RyR1のCa2+誘発性Ca2+遊離は骨格筋の生理的な収縮に寄与しないことを証明~半世紀にわたる論争に終止符~
東京慈恵会医科大学の基盤研究施設・SI医学応用研究センター 山澤徳志子 教授、分子生理学講座 谷端淳 講師、医学科4年生 三木 祥史と順天堂大学医学部薬理学講座の小林琢也 助教、國廣(呉林)なごみ 客員准教授、小西眞人 客員教授、村山尚 先任准教授らの研究グループは、国立精神・神経医療研究センターとの共同研究により、1型リアノジン受容体(RyR1)の開口メカニズムの一つであるCa2+誘発性Ca2+遊離(CICR)が、骨格筋の生理的な筋収縮には寄与しないことを明らかにしました。
本研究では、CICRを選択的に抑制したモデルマウスを用いて、生理的な筋収縮が野生型マウスと同等であることを示しました。この成果は、骨格筋収縮におけるCICRの意義をめぐって半世紀にわたり続いてきた論争に終止符を打つものです。本研究成果は、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)誌のオンライン版に2025年8月21日付で掲載されました。