お知らせ

初代センター長挨拶

“東京慈恵会医科大学総合母子健康医療センター発足の経緯”

東京慈恵会医科大学総合母子健康医療センターは当院E棟改修工事に合せ、前学長岡村哲夫先生の絶大な御支援により、2001年11月に発足し、現在で丸8年が経ちます。

本センターの特徴としては

  1. 患者さんを中心とした多角的かつ集約的な母子医療を展開する。
  2. 小児内科系、小児外科系、産科、婦人科系の医師、看護師、事務職が連携して総合的な母子医療を展開する体制を確立。
  3. 健全なこどもの育成、母体の健康増進を目指す。
  4. NICU, 産科医療の充実を図り、周産期医療体制を確立する。
  5. 母子の救急医療体制を充実し、PICUの体制の整備に努める。
  6. 地域に貢献すると同時に、国際的視野を展望できる医療を目指す。
    更に、医学生・看護学生の教育並びに医師、看護師を含めた医療人の育成に貢献する。

などをコンセプトとして設立されました。

まず小児内科系では小児癌、小児循環器、新生児、未熟児医療、遺伝病などの診断、治療を中心に我が国を代表する診療体制を確立しました。さらに小児外科系では小児外科、小児脳外科、小児心臓外科に専属の教授&部長を置くことにより、神経系&四肢の先天異常&奇形、先天性心疾患、小児癌の外科的治療更には小児整形外科、小児形成外科、小児泌尿器科など小児医療の外科系の医療体制を充実させることで、小児内科系と連携した小児総合医療を展開できる体制を確立しました。又産科、生殖医療体制も小児科と連携し、周産期医療の体制を充実させることに努めてきました。

この8年間で出産数は、これまで年間350名程度であったものが650-700名前後と倍に増えています。またハイリスク妊娠、母体搬送も積極的に引き受けることにより、NICUの稼働率も常に95%以上を維持することができるようになり、同時に1000gr以下の極小未熟児を治療する件数も増えてきました。そしてPICUも当初の2床から4床に増床することで、大学病院の母子センターとしての機能が更に充実されました。他方、生殖医療においても受胎率が向上し、大きな成果を出すことができるようになってきています。

このように本センターは我が国では大学病院としては極めて独創的で、かつ代表的な母子医療センターに成長することができています。今後も高い医療水準を維持していくためにも、多くの皆様方の応援をお願いいたします。

初代センター長衞藤義勝(前小児科主任教授、現遺伝病研究講座教授)