■ 附属病院TOPページ

慈恵大学病院だより すこやかインフォメーション 〜大切なご家族のために〜

掲載記事 : No.19 Spring 2009

特集
特集/救急部〜救急の基礎知識〜
救急医療の現状
救急蘇生の基礎知識
Triage : トリアージ
  愛宕山みんなの健康教室
  外来点滴室がオープンしました
  健康コラム
 ・褥瘡じょくそう(床ずれ)

特集 救急部〜救急の基礎知識〜
救急部 診療部長 小川武希 救急処置の基礎知識や技術を持つことはとても大切です。健康な方も定期的な健康診断を欠かさず、日頃からご自分の体の状態をチェックしましょう。
通院中の患者さんご自身はもちろんのこと、ご家族に治療中の患者さんをお持ちの方は、普段から主治医と緊急時の対応策を話し合っておくとよいでしょう。テレビや新聞、インターネットによる情報も有効ですが、一部はその内容が偏っている場合がありますので、信頼の置ける公的機関や医療機関との相談をおすすめします。

救急医療の現状
 医療資源は限られています。しかしながら、最近は安易に救急車を要請する機会が多く、本来の救急医療機能に大きな支障を来しています。東京都の救急医療の状況は表が示すように、9年間で救急搬送患者数は29.7%増加する一方、救急医療機関は18.5%減少しています。
特集 救急部〜救急の基礎知識〜 救急搬送患者数
 医療相談に関しては、東京都医療機関案内サービス「ひまわり」 からも情報を得ることができます。
 また、東京在住の方で、救急受診をすべきか迷う場合には、電話「#7119」で「東京消防庁救急相談センター」をコールしてください。ここは平成19年3月に設置された機関で、スタッフから直接アドバイスを受けることができます。


top

救急蘇生の基礎知識
 救急処置の講習が各地で開催されていますので、体験学習することをおすすめします。
 ・お近くの消防署 ・東京消防庁応急手当講習会 ・日本赤十字社など

1)心肺蘇生(CPR)
  心肺停止状態での緊急処置(CPR)はとても重要で、救急隊が到着するまでの一次救命処置は患者さんの予後(その後の治療結果)を決定します。現在、AED(自動体外式除細動器)が普及し、全国の公的機関に設置されていますので、いざという時に使えるようにしておきましょう。当院でも市民公開講座を開催しておりますので、詳しくはホームページでご確認ください。

2)アナフィラキシー
 アレルギーの中でも蜂刺されや、食べ物による緊急のアレルギー症状が出た場合のためのエピペン(アドレナリンが最初から注入された鉛筆状のもの(図2)が普及しつつあります。エピペンを使用する場合には、医療機関の指導に従って所定の講習会の受講が必要です。
(図2)エピペン
(図2) エピペン

3)外傷

 外傷は交通事故による場合が多く、この場合には救急隊が到着するまで、患者さんを安全な場所に移動させなければなりません。この際、背骨とくに頚椎と頭部をなるべく安定させて動かすことが大切です。このための病院搬送前の外傷患者取り扱い基礎訓練コースも準備されています。

4)脳卒中

  脳血管障害は脳出血と脳梗塞とクモ膜下出血に分けられます。いずれも普段の生活の中で健康管理、とりわけ血圧管理が重要です。脳卒中は急激に発症する脳血管障害ですが、症状は様々です。脳卒中では、救急科・神経内科・放射線科・脳神経外科の連携の良い救急病院の選択が必要とされます。
・最近、普及している脳血栓溶解剤(TPA)は発症から3時間以内の静脈内投与が推奨されています。但し、発症時間がはっきりしない場合は適応になりません。
・クモ膜下出血の原因は脳動脈瘤の破裂が多いことが知られています。最近は開頭せずにカテーテルを用いた塞 栓術が普及しており、当院では我が国でも有数の症例数を持つ脳血管内治療部と連携をとって治療を行います。

top

Triage : トリアージ
  トリアージという言葉は、最近よく使われるようになりました。通常、災害現場で多数の傷病者が発生した場合に用いられます。フランス語で「選別」の意味があり、救急災害医療の現場では、緊急を要する患者を色分けし、治療の優先順位を決定するものです。トリアージ・タッグ(図3)は、「赤」が最重症で緊急治療を要するもの、「黄」は中程度、「緑」は軽症、「黒」は死亡あるいは瀕死の状態で治療の対象にはなりません。 特に、平成17年のJR福知山線脱線事故、平成20年6月に発生した秋葉原多数死傷者発生事件などで「救急現場でのトリアージ」が注目されました。トリアージは事故現場・病院前・病院内などいくつかの場面で何回も行われ、限りある医療資源を有効に用いるための緊急時の方法です。 (図3)トリアージタッグ
(図3) トリアージタッグ


応急処置の基礎知識や技術を持つことはとても大切です。健康な方も定期的な健康診断を欠かさず、日頃からご自分の体の状態をチェックしましょう。
通院中の患者さんご自身はもちろんのこと、ご家族に治療中の患者さんをお持ちの方は、普段から主治医と緊急時の対応策を話し合っておくとよいでしょう。テレビや新聞、インターネットによる情報も有効ですが、一部はその内容が偏っている場合がありますので、信頼の置ける公的機関や医療機関との相談をおすすめします。