整形外科 診療内容紹介

脊椎

高齢化社会に伴い、脊椎疾患を有する患者さんは増加しています。脊椎・脊髄の疾患では疼痛やシビレといった自覚症状のみならず、上肢・下肢の運動機能が障害されるため、生活の質が著しく低下します。脊椎・脊髄は非常にデリケートな組織であり、その治療には専門的な技量が要求されます。脊椎疾患は多様で、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、頚椎症性脊髄症、頚椎後縦靭帯骨化症、頚椎・腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、脊柱変形(腰曲がり)、脊椎圧迫骨折、転移性脊椎腫瘍、脊椎腫瘍などがあります。これらの疾患に対して除圧、整復固定術などの手術療法を積極的に行っています。また、近年では、高齢者が多いため、できるだけ低侵襲な手術を行うようにしています。
近年、側彎症に対する学校検診制度が確立され、当院の側弯外来ではその三次検診を担っています。生活指導、装具療法に加えて、必要に応じて積極的に手術療法を行い良好な成績を得ています。学生が多いことを考慮し、土曜日に専門外来を行っております。
(記載 牛久智加良)

四肢外傷

高エネルギー外傷(多発外傷、骨盤骨折、開放骨折など)

救急救命センターへ搬送された重傷外傷患者に対しては、救急部と連携しJATECに準じて治療戦略をたて、救命と同時に一刻をあらそう整形外科的治療治療(創外固定、デブリドマンや髄内釘)を積極的に行っています。さらに、その後は、preventable trauma disability(防ぎ得た障害)を回避し、受傷前の日常生活動作(ADL)、の獲得や社会復帰が可能となるように治療を行っています。

低エネルギー外傷(骨粗鬆症に伴う上腕骨近位部骨折、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折など)

近年、高齢者の増加に伴い、転倒やベッドからの転落などの低エネルギー外傷によって引き起こされる骨折が増加しています。当院では、適切に診断し、早期の手術と術後のリハビリテーションを行っています。早期のリハビリテーションは筋力低下の予防、機能回復、ADLの獲得に重要です。入院やリハビリテーションが長期化する場合には、当院ソーシャルワーカーとの連携し、近隣のかかりつけ医やリハビリテーション病院への転院を積極的にすすめています。
(記載 稲垣直哉/奥津裕也)

手外科

手外科の担当する部位は主に手・肘関節です。その疾患は多彩で指の腱鞘炎に始まり、手根管症候群・肘部管症候群などの絞扼性神経障害、母指CM関節症に代表される変性疾患、リウマチによる手指の変形などの変性疾患があります。さらに、動物咬創による感染や外傷(骨折、靱帯損傷)なども多い疾患です。手指の持つ精巧な構造と機能は一度障害されると、高い専門性をもった医療が要求されます。手外科診療では、保存加療・手術にかかわらず、リハビリテーションが極めて重要です。当院では、リハビリテーション科と連携を密にし、ハンドセラピスト3名と一緒に、上肢機能の再獲得を目指して治療を行っております。
(記載 奥津裕也)

膝関節

当院では、変形性膝関節症に対しては十分な保存加療を行なっています。保存療法が無効で、日常生活に支障をきたす場合には、人工膝関節置換術、脛骨高位骨切り術などを行っています。また、適応を選んで低侵襲で除痛が期待できる関節鏡視下デブリドマン手術も行なっています。
スポーツ外傷(半月板損傷、靱帯損傷)では、レクレーションレベルから競技スポーツレベルに至るまで幅広い層の方に対応しています。一人一人のニーズに合わせた治療を行っており、前十字靱帯損傷に対する靱帯再建術では良好な成績を得ています。このほか、骨軟骨損傷、関節内遊離体(関節ネズミ)、膝蓋骨脱臼・亜脱臼など幅広い症例に対する治療も行なっています。
外傷も多く扱っており、膝関節内骨折症例などに対して関節鏡を併用した手術も積極的に行なっています。
(記載 平松智裕)

股関節

慈恵医大整形外科では股関節外科、人工股関節の診療、研究を多く行っております。股関節疾患は小児から成人、高齢者にいたるまで多岐にわたりますが、その代表となるのが変形性股関節症や大腿骨頭壊死症です。これらの疾患に対し人工股関節置換術、各種骨切り術(寛骨臼回転骨切り術、棚形成術、大腿骨内反、外反骨切り術、骨頭回転骨切り術など)を行っております。小児疾患(先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など)も、専門医と連携をとりながら、治療を行っております。

人工股関節置換術について

股関節の痛みに苦しんでいる人、仕事やスポーツ、レジャーなどが股関節の障害で制限されている人にお勧めできる術式です。よりアクティブで快適な生活が可能になる可能性があります。近年、手術手技の進歩やインプラント材料の開発により、良好な術後長期成績が期待できるようになりました。術後のリハビリテーションも早期より離床や歩行訓練が行えるようになり、入院期間も短縮されています。当院でも、慈恵医大の伝統に加え、新しい技術や材料を積極的に取り入れて治療にあたっています。
(記載 阿部敏臣)

骨代謝

閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、二次性骨粗鬆症(糖尿病、胃切除後、腎不全、ステロイド使用に伴うもの)の診断、治療を行っています。
(記載 奥津裕也)