お知らせ

センター長挨拶

「こどもたちの健やかな明るい未来はかけがえのない私たちの夢」

平成20年4月から衛藤義勝初代前センター長を引き継ぎ、総合母子健康医療センター長に就任いたしました。今後センターの発展、首都圏における周産期小児医療の充実のため全力を尽くす所存ですので何卒よろしくお願い申し上げます。

当センターは大学病院直属の母子医療センターとして2001年11月に開設されました。以来現在まで、首都圏における地域小児周産期医療の中核として重症小児疾患、周産期緊急医療およびハイリスク妊娠など高度母子医療を集約的に実践し多くの実績をあげることができました。皆様のご支援ご協力の賜物とこころより感謝申し上げます。

高齢化社会を背景にますます産科小児医療の崩壊の危惧が進む今日、信頼できる母子医療体制の整備は緊急課題です。このような少産少子化社会にあって1人1人のこどもへの親の期待核家族化に伴う親の育児不安と小児周産期医療へのニーズは増すばかりです。さらにわたしたちには小児期にとどまらず疾病を持つこどもたちが健やかに成人し社会の一員として生き甲斐のある生活ができるように見守り保証していく責務があります。わたしたちは治療をうけるすべてのこども達が瞳輝かせ微笑みながら元気に健全なおとなに成長できるように『こころと体の健全』を目指した患者本位の良質の母子医療を実践したいと考えています。

こどもたちの健やかな明るい未来はかけがえのない私たちの夢です。
わたしたちは24時間365日必要とするすべての患者さんのためにいつでも開かれているセンターを目指して、母子のすこやかな心身のため努力していきたいと思います。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

われわれの目指す医療

われわれセンターの目指す医療は『人間の発育と発達を守る医療』つまり胎児、新生児からこどもの時期を経て次世代を育むおとなの世代へと連なる健全なライフサイクルに対する継続的医療の実践です。これらには不妊に代表される生殖医療、ハイリスク妊娠、出生前治療から産科新生児科が連携する周産期医療にはじまり小児救急時間外診療小児集中治療、小児期高次外科治療、小児内科系難病や慢性疾患の長期管理さらに成人へのキャリーオバーに至る幅広い対象を含んでおり、その領域は決してとどまることがありません。このためすべての診療と看護分野において自らの知識手技の進歩発展を常に目指します。

一方で最適な医療を提供するための次世代の人材育成は将来を見据えたセンターの重要な責務です。今日我が国で小児科産科医師不足が深刻化している背景には、この分野が極めて多岐に亘る疾患病態を扱い専門性習得に多大な修練とリスクが伴う一方で、その医療としての崇高な目標や医学的意義が軽視され、医師としてのやりがいや社会的経済的魅力が欠如している現実も一因であろうと思われます。われわれは「人間の発育と発達を守る」という成人医療にはないアイデンティティーを有するこのすばらしい領域を若い医師や看護師がプライドと情熱を持って選択できるようにセンターにおける魅力ある医療環境の整備に努めます。

センター長森田紀代造