地域がん診療連携拠点病院の役割

わが国では、1980年頃からがんが死亡疾患の第1位となり、2000年頃には約3人に1人ががんで亡くなる時代となりました。附属病院は多くの患者さんの要望に応えるため、診療体制の整備を進め平成24年4月に厚生労働省より東京都の地域がん診療連携拠点病院として指定を受けました。

地域がん診療連携拠点病院が整備されるに至る経緯
平成17年5月に開催された第1回がん患者大集会と平成18年3月19日開催の第2回がん患者大集会では、

・未承認薬の早期認可
・医療情報を容易にかつ最新のデータが得られるシステムの供給
・がん診療の地域格差を是正
・緩和医療をどこでも容易に受けられるような医療システムの構築
・がん専門医の不足の是正
・チーム医療

などが強く要望されました。

これを受け、わが国のがん医療政策として初めて「がん患者さん」の要請で議員立法され国会で「がん基本法」が成立しました。これに伴い、「がん基本法」の施策を実行するシステムとしてがん診療連携拠点を通して、今後は国の行政によるがん医療が施行されるときには、がん診療連携拠点病院を介して行われることが決定されました。

がん診療連携拠点病院は都道府県ごとに一つの「都道府県がん診療連携拠点病院」を中心に二次医療圏に1施設の「地域がん診療連携拠点病院」が原則的に設置されました。このため現在では全国には約390以上(東京都は人口が多いこと、医療機関が集中し他県から診療を受けに来られる患者さんが多いことなどから24医療機関が指定されている)におよぶ医療機関が地域がん診療連携拠点病院に指定されております。

附属病院は、これまでも東京都認定がん診療病院として高度な医療を提供してまいりましたが、新たに東京都区中央部(千代田区、中央区、港区、文京区、台東区)における地域がん診療拠点病院として、

・がん拠点病院の周辺の医療機関や介護施設との連携強化
・どこでも質の高いがん医療を受けることができるように、地域の医療を変化させていく
・院内にがん相談窓口を設け、一般市民も容易にがん診療の情報が受けられるような体制を確保する
・緩和医療の専門家を育成し、在宅での緩和医療の普及に努める
・化学療法や放射線療法(含む副作用)、画像診断における教育に努める
・院内がん登録を構築して、院内のみならず地域のがんの正確な発生率を把握できるような体制確保する

地域に開かれた医療機関として、地域の医療レベル向上に寄与する役割を担うようになりました。今後も附属病院は、がん医療の水準向上を図るとともに皆様に安心かつ適切ながん医療を提供していけるよう病院をあげて取り組んでまいります。
また、当院のがんに関する診療機能や診療実績、地域連携に関する実績や活動状況の他、がん患者さんの療養生活の質に
ついて把握、評価し、課題認識を院内関係者で共有した上で、組織的な評価改善活動を行っています。
(当院におけるPDCAサイクルについて)
その他、東京都のがん診療連絡会議や、評価・改善部会等で、東京都がん診療連携拠点病院等と情報共有や相互評価を
行っています。



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