脳血管内治療(あるいは手術)とは鼠頸部の動脈より超極細のカテーテル(管)を頭の中の血管まで挿入し、レントゲン透視下に血管内部から脳血管障害(脳卒中)やある種の脳腫瘍、脊椎疾患を治療する新しい治療法です。従来の開頭法による手術では治療困難であったさまざまな疾患が、この新しい方法によって治療可能となってきました。慈恵医大脳血管内治療センターでは脳卒中を中心に最先端の治療技術、医療機器を用いて診療に当たっています。当院を訪れる患者さまで特に多いのはくも膜下出血の原因となる脳長脈流と診断された方で、破れる前に脳ドックなどで発見された未破裂脳動脈瘤の患者さまは診療開始後2年間で300例以上です。治療方針の決定には、動脈瘤の形状、大きさ、家族暦などさまざまな要素を十分に検討し、慎重に決定するよう心がけております。
また、治療は検査室で行うのが一般的でしたが、当院ではより安全な手術を行うために、世界でも始めて脳血管内治療と開頭手術どちらにも対応できる最新鋭の脳血管撮影装置を手術室に設置し、治療を行っています。詳しくは脳血管内治療部外来へお問い合わせください。
■脳血管内治療の 対象となる主な疾患
1.出血性疾患
脳動脈瘤(破裂、未破裂)、脳動静脈奇形、硬膜動静脈奇形、脊髄動静脈奇形に対する塞栓術
2.虚血性疾患
超急性期の脳梗塞に対する血管溶解療法、頚動脈及び頭蓋内狭窄症に対する塞栓術
3.その他
脳腫瘍塞栓術 脳腫瘍選択的化学療法など |