プレスリリース

流れに耐え、ちぎれて広がる ―定着と拡散を両立する腸管出血性大腸菌の生存戦略を解明―

 東京慈恵会医科大学総合医科学研究センターの岩瀬忠行教授、国立感染症研究所細菌第一部の小髙優人協力研究員(東京都立大学大学院理学研究科生命科学専攻博士後期課程学生)、伊豫田淳室長、電気通信大学大学院情報理工学研究科基盤理工学専攻博士後期課程の上村直輝氏、同専攻中根大介准教授らの共同研究チームは一部の非定型な腸管出血性大腸菌が示す鎖状接着表現型が、流れに応答した効率的な定着、拡散戦略であることを明らかにしました。

 腸管出血性大腸菌は世界中で深刻な食中毒を引き起こす細菌です。近年、臨床分離株として非定型な腸管出血性大腸菌の分離が世界的に急増しており、その感染メカニズムの解明が進められています。本研究では鎖状接着表現型と呼ばれる、菌体が鎖状に連なりながら宿主細胞へ接着する表現型に着目し、その意義や遺伝子の機能解析を行いました。その結果、鎖状接着表現型は流れの中でも定着を維持しながら自身のクローンを下流へと効率的に拡散する生存戦略であることが示唆されました。さらに、鎖状接着表現型を引き起こす遺伝子として新規の接着因子ファミリーClaを発見しました。この研究により、非定型な腸管出血性大腸菌の感染メカニズムの理解が深まり、検査・診断や治療標的分子の発見につながると考えられます。
発表資料

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