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小児心臓外科:診療実績

2016年度診療実績

2004年から2016年の年次手術症例数と年齢、術式別の内訳は下のグラフのとおりです。

年齢別では1歳未満の新生児―乳児期手術が60-70%で概ね一定しています。最近の動向として術式別では一時期より単心室型修復(グレン、フォンタン手術)にやや減少傾向がみられます。

大学病院附属の母子センターとして近隣の産科新生児科との連携による胎児診断例を含めた大動脈弓異常(大動脈縮窄、弓離断症)合併複雑心疾患(完全大血管転位、両大血管右室起始、単心室)に対する手術も行われております。近年の手術方針として両側肺動脈絞扼術を活用し確実・安全な段階的治療戦略を心がけています。未熟児動脈管開存症に対して手術時間の短縮と安全性を追求した特殊な血管クリップによる動脈管遮断術で成績は安定しています。

日本で最も歴史のある大学心臓外科学講座として術後遠隔期を含む成人期の先天性心疾患患者様が多く、肺動脈弁を含む弁膜症手術、さらに成人循環器内科とも連携し不整脈治療にも力を入れております。さらに関東圏をはじめとする自治体小児専門病院からのキャリーオーバーの患者様についても積極的に受入れ、妊娠・出産をふくむ問題についても周産期医療との連携により健全なライフサイクルの支援に努めております。

また手術における心筋保護法を小児、成人を問わず開心術全例において血液心筋保護液に統一しており、良好で安定した心筋保護効果が得られています。

研究活動としては I 実験・基礎研究: (1)大型放射光施設Spring-8(兵庫県播磨科学公園都市)に設置した位相差CTによる心大血管構造解析研究-特に刺激伝導系の非破壊的3次元構築の可視化-を他施設と連携しながら行っています。(2)当大学の動物実験施設を活用して世界的にみても実験機会の限られた前臨床レベルの動物実験による臨床応用可能な次世代心筋保護法の開発(ischemic perconditioning / postconditioning / Del Nido solutionの改良など)II小児心臓外科に関する臨床研究: (1) Glenn循環におけるPulmonary Flow Reserve Capacity血流量依存性肺血管拡張能の術中評価とFontan術後急性期循環動態推定からみたfenestrationの適応の最適化 (2)Del Nido solusionの安全性、効果に関する臨床試験に向けた体制整備 (3) 単心室におけるグレン循環の肝線維化マーカーへの影響などに取り組んでおり、その成果は国内外に学会、論文発表を通じ発信しております。

手術症例数と内訳:

手術件数(年齢別)

手術件数(術式別)