現在の固形がん(血液がん以外のがん)の治療の主体は、外科療法、放射線療法、薬物療法の3つであり、さらに、より広範な臨床・基礎部門の力をも結集して、統合的・計画的ながん治療(集学的治療と呼ばれます)を行うことを目的として臨床腫瘍部は設立され、現在は腫瘍内科医を中心とした薬物療法、おもにがん化学療法を担当しています。昨今、わが国のがん医療では腫瘍内科医と放射線治療医の不足が問題となっていますが、臨床腫瘍部は当院の各臓器別の腫瘍診療グループに腫瘍内科医として参画し、現在乳がん、食道がん、胃がん、肺がん等のグループに腫瘍内科医が参加して、集学的治療が行なわれています。またがんの治療では、がんそのものに対する抗がん療法と、がんや治療によって起こる症状の緩和を図る緩和医療の両者が不可欠ですので、緩和医療医も臨床腫瘍部のスタッフに含まれています。 |