「枠にとらわれない看護」は、
大学での経験があってこそ

卒業生 山口 明莉

職業/看護師

Q1 卒業後の進路、現在の仕事について教えてください。

精神科の単科病院に就職しました。現在5年目になります。

もともと助産師を志して看護の道に進みましたが、実習での患者さんとの出会いを通して精神看護に魅力を感じ、当初の希望とは180度変わって実習先であった精神科の単科病院に就職しました。
精神科での仕事は、主に心を病まれる患者さんとのコミュニケーションを通して、その方々が地域生活へ復帰できるよう支援することです。病状を自発的に訴えることが難しい方もいるため、日頃から些細な変化を見逃さない観察力が求められます。また精神科の単科とはいえ、患者さんは様々な身体合併症を抱えて入院してくるので、身体的な処置や技術を要する場面も多々あります。患者さんが退院するにあたり、ご家族や居宅環境も調整する必要があり、病棟からの退院前に訪問看護を実施することもあります。いずれにしても仕事をする中で患者さんから勇気をもらうことも多々あり、職場では日々笑顔が絶えません。

Q2 学生時代の経験は、今にどのように活かされていますか?

大学の授業はグループディスカッションが多く、自分たちで考えさせられる機会が多々ありました。

看護には、特に精神看護においては、「答え」がありません。日々、自分自身の関わり方、患者さんへのアプローチにおいて自己研鑚を重ねる必要がありますが、その時に「枠にとらわれない看護」ができているのは大学での経験があってこそだと思います。
またアルバイトや部活といった交流の場での学びは、チームで仕事をする医療の現場において礼儀や互いの価値観の尊重、効率の良い仕事展開など様々な場面で活きています。これから大学生になる皆さんにもぜひ「広い視野の持てる看護師」になってもらうために、たくさんの経験をしてほしいです。

Q3 将来の夢を教えてください。

少しずつ認知度が上がってきたとはいえ、精神科はまだまだ偏見が残る分野。患者さんが生活しやすい社会になるよう務めていきたいです。

大学卒業当時、友人や周囲からは精神科に就職することをとても心配されましたが、私が精神看護に誇りとやりがいを持って従事してきたことで周囲の理解も変わり、最近では母校の大学で講演をしたり、授業のサポートにも呼ばれたりする機会が増えています。今後も精神看護の魅力を伝えていく中で、看護を志す学生や世間の抱く不安や偏見が少しでもなくなればいいなと思っています。そして、精神疾患を抱く人々がより生活しやすい社会になるために貢献できるよう努めていきたいです。

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