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慈恵大学病院だより すこやかインフォメーション 〜大切なご家族のために〜

掲載記事 : No.4 Spring 2005

特集
 がんチーム医療のご案内
  シリーズ企画 慈恵看護婦教育所の設立とその経緯
  お菓子教室始まりました。
  健康コラム
 心のかぜ

シリーズ企画 慈恵看護婦教育所の設立とその経緯
慈恵看護専門学校
教育主事 興梠 清美

リード女子 わが国における最初の看護婦教育機関である有志共立病院看護婦教育所(現在の慈恵看護専門学校)は慈恵に設立されました。慈恵大学の学祖高木兼寛はイギリスのセントトーマス病院に留学し、医師と共に働く教育を受けた看護婦とナイチンゲールが運営する看護学校を見たのです。帰国後明治15年施療病院を設立しましたが、病院には教育を受けた看護婦がおらずその必要性を感じていました。資金不足のため教育を開始できずにいましたが、時の大臣婦人井上武子、大山捨松らで組織されている婦人慈善会が資金を集めこれを基本金として明治18年(1885年)春、看護婦教育所が設立されました。ナイチンゲール看護婦学校を範とし、アメリカの宣教看護婦M.E.リード氏を招いて教育が開始されました。開設当初より知識・技術・礼儀作法と共に病人の身になって看護が出来ることを目指していました。慈恵看護専門学校玄関前には「看護婦教育所発祥の地」という碑が立っています。
看護婦教育所 第1,2会卒業生看護碑
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お菓子教室始まりました。
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健康コラム 心のカゼ

「精神分裂病」という病名が「統合失調症」と名前を換え、偏見を一掃している風潮の中で、「うつ病」も「心の風邪」と言われるようになりました。誰もが患う感冒のようにめずらしい病気ではありません。症状として物悲しい、さびしい、空虚感などの抑うつ気分を中心に、何もする気が起きず、興味がもてない、生気を失い、食欲低下、不眠、性欲などが低下します。(特殊場合は、過食、過眠が見られる)。マイナス思考になり自信を失い、自分を責め、将来を悲観的に考えて、不幸なことに自殺までに至ることもあります。これらの症状は夕方より朝方に悪くなるといった特徴をもっています。治療によって改善し、現状復帰することができますが、油断すると繰り返してしまうことも多いのです。大したことのない風邪もこじらせて肺炎になってしまうのと同じように、うつ病もこじらせてしまわないように早めに専門の外来に受診することをお勧めいたします。

精神神経科 診療部長 中山和彦