東京慈恵会医科大学
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学長からのメッセージ

最善で最適の医療を支える医学研究の振興

学長 栗原 敏 大学院医学研究科は医学研究を推進して医学・医療の開拓を目指しています。現在、大学院の教育内容の充実が強く求められています。本学は平成19年度から大学院の制度などを一新しました。本学大学院の基本理念は2つあります。まず第1は最適の医療を提供するための臨床医学を支える研究者の育成です。これはイギリス医学を手本としている建学の精神をふまえて、臨床医学の質をさらに向上させることにつながります。第2は将来を担う医師の育成に携わる優れた指導者の養成です。医学の内容が多様化し高度化するなかで人間中心の医学を実践できる医師の育成は大きな課題です。大学院生は在学中に自立して研究が行える能力とともに医師を育成する指導力を涵養します。

  本学の創設者、高木兼寛は病める人を全人的に診る英国医学を学び、日本においても全人的医療を実践できる質の高い医療人を育成するために、1881年、本学の前身、成医会講習所を開設しました。高木兼寛は当時、国民病と言われていた脚気の原因が、細菌感染によるものではなく、栄養の欠陥にあることを疫学的手法を用いて科学的に証明しました。それが、後のビタミンBlの発見につながったのです。このように高木は病める人のための臨床疫学研究にも大きな貢献をしました。

  本学では、質の高い医療を支える基礎的、あるいは臨床的研究を振興しています。研究を行いその成果を医療に還元することは医科大学の重要な使命です。将来、研究者をめざす人だけでなく、医療を実践する医師にとっても、ある時期、研究を体験することは、論理的思考力を涵養する上で重要です。大学院は質の高い医療を支える医学研究を実践し、研究的態度を身に付ける重要な課程です。本学の大学院は、研究をとおして人類の健康と福祉に貢献できる人の育成を目指しています。

  本学では平成19年度から大学院を改組し、その目標を明確にしました。それぞれの授業科目や細目は、臨床医学との関係を考えて設けられています。学位申請にはThesisを提出するように改めました。学位論文審査方法も改善され、公開審査会が開催されるようになりました。

  大学院の研究は、各講座や総合医科学研究センターを利用して行われます。伝統的な研究とともに、先端的、学際的研究が行なわれています。また、高木兼寛が開祖といわれている臨床研究の振興も目指しています。これらの研究の多くは、平成14年3月に竣工した新たな教育研究の拠点である大学1号館を中心に行なわれます。この最新の設備を整えた施設を十分に活用して欲しいと願っています。また、学外の多くの大学や研究所などに派遣されて研究している大学院生もいます。研究の道は多様です。指導教員とよく相談して最善の道を選んでください。

  研究を推進するためには若い諸君の情熱とエネルギーが必要です。大学卒業後の一時期を研究に没頭して過ごすことは貴重な体験です。そこには新たな真実を発見する魅力的な世界があります。本学は意欲ある大学院生を求めています。

学長 栗原 敏

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