大学トップ > 大学院 > 医学研究科・研究対応部門 > 生化学・分子機能学 前に戻る 教　授 ： 松藤 千弥 講　師 ： 村井 法之 小黒 明広 　当研究室ではアンチザイム（AZ）というポリアミン調節タンパク質の分子機能に焦点を当て、ポリアミンSTAFFの調節系の機構と生物学的意義の解明を目的として研究を推進している。AZ は生体分子ポリアミンによって発現誘導され、細胞内ポリアミンを負に制御する。AZ の発現誘導は翻訳時のリボソーム・フレームシフトによってなされる。発現したAZ はポリアミン合成の律速酵素であるオルニチン脱炭酸酵素（ODC）に結合し、プロテアソームによる分解の信号になる。これらはいずれも他の調節系にはみられない特性である。ポリアミンは細胞増殖に必須の因子であり、個体発生や発がんに深く関わっている。当研究室で作製した主要AZ 分子種であるAZ1 のノックアウトマウスには、臓器形成異常や発がん増加等の顕著な表現型が観察された。第2 のAZ 分子種AZ2 と、AZ の阻害タンパク質であるアンチザイム・インヒビターのノックアウトマウスの解析も進行中である。また、細胞内の各種ポリアミンの作用解析を網羅的に行うため、微細なポリアミン構造を識別して特異的に結合するRNA アプタマーの作製を試みている。大学院コースでは、以下のような特定のテーマの一つを選定し、実際に研究に参加しながら学習目標の達成をめざす。 AZ1 およびAZ2 遺伝子ノックアウトマウスにおける個体発生異常の機構解明 発がんモデルマウスとの交配実験によるAZ のがん抑制作用の検討 AZ1 とAZ2 それぞれに特異的な分子機能の解析 AZ の翻訳フレームシフト機構の解明 アンチザイム・インヒビター遺伝子ノックアウトマウスの解析 各種ポリアミンに対するRNA アプタマーを用いた細胞内ポリアミンの作用解析 科学的真理を探求することの意義、責任および面白さを知る。 実験科学に必要な論理性と洞察力を身につける。 自分の力で研究を進めていくための技能を身につける。 討論、研究発表、論文発表により、自分の研究に関する情報発信を行うことができる。 研究指導者としての能力を養う。