。ほぼ出血の無い低侵襲な手術であり、術後即時の痛み軽減効果が得られることが特徴です。
骨粗鬆症に伴う椎体骨折以外に、転移性脊椎腫瘍による椎体骨折も適応となります。

低侵襲腰椎後方椎体間固定術(MIS−TLIF)

不安定性のある腰部脊柱管狭窄症に適応されます。対側の筋肉を温存しながら直接神経の圧迫を解除し、変性した椎間板を取り除いて自家骨とケージを挿入します。
その後にわれわれが考案した経皮的椎弓根スクリュー(PPS)専用プローブ/Jプローブ (田中医科器械製作所)を用いてPPSとロッドを経皮的に挿入し、インプラントを体内で組み立てます。
大きく展開する従来法より、身体へのダメージや手術時間、出血量が少なくて済むのが特徴で、早期リハビリテーションや入院期間の短縮が可能となります。

椎間板内酵素注入療法(化学的髄核溶解術)

保存治療が奏功しない腰椎椎間板ヘルニアの治療は、手術治療が選択されます(内視鏡など)。
当院でも多くは手術治療を行ってきましたが、最近では、椎間板の中にヘルニアの原因となる髄核を溶解する薬剤(コンドリアーゼ、製品名:ヘルニコア®)を注入する治療も積極的に行っております。
本治療は局所麻酔で行うことが可能であり、手術治療より低侵襲な治療が可能となります。
*尚、本治療は2018年より承認されたものであり、椎間板ヘルニアの種類によっては適応のないものもあります。ご希望される際には外来担当医へご相談ください。

TSCP (Trans-Sacral Canal Plasty) :経仙骨的脊柱管形成術

硬膜外腔癒着剥離術の一つであるTSCP (Trans-Sacral Canal Plasty) は、専用のカテーテルを使用した新たな低侵襲脊柱管内治療です。この手術は2018年4月から硬膜外腔癒着剥離術として保険適用となりました。
局所麻酔ののちに2.65㎜径の硬膜外腔アクセスカテーテルを用いて神経根や硬膜管周囲の癒着を剥離します。腰部脊柱管狭窄症をはじめとするほぼすべての腰椎変性疾患に対して適応があり、ブロック療法と通常手術の中間に位置する治療方法です。
手術歴の有無にかかわらず有効で、低侵襲脊椎手術を希望される患者様や内科的合併症によって全身麻酔下手術が困難な患者様には特に良い適応となります。

硬膜外腔アクセスカテーテルを用いた硬膜外腔癒着剥離の様子