ご挨拶


センター長
岡野 ジェイムス洋尚
基礎研究から、先端的、学際的医学研究まで、研究者や大学院生が精力的に研究しています。
近年、生命科学と医学研究は飛躍的に進歩しています。本学では総合医科学研究センターを設け、大学の講座で代々引き継がれている特色ある基礎的研究に加えて、先端的、あるいは学際的医学研究を推進しています。ここではセンター所属のスタッフ、基礎・臨床各講座の研究者、大学院生、医学生などが日夜、精力的に研究をおこなっています。
沿革
昭和40年(1965)以来、着々と整備され、研究成果を挙げてきた共同利用研究施設は、平成7年(1995)に現在の総合医科学研究センター(以下センター)に改組されました。
その後、センターはいくつかの研究所の併設、新しい部ならびに施設の設立など、時代の要求に合わせて変遷を遂げ、現在、12の研究部門、3つの支援部門、3つの研究所等から構成されています。
総合医科学研究センターの役割
センターでは、大学の講座で代々引き継がれている特色ある基礎的研究に加えて、先端的、あるいは学際的医学研究を推進するとともに、学内の基礎、臨床講座の研究を支援しています。専任研究者やポスドクなどの期限付きスタッフ、基礎・臨床各講座の研究者、あるいは大学院生、学部学生などが日夜、精力的に研究ならびに研究支援を行っています。
平成26年(2014)にセンターは本学の研究を推進するために大きく改組され、混在していた様々な機能が研究支援部門と研究部、研究所等の3つに明確に分かれました。
遺伝子治療研究部
研究部門

教授
小林 博司
概要
当研究部は1995年に世界でもまだ少なかった、遺伝子治療に特化した研究室としてスタートしました。当初から先天代謝異常症を主な対象として研究開発を重ね、現在臨床実装を目指した2つのプロジェクトを推進しています。また悪性腫瘍の研究も継続的に行うなど、in vitroから開発・臨床研究まで幅広く対応しています。 遺伝子治療にご興味のある方、共同研究、大学院、ポスドクとしてのご参加をお待ちしています。
webサイト
https://www.jikei-gene.com/hrkb@jikei.ac.jp
悪性腫瘍治療研究部
研究部門

教授
村橋 睦了
概要
当研究部は2014年に設置されて以来、腫瘍免疫をテーマに研究を続けてきました。現在は、難治性がんと戦える数少ない次世代がん免疫治療モダリティの一つである腫瘍溶解性ウイルスにフォーカスし、臨床科と共同で治療開発を進めています。また、新たなテーマとして「がんサバイバーのQOL向上」を掲げ、企業の協力を得ながらリンパ管再生が可能な間葉系幹細胞シートによるリンパ浮腫治療の開発にも取り組んでいます。
murahashi@jikei.ac.jp
分子遺伝学研究部
研究部門

教授
玉利 真由美
概要
2019年4月に基盤研究施設(分子遺伝学)から研究部門として独立し、分子遺伝学研究部が組織されました。私たちの研究室では、免疫アレルギー疾患、特に慢性副鼻腔炎のゲノム情報やトランスクリプトーム情報を用いて、疾患メカニズムの解明を行っており、現在、複数の臨床の研究室と共同研究を行なっています。教育・研究を通じて、ゲノム医学、免疫アレルギー研究の発展に貢献していきたいと考えています。
webサイト
https://square.umin.ac.jp/jikeimolgen/mayumitamari@jikei.ac.jp
医用エンジニアリング研究部
研究部門

教授
横山 昌幸
人工知能医学研究部
研究部門

教授
中田 典生
神経科学研究部
研究部門

教授
岡野 ジェイムス洋尚
概要
当研究部は、2013年の総合医科学研究センター改組に伴い神経生理学研究室から神経科学研究部として独立し、以来、本学の神経科学基礎研究の中核として活動を続けています。医学科の神経科学教育に加え、脳科学領域における大学院研究や他学・諸外国との共同研究を、獲得した外部研究費を基盤として進めています。2014年からは、痛み脳科学センターの中核として、国内外最先端の痛み脳機構研究拠点としても活動しています。
webサイト
https://website.jikei-neuroscience.com高橋(講師)yukaritakahashi@jikei.ac.jp
分子疫学研究部
研究部門

