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慈恵大学病院だより すこやかインフォメーション 〜大切なご家族のために〜

掲載記事 : No.13 Autumn 2007

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  歴史シリーズ 《昭和36年の東京慈恵医院医学校》
  歴史シリーズ 《看病の心得》
  医療安全推進週間のお知らせ
  健康コラム
 ・冬場に多いノロウィルス食中毒の予防

●歴史シリーズ● 昭和36年の東京慈恵医院医学校

 明治36 (1903) 年6月に東京慈恵医院医学校は医学専門学校に昇格しました。規則を守り、規律を重んずる精神を養い、紳士の品位を身につけるため、生徒は常にきちんとした服装で登校すべきであるとし、高木校長はしばしばこの校門で学生の服装点検を行いました。
東京慈恵医院医学校
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●歴史シリーズ● 看病の心得

看護師による婦人向け「看病書」のルーツ

 「看病の心得」は「婦人の家庭教育においても必ず修めおくべき事」として明治29年5月に看護師が書き、出版された「一般の婦人に向けての看病書」です。当時の書評に「医師を迎ふるに幾多の時間を要する場合などには此書其急に応ずべし。暑気に向ひ何処にも病人の多き時なれば大方の諸姉一本を購ふて座右に置かば最も可也.・・」と評されていました。 著者平野鐙は東京慈恵医院看護婦教育所(現慈恵看護専門学校)七回生(明治24年卒)です。平野が学んだ看護婦教育所は明治18年に日本で最初に創設された看護婦教育機関です。開設当初より学祖高木兼寛のイギリス留学の影響をうけフローレンス・ナイチンゲールの看護婦教育を導入していました。「看病の心得」の内容はナイチンゲールのNotes on Nursing「看護覚え書」と類似が多くみられます。「日本の風土」と「日本人の国民性」と「看護の心」を踏まえた現代にも通じる名著です。
慈恵看護専門学校 副校長 蝦名總子
看病の心得
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医療安全推進週間のお知らせ

 慈恵大学では、平成16年度より全学を挙げての医療安全推進の取り組みとして医療安全推進週間を設け、医療安全の推進に取り組んでいます。
今年度も、11月5日(月)から17日(土)にかけて、医療安全推進のシンボル「みどりのリボン」を全ての教職員、学生、委託職員が着用するとともに、リスクマネジメントシンポジウムなどの医療安全推進活動を実施してまいります。
医療安全『イアン君』 平成18年度 ポスターの部最優秀作品
医療安全推進のシンボルマーク「みどりのリボン」
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健康コラム 冬場に多いノロウィルス食中毒の予防

栄養部 係長 大川武
 冬場に多いノロウイルス食中毒の予防ノロウイルス食中毒は年間を通じて発生しますが、特に気温の低下する冬場(11月から3月)に多く発生します。
 ノロウイルスの感染はほとんどが経口感染(口から体内に入ること)で、1)ノロウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を、生あるいは十分な加熱をしないで食べた場合、2)料理を担当する者が汚染されていて、その手を介して汚染された食品を食べた場合、3)ノロウイルス感染者のふん便やおう吐物から二次感染した場合、4)汚染された場所では、空気中に乾燥したノロウイルスがただよっている場合があり、それが口に入って空気感染した場合などが食中毒の原因としてあげられます。
 症状は1〜2日の潜伏期間の後、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱等が現れますが、通常これらの症状は1〜2日続いた後治癒します。症状は短期間で治まりますが、その後、1週間位は便にウイルスが排泄され、家庭内に汚染した者がいると二次感染を引き起こすことがあります。
 予防方法は調理前、トイレの後はしっかり手を洗いましょう(特にノロウイルス食中毒が多発する冬場は、水が冷たく、手洗いがおろそかになりがちです)。食中毒にかかった方のふん便や吐物にウイルスが含まれているため、処理の際には手袋やマスクを着用しましょう。また、二枚貝の生食はできるだけ避け、中心部まで十分に加熱してから食べましょう。