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慈恵大学病院だより すこやかインフォメーション 〜大切なご家族のために〜

掲載記事 : No.18 Winter 2009

特集
糖尿病・代謝・内分泌内科
持続血糖モニターを利用した糖尿病治療
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特集 精神神経科外来(Psychiatry)

持続血糖モニターを利用した糖尿病治療
 糖尿病の治療目標は、よりよい血糖コントロールを達成して、合併症を発症させない、もしくは合併症が発症したとしても進行させないことです。
 過去数ヶ月の血糖変動コントロールを表す指標は、日常診療や健康診断等でもよく使われるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。しかし、HbA1cが示すのはあくまでも血糖の平均値であり、糖尿病患者さんでみられるダイナミックな血糖の変動を必ずしも反映しないことも事実です。

 それでは、血糖変動をみるためには何が良いのでしょうか。世界中で最も普及しているのは簡易血糖測定器を用いた血糖自己測定(SMBG)です。しかし、SMBGを1日に数回行っても、日々の血糖変動が激しい方では、SMBGの値から1日の血糖変動の全容を捉えることが難しいのです(図1)。この問題を解決するために、血糖値を24時間連続して測定することができる持続血糖モニターが開発されました。
特集 精神神経科外来(Psychiatry)

 持続血糖モニター機器(写真1)は欧米で開発され、臨床の場で実際に使用されています。この機器は、皮下に挿入した細いセンサーを用いて、血糖値を1〜5分ごとに連続測定するものです。現在、残念ながら本機器は日本で正式に販売されていませんが、慈恵医大病院では、厚生労働大臣に申請した上で、個人輸入して使用しています。
使用にあたりましては、主治医が持続血糖モニター施行を必要と判断し、同意を頂いた上で入院された方に行っています(現時点では研究目的としての使用ですので無料ですが、将来的には有料になる可能性があります)。この機器は、次世代の糖尿病治療を示唆するような情報を与えてくれます。
●(写真1)持続血糖モニター機器

●(写真2)外来受付
(糖尿病・代謝・内分泌内科 診療医長 西村理明)