複数の病気を抱える患者の「治療負担」を可視化する⽇本版尺度を開発〜治療の⼤変さを定量化、診療や研究での活⽤に期待〜
東京慈恵会医科⼤学 総合医科学研究センター 臨床疫学研究部の⻘⽊拓也准教授らの研究グループは、英国ブリストル⼤学、鉄蕉会 ⻲⽥ファミリークリニック館⼭、筑波⼤学、南砺市⺠病院と共同で、⽇本初となる「治療負担」を測定する尺度 Multimorbidity Treatment Burden Questionnaire (MTBQ)⽇本版を開発しました。
MTBQ ⽇本版は、多疾患併存(複数の慢性疾患を抱える状態)の患者が⽇常的に感じる「治療の⼤変さ(治療負担)」多剤服⽤、複数の医療機関への受診、経済的負担などを数値化するために、海外の既存指標をもとに⽇本向けに調整して開発した尺度です。これにより、患者⼀⼈ひとりの負担の⼤きさを把握し、それぞれに適した⽀援のあり⽅を検討できるようになります。今後は、臨床現場での活⽤に加え、研究や地域における健康づくりの場⾯でも広く活⽤されることが期待されます。
本研究の成果は、2025 年 7 ⽉ 18 ⽇付で Scientific Reports 誌に掲載されました。