教授
浦島 充佳
概要
ビタミンDサプリでp53陽性癌患者さんの再発・死亡を予防できるか(アマテラス2)、また出生直後の栄養介入により食物アレルギーおよび自閉症スペクトラム症を予防できるか(ABC2)をランダム化臨床試験で検証しています。加えて、大学院生(臨床研究専修コース含)の受け入れ、ボストン研修などを通じてトップレベルの臨床研究を実施でき、医療をより良いものに変革できる高度医療人材を養成することにも注力しています。
webサイト
http://docrd.jp/urashima@jikei.ac.jp
臨床疫学研究部
研究部門

教授
松島 雅人
概要
臨床疫学研究部は、日常臨床で生ずるさまざまな疑問を疫学的手法にて解決する臨床疫学を軸として、研究、教育を行っています。
研究分野は,従来の疾病中心型の臨床研究のトピックにとらわれず、医療コミュニケーション、医療の質評価、行動科学、質的研究等が含まれています。さらに医療の最前線であるにもかかわらずエビデンスが不足しているプライマリケア、家庭医療学分野でのエビデンス生成を目指しています。
webサイト
https://www.jikei-clinicalepi.comclinicalepi@jikei.ac.jp
再生医学研究部
研究部門

教授
岡野 ジェイムス洋尚
概要
再生医学研究部では、iPS細胞や非侵襲的画像技術、霊長類等を用いた疾患モデル動物など高度な研究技術を集約的に活用し、最先端の研究手法を戦略的に組み合わせた多角的なアプローチによってALSやパーキンソン病などの神経変性疾患、小児神経疾患、虚血性疾患の病態解明、新規治療法の開発を目指しています。また各診療科とタイアップし臨床現場における解決困難な問題にアプローチするプラットホームづくりを進めています。
hjokano@jikei.ac.jp
先端医療情報技術研究部
研究部門

教授
村山 雄一
概要
近年発展がめざましいICT(情報通信技術)を医療に用いることを目的として、技術開発から臨床応用までを幅広く取り扱っています。日本で初めての保険適用となったスマートフォン向けアプリ「Join」や、医療AI、アクセシビリティー等の研究開発を行っています。
我々は、医療現場でICTを用いることで、如何に医療効率や利便性をあげることができるか研究し、臨床応用できるシステムや環境の構築を目指します。
webサイト
https://dimitjikei.jpdimit@jikei.ac.jp
次世代創薬研究部
研究部門

准教授
藤田 雄
概要
次世代創薬研究部は、”エクソソーム”に着目した創薬研究を行います。エクソソームは、RNA、DNAやタンパク質などの遺伝情報を体内の細胞間で送受することで、生命の恒常性維持やさらには病気の進行にも関与している事がわかり、この研究分野が世界中で加速しています。本研究部では、エクソソームそのものを治療薬として用いる天然エクソソーム製剤の開発、また改変型エクソソームやエクソソームワクチンの基礎研究開発を行い、さらにエクソソーム中に病態に関与する内包物に対する新規核酸医薬や抗体医薬の開発を行っています。
webサイト
https://jikei-exosome.com/プロジェクト研究部
研究部門
概要
次世代を担う若手研究者の育成環境整備のため、令和5年度よりプロジェクト研究部が新たに設置されました。独自性の高い研究をする有望な若手研究者の独立・スタートアップを支援し、研究の多様性の確保、次世代を担う研究者の育成を目的に複数の独立研究グループ群を組織しています。プロジェクト研究部には各々が独立した研究室が設置され、所属する各研究代表者は室長を名乗り、PIとして研究グループを独自に主催しています。
プロジェクト研究部 アミロイド制御研究室

准教授
杉本 真也
研究室概要
難治性感染症の原因となる細菌のバイオフィルムの形成とアルツハイマー病などの神経変性疾患には、「アミロイド」と呼ばれる線維状のタンパク質凝集体が関与します。本研究室では、細菌からヒトに至る様々な生物が備えた、細胞内へのアミロイドの蓄積を抑制する仕組みを分子・細胞・個体レベルで解き明かすことを目標としています。それによって、上記の疾患に対する予防法・治療法・診断法の開発につなげたいと考えています。
プロジェクト研究部 腎臓応用再生医学研究室

助教
山中 修一郎
研究室概要
腎臓応用再生医学研究室は、人工透析に代わる移植用臓器の研究開発を行っています。近年米国では、ブタの臓器を遺伝子編集によってヒト適合性を高め、移植用臓器として利用する研究が進展しています。一方我々は、胎生期のブタ腎臓やヒトiPS細胞を用いたハイブリッド腎臓の作製によって拒絶反応を抑えた新規腎臓の開発に挑んでいます。また動物成分を排除する新たな技術を開発し、移植用臓器開発だけでなくCKD医療に貢献するようなモデル開発も行い、検査から治療まで包括的な腎不全治療研究を行っています。
webサイト
https://www.jikei.ac.jp/academic/course/project_research_jinzo.htmlshu.yamanaka@jikei.ac.jp
プロジェクト研究部 免疫細胞治療研究室

講師
佐藤 洋平
研究室概要
当研究室では“細胞治療”を目指した免疫細胞の研究を行っています。具体的には各種のヒト免疫細胞(T細胞、制御性T細胞、B細胞、NK細胞等)を遺伝子編集や遺伝子導入により改変し、新たな機能を持った細胞の作成を目指して研究を行っています。また、組織由来のヒト免疫細胞の分離・解析を行っており、局所における免疫反応の包括的理解につながる研究も行っています。研究内容のお問い合わせや共同研究に関してもお気軽にご相談ください。
yoheisato@jikei.ac.jp
基盤研究施設
支援部門

教授
鐘ヶ江 裕美
概要
基盤研究施設は、学内の研究サポートとリソースを提供するための支援部門です。本施設に登録している学内の研究者、医師、大学院生が使用可能である共通機器を管理・運用しています。また、塩基配列決定、電子顕微鏡の試料作製・観察・撮影、GC-MS・LC-MS・MALDIを用いた質量分析を受託事業として行うとともに、質量分析、形態学、生化学の相談窓口を通じた研究サポートや企業セミナーを行っています。
mcb@jikei.ac.jp
実験動物研究施設
支援部門

教授
嘉糠 洋陸
概要
実験動物研究施設は、イヌ・ブタ・ウサギ・コモンマーモセット・ラット・マウス等の飼育および実験を行える支援系施設として、本学の基礎・応用研究から前臨床研究まで幅広く活用されています。施設全域が物理的封じ込めレベルP1A以上であり、高度な衛生管理設備を備えています。小動物用MRI、X線CT装置、高解像度エコー、発光・蛍光イメージング機器など、高性能なイメージング機器群を有することが特徴であり、少ない動物で多角的かつ高解像度の解析の「場」を提供することを目指しています。
kanuka@jikei.ac.jp
アイソトープ実験研究施設
支援部門

准教授
箕輪 はるか
概要
アイソトープ実験研究施設は、放射性同位元素(RI:ラジオアイソトープ)を用いた実験ができる共同利用施設であり、研究の支援および教育・研究活動を行っています。病原体や遺伝子組換え生物を扱うためのP1、P2、P3実験室、動物実験室(実験室P1A)・飼育室(P1A)等が備えられ、放射性物質の使用に限らず様々な実験を安全に実施できる施設として、学内の研究者、医師、大学院生に利用されています。
webサイト
http://j-net.jikei.ac.jp/~ric/index.html臨床医学研究所
研究所等

教授
渡部 文子
概要
柏キャンパスにある臨床医学研究所は、2000年4月に設立されて以来、臨床医学の基礎となる学際的研究を展開する教育研究機関として重要な機能を担っています。特に、本学の理念である「病気を診ずして病人を診よ」の教えに基づき、優れた研究に裏付けられた患者中心の医療を実践するために必要な基礎研究を推進することをミッションとしています。さらに、病因解明や診断・治療に結びつく先端的な医学の研究や教育に貢献することを使命としています。
webサイト
http://watabe-lab.jp/awatabe@jikei.ac.jp
高次元医用画像工学研究所
研究所等

准教授
服部 麻木
概要
高次元医用画像工学研究所は、本学総合医科学研究センターの2番目の研究所として平成10年(1998)に創設されました。そして十年先の未来の医療を一日でも早く実現させることが第一の使命です。本研究所は医用工学を専門領域とし、医科大学という医療現場の真っただ中で、手術ナビゲーションや手術シミュレーションなど現場に即した先端医療技術を大学の立場から実現させることを目指しています。
細胞加工施設(JIKEI-CPF)
研究所等

教授
村橋 睦了
概要
当施設は2002年に設置され、細胞治療シーズを支援してきました。2020年に新たにGMP/GCTP省令の製造及び品質管理基準の概念を準用する新施設として出発しています。当施設では開発物の治験薬GMP製造が可能であり、非臨床試験から早期臨床試験までの支援を目的としています。今後治験実施が予想される本学発の細胞治療や遺伝子治療等の再生医療シーズの社会実装の橋渡しに貢献できるよう基盤整備を進めています